☆゚・*:.。.☆Happy Birthday .。.:*・゚☆.。.:・゚
色とりどりの料理をテーブルに並べながらいつもの4人と2匹で賑やかにパーティーの準備をしていると、ピンポンとドアベルが鳴った。
「お待たせ。お連れしましたよ」
彼の後ろからひょっこりと顔を出したのは、本日の主賓さん。ちょっとだけ戸惑ったように見えるのはたぶん、いつものように図書館から淡々と2人で歩いているうちに連れて来られたから。
本当は美奈たちが準備してる間にあたしが連れて来てあげても良かったんだけど、そういうサプライズはもう前にやってしまったし。正直なところ、彼に頼めたのは別の意味でも結構ありがたかったりもするんだよね。
才色兼備で誰に対しても隔たりなく優しい水野さん。そんなあの子の苦手な物がラブレターだって事を知っている人は殆どいないらしい。それはいくらあたしがそばにいたって、防ぎきれなくて、ある時はロッカーの中、ある時は机の中に突然やってくる。図書委員の男子から借りようとした本に挟まれて渡されたときはあの子、しばらく図書室に行けなくなってたっけ。
よせば良いのに、悪化すると分かっていても律儀に中身を確認して蕁麻疹で真っ赤になった襟元を隠す。ぬけぬけと言い寄る男子たちの軽率な好意が、彼女にどれほどの気苦労を負わせていたことか。
だから、「恥ずかしいから学校には来ないで」なんて困った顔をしている亜美ちゃんには申し訳ないんだけど、アイツが亜美ちゃんの側にいて、彼女に視線を送る男子を一瞥する様子はちょっとスカッとする。…あたしが可愛い亜美ちゃんを独り占めできないのはちょっぴり寂しいんだけど…ね。
「じゃ、アタシこのあとバイトだから。あとは仲良しの皆さんでごゆっくり。」
それだけ言うと、しれっとした態度で手を振り帰っていっちゃった。
去り際に耳元で何かを囁いて、ポンと首まで真っ赤になった亜美ちゃんを残して。
「お待たせ。お連れしましたよ」
彼の後ろからひょっこりと顔を出したのは、本日の主賓さん。ちょっとだけ戸惑ったように見えるのはたぶん、いつものように図書館から淡々と2人で歩いているうちに連れて来られたから。
本当は美奈たちが準備してる間にあたしが連れて来てあげても良かったんだけど、そういうサプライズはもう前にやってしまったし。正直なところ、彼に頼めたのは別の意味でも結構ありがたかったりもするんだよね。
才色兼備で誰に対しても隔たりなく優しい水野さん。そんなあの子の苦手な物がラブレターだって事を知っている人は殆どいないらしい。それはいくらあたしがそばにいたって、防ぎきれなくて、ある時はロッカーの中、ある時は机の中に突然やってくる。図書委員の男子から借りようとした本に挟まれて渡されたときはあの子、しばらく図書室に行けなくなってたっけ。
よせば良いのに、悪化すると分かっていても律儀に中身を確認して蕁麻疹で真っ赤になった襟元を隠す。ぬけぬけと言い寄る男子たちの軽率な好意が、彼女にどれほどの気苦労を負わせていたことか。
だから、「恥ずかしいから学校には来ないで」なんて困った顔をしている亜美ちゃんには申し訳ないんだけど、アイツが亜美ちゃんの側にいて、彼女に視線を送る男子を一瞥する様子はちょっとスカッとする。…あたしが可愛い亜美ちゃんを独り占めできないのはちょっぴり寂しいんだけど…ね。
「じゃ、アタシこのあとバイトだから。あとは仲良しの皆さんでごゆっくり。」
それだけ言うと、しれっとした態度で手を振り帰っていっちゃった。
去り際に耳元で何かを囁いて、ポンと首まで真っ赤になった亜美ちゃんを残して。