お出かけの夜に

少しでも期待した俺が悪い。
いや、そんな期待をするなんて、邪な自分を恥じるべきなのか。
でも…
すやすやと寝息をたてている後ろ姿を眺めながら、小さくため息をついた。

部屋に着くと早々にシャワーを浴びて、さっさと先に寝てしまったレイ。
そうなるだろう事も少しは予想していたけれど、さすがに何もなさすぎて、付き合っているのかと疑わしくもなる。
もしかしたら、俺の一方的な好意に彼女が付き合ってくれているだけなのだろうか。
本当は、俺のことなんか…

そんなネガティブな思考に陥りそうになる気持ちを紛らわすように、何気なく携帯に手を伸ばして
気がついた。

「ーーいつのまに…」

そういえば今日、皆と立ち寄ったショップで何かを買っているのは見ていたけれど。

直接渡してくれても良かったのに。
2つ並んだ携帯に仲良くつけられたお揃いのチャーム。
自分の見ていない隙に取り付けたであろう彼女の様子を思い浮かべて、クスリと笑った。
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