お出かけの夜に

一日中歩き回って、たくさん歩いて、久しぶりに感じる遊び疲れが心地良い。
「まーもちゃんっ」
先に浴室から出て寛いでいると、髪を乾かし終えたうさぎがひょっこりとベッドルームに顔を覗かせた。
お団子を解いた髪をふわふわさせて、浴室の湯気で温められた頬は天然のメイクみたいに桜色に染まっている。
ーー可愛いな。うちのプリンセスは。

「うさ、おいで」
「いくよっ!せーのっ!」
「ーー!?おいっ!」
勢いよくベッドにダイブしてきたうさぎを全身で受け止めると、2人ともふかふかのベッドの中に沈み込む。
「いきなり飛び込むなよ」
「えへへー。だって気持ちよさそうだったんだもん」
そういって胸元に収まるうさは、細くて柔らかくて。それなのに、こんな体の一体どこに…どうしてこんなに包み込まれるような力を持っているのだろうか。

「まもちゃん、ありがとね。連れてきてくれて」
「うさもな。ありがと。」
幸せそうなうさの横顔にひとつ、キスをして
胸いっぱいにふわふわな香りを吸い込んだ。
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