月夜のふたり
今日もまた、彼はニコニコと笑いながら「一緒に居てくれませんか?」などと言う。
外では絶対に見せない、そんな甘えた態度に眉根を下げながら「ばか」とだけ言うのが定番のやりとりだけれどーー。
ここだけの話、ジェダイトは甘えるのが上手い。正確に言うなら「甘えるように見せて甘やかすのが上手い」のかもしれない。本当はレイの方こそ彼の胸に甘えたい時があるのだけれど、どうしてもプライドが許さなくてそれができないのだから。彼はそんな密やかな胸のうちを何故だか敏感に読みとって、一緒に居てほしいなどと誘うのだ。
ひとつの布団に身を寄せると、少しだけ遠慮がちに触れてきた彼の手がサラサラとレイの髪を梳く。こうしているのが好きだと言っていたから、させてあげている…けど、決して不快だとか仕方なくさせてやっているとかではない。
ふと目を向けると視線がぶつかって、一瞬彼の手が止まった。端正な顔立ちを崩すことなく「なに?」と微笑む彼にトクンと胸が鳴る。
「…なんでもないわ」
そう言いながら、静かに目を閉じる。
(ずっとこうしていて)
なんて思いながら。
外では絶対に見せない、そんな甘えた態度に眉根を下げながら「ばか」とだけ言うのが定番のやりとりだけれどーー。
ここだけの話、ジェダイトは甘えるのが上手い。正確に言うなら「甘えるように見せて甘やかすのが上手い」のかもしれない。本当はレイの方こそ彼の胸に甘えたい時があるのだけれど、どうしてもプライドが許さなくてそれができないのだから。彼はそんな密やかな胸のうちを何故だか敏感に読みとって、一緒に居てほしいなどと誘うのだ。
ひとつの布団に身を寄せると、少しだけ遠慮がちに触れてきた彼の手がサラサラとレイの髪を梳く。こうしているのが好きだと言っていたから、させてあげている…けど、決して不快だとか仕方なくさせてやっているとかではない。
ふと目を向けると視線がぶつかって、一瞬彼の手が止まった。端正な顔立ちを崩すことなく「なに?」と微笑む彼にトクンと胸が鳴る。
「…なんでもないわ」
そう言いながら、静かに目を閉じる。
(ずっとこうしていて)
なんて思いながら。