気になる2人
今日は月の使節団が来る日。プリンセスの四守護戦士からも2人来るらしい。
あいにくジュピターは来ないらしいから嬉しくもないんだが、ジェダイトは昨晩からソワソワしていて見てて楽しい。
でも、それより面白いやつがここにいる。
ちょっとからかい半分、それに今日は会えない彼女に想いを託して、庭で摘んだバラを一本、邪魔にならないよう綺麗に包んで用意した。
「これ、渡しといてくれ」
「はぁ?なんで?誰に?」
「ジュピターに渡してほしいって俺が言ってたと伝えれば絶対届けてくれるだろ?マーキュリー。」
その人の名に、一瞬手が止まった。
興味ない。知らないとか言いながら、彼女の事になると目の色が違う。
そんな様子をからかいたくて、ニヤニヤが止まらない。
しかし月からの使節団に彼女の姿は無かったらしい。
代わりに来たのはジュピターだった…だと!?何だよそれ!聞いてねぇ!!
「はい。今日の報告書。残念でした。」
憎たらしい笑みを浮かべて俺の机に書類の束を置いていく。
てかお前も結構ガッカリしてんじゃねーの?
「ハイハイ、お互い様だな。残念でした」
「はぁ?何が?」
「泣くなよ」
「泣いてないっ!」