2023カレンダー
柔らかなソファーの上で、うさぎは眠たい目を擦りながらとろんと恋人の肩に身を委ねていた。年末恒例の歌番組も終わり、惰性で見ていたテレビはどのチャンネルも似たようなお祭り騒ぎをやっている。
衛の整った指先はさっきからずっとお団子を解いた髪をさらさらと撫でていて、それが心地よいから随分前からずーっとぼんやりとこうしていた気がする。そういえばこの番組だって特別観たいと言うわけではなく、ただなんとなく時報が鳴るまでは起きていたくてずーっとこうしていただけなのだ。
『さあ!今年も残すところあと30秒を切りました!』
『あなたにとって、この一年はどんな年だったでしょうか?』
一年を振り返る言葉とともに、カウントダウンが始まった。相変わらず髪を撫でている彼の手は心地よくて、このまま何も特別な事なく新年を迎えるのも悪くないとは思っていたのだけれど…
『10!9!8!…』
ふいに閃いたうさぎがパッと向き直り、衛の手を止めた。
「ねぇまもちゃん!カウントダウンキスしよ?」
「なんだよそれ」
『…5!4!』
「ね?ホラもう」
「ちょ、待てうs…」
『…2!1!』
――パチン!
「キャンっ!」
突然何かに唇を弾かれて、うさぎは慌てて飛び退いた。
「いったぁぁ」
「静電気だ。乾燥してるから」
転げ落ちそうになるのを抱きとめた衛が苦笑しながら顔を寄せると、再びパチンとなるのを恐れたうさぎの唇が無意識に逃げようとする。
「もう平気だよ。一度放電してるから。」
そう言いながら、今度は衛の方からそっと唇を重ねた。
衛の整った指先はさっきからずっとお団子を解いた髪をさらさらと撫でていて、それが心地よいから随分前からずーっとぼんやりとこうしていた気がする。そういえばこの番組だって特別観たいと言うわけではなく、ただなんとなく時報が鳴るまでは起きていたくてずーっとこうしていただけなのだ。
『さあ!今年も残すところあと30秒を切りました!』
『あなたにとって、この一年はどんな年だったでしょうか?』
一年を振り返る言葉とともに、カウントダウンが始まった。相変わらず髪を撫でている彼の手は心地よくて、このまま何も特別な事なく新年を迎えるのも悪くないとは思っていたのだけれど…
『10!9!8!…』
ふいに閃いたうさぎがパッと向き直り、衛の手を止めた。
「ねぇまもちゃん!カウントダウンキスしよ?」
「なんだよそれ」
『…5!4!』
「ね?ホラもう」
「ちょ、待てうs…」
『…2!1!』
――パチン!
「キャンっ!」
突然何かに唇を弾かれて、うさぎは慌てて飛び退いた。
「いったぁぁ」
「静電気だ。乾燥してるから」
転げ落ちそうになるのを抱きとめた衛が苦笑しながら顔を寄せると、再びパチンとなるのを恐れたうさぎの唇が無意識に逃げようとする。
「もう平気だよ。一度放電してるから。」
そう言いながら、今度は衛の方からそっと唇を重ねた。