♡SS〜東京


「あっ!あたしそろそろ行くね!」
「デート?」
「合コンよ!KO大のバレーサークル!すっごいイケメン揃ってるらしいの!」
「ーーごっ…///!?」
「ホラあたし、愛の女神だし?やっぱりきれいどこが行ってあげないと盛り上がんないじゃない!じゃ!まったね〜」

「前から思ってたんだけど、美奈Pってクンツァイトと付き合ってるんじゃなかったの?」
「うさぎ、そんな真顔で聞くんじゃないわよ。」
「あ、亜美ちゃん固まってる…大丈夫だって!ホラ、美奈の事だから…」
動揺する2人を見ながら、ため息混じりにまこちゃんと目を合わせて苦笑した。

「いつものことよ。あの子見せゴマとして最適ですもの」
「ちょ、ちょっとレイちゃんストレートだな。でもまぁ、本人もそれを知ってて楽しんでるみたいだよね」

ーーそう
たとえ初対面であっても、誰とでも卒無く場を取り持つことができて器量良し。あんな子がいればそれなりに盛り上がるに決まってるわ。
そんなふうに誰からも慕われて、求められて、楽しそうにキラキラと笑う、愛の戦士だもの。

でも、そんな良い子を演じているのは冷やかしだからでしょ?
本当はどんなわがままを言っても、どんなに振り回しても受け止めてくれる、安心して帰ることができる人がいるから。
きっと今日だって帰りが遅くなったら迎えに来てくれるわ。
相変わらずの無表情で冷めちゃう!なんて文句を言われながら、ね。
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