日々のこと Z&A

寄りかかっていた壁が動いたから
ふと我に帰り、それが彼の肩であった事に気づいた。

あれ…?
私、
いつの間にか寝てた

「おはよ。」

そういえば一緒に彼の部屋に来て、食事して
食器を洗う間、座っててと言われた言葉に甘えて本を読んでた
…つもりだったのに、いつのまにか。

「気づかなかった」
「そうでしょうね。あなたいっつも寝つきが良いから。寝つきがいいっていうか、寝落ち?」

どれくらいの間こうしていたんだろう?

「また昨日も遅くまで起きてたんでしょ。お肌に悪い」

そう言いながら頬に当てられた手が、あったかくて気持ちよかった。



-———



無意識にもたれかかってきた彼女の寝顔。

また夜遅くまで根詰めていたんでしょう?

いつの時代も貴女は、人知れず孤独を抱えてる。
細い肩にかかる責任の重さを誰よりも自覚しているから…ね。

「大丈夫よ」
と言って微笑む姿に、
せめて私の前でだけは、たくさん甘えて
と、心から願う。
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