まずは交換日記から始めましょう【前編】
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そこからしばらく経ったある日、学年も上がり新しいクラスにも馴染んで来た頃にピーニャくんを久しぶりに見かけた。(まぁ、見かけたいうより見かけざる負えなかったというか…)
学校のエントランスで仲間らしき人と一緒に一人一人挨拶をしている姿が嫌でも目に付いた。
だけど、あのスター団だったピーニャくんにみんなビビってか返事をすることなく素通りしていく。もし私がピーニャくんの立場なら心をポッキリ折って泣いているところだろう。でも周りの反応にもめげず、大きな声で挨拶を続ける姿は純粋に凄いなと思った。
見つめすぎていたのかこっちを向いた彼と目が合い、あっと思った時には「おはようございます!」と周りにしていたように挨拶をされる。
テンパりつつも、小さく私も「お、はよう…ございます」と軽くお辞儀をする。そしたらパァァァっと口角を上げて「返事してくれてありがとう!!」嬉しそうにお礼を言うではないか。
なんだかその姿に可愛い人だな、なんてその時は思ってしまった。
それから朝エントランスでピーニャくんに会う度に相変わらず声は小さいけど、私もおはようと返していた。でも本当にそれだけ。それでもこの何気ないやり取りが私は嫌いじゃなかった。
多分その頃に私はピーニャくんのことを意識し始めていたんだと思う。
自覚したのはスター団の周りからの評判が変わった頃だろうか。
課題に使う資料を探すためにエントランスの本棚を物色していたら、机に向かって勉強している生徒たちの話し声が聞こえてきた。普段ならプライバシーなこともあるし人の会話なんか気にしないけど、そこからピーニャくんの名前が出てきて思わず本を探す手が止まった。
『最近さぁ、スター団って変わったよね』
『うん、ちょっと前までは片っ端から声掛けて勧誘してて迷惑だったけど、あのSTC…だっけ?あの活動し始めてからはそこまで悪い団体じゃないのかなって思ってきたかも』
『私それに行ってみたの。バトル学が苦手だったから、参考になるかなと思って』
『へぇー!で、どうだったの?』
『よかったよ!バトル慣れしてない私にもみんな親切にしてくれたし、特にピーニャくん!あの人生徒会長してた頃より、とっつきやすくて優しかったなぁ』
根は真面目だし、頭も良いし身長も高くて、私好きになっちゃいそう〜!
その最後の一言を聞いたあたりでなんだか胸がもやもやしてきて、そっと自分の部屋へと戻った。
(そのせいで資料は取り忘れてしまった。)
(人のこと言えないけど、流石にみんな手のひら返しがすぎるのでは?そりゃあ確かにスター団は相手のことを考えずに勧誘したり、授業をサボってたりと印象は良くなかったけどもね?優しくされたからって好きになるとか言っちゃってさ)
「なんか、やだなぁ」
口から思わず出た言葉にハッとなる。
あれ?なんで嫌なんだろう。何が嫌なんだろう。
さっきの女の子達の会話を思い返してみて、何に引っかかったのか考えてみた。そしたら頭に浮かんだのはピーニャくんの事で、彼の話題を口にした時が1番嫌な気持ちになったのだ。
でもそうなると次の疑問は、なんでピーニャくんなのかだけどすぐに自分の中で答えが出た。
(私、好きなんだ。ピーニャくんのこと。ちゃんと話したこともないし、朝の挨拶しか交わしたことがないけど。でも、あの時だけ私に向けておはようって笑ってくれるのが嬉しくて…だから、もしピーニャくんが別の人と一緒にいて、その人と幸せそうにしてたらと思うと胸が苦しくなる。なんか人の事言えなくて、ちょっと笑っちゃうな)
でも、気持ちを自覚したその次に考えたことは、陰キャの私がピーニャくんに気持ちを伝えることは不可能だということだった。
挨拶すらまともに返せてない奴が、今から仲良くなる為に会話するなんてどう考えても無理な話だ。只でさえ何にも思っていないクラスメイトにでさえとまともに話すことが出来ないのに、好きな相手とだなんてハードルが高すぎる。なにか接触せずにピーニャくんと交流できるような方法は無いものだろうか……。
(でも、そんなうまい話ある訳ないよねぇ……)
しかし、そんな上手い話が私の目の前に転がり込んできたのだ。
学校のエントランスで仲間らしき人と一緒に一人一人挨拶をしている姿が嫌でも目に付いた。
だけど、あのスター団だったピーニャくんにみんなビビってか返事をすることなく素通りしていく。もし私がピーニャくんの立場なら心をポッキリ折って泣いているところだろう。でも周りの反応にもめげず、大きな声で挨拶を続ける姿は純粋に凄いなと思った。
見つめすぎていたのかこっちを向いた彼と目が合い、あっと思った時には「おはようございます!」と周りにしていたように挨拶をされる。
テンパりつつも、小さく私も「お、はよう…ございます」と軽くお辞儀をする。そしたらパァァァっと口角を上げて「返事してくれてありがとう!!」嬉しそうにお礼を言うではないか。
なんだかその姿に可愛い人だな、なんてその時は思ってしまった。
それから朝エントランスでピーニャくんに会う度に相変わらず声は小さいけど、私もおはようと返していた。でも本当にそれだけ。それでもこの何気ないやり取りが私は嫌いじゃなかった。
多分その頃に私はピーニャくんのことを意識し始めていたんだと思う。
自覚したのはスター団の周りからの評判が変わった頃だろうか。
課題に使う資料を探すためにエントランスの本棚を物色していたら、机に向かって勉強している生徒たちの話し声が聞こえてきた。普段ならプライバシーなこともあるし人の会話なんか気にしないけど、そこからピーニャくんの名前が出てきて思わず本を探す手が止まった。
『最近さぁ、スター団って変わったよね』
『うん、ちょっと前までは片っ端から声掛けて勧誘してて迷惑だったけど、あのSTC…だっけ?あの活動し始めてからはそこまで悪い団体じゃないのかなって思ってきたかも』
『私それに行ってみたの。バトル学が苦手だったから、参考になるかなと思って』
『へぇー!で、どうだったの?』
『よかったよ!バトル慣れしてない私にもみんな親切にしてくれたし、特にピーニャくん!あの人生徒会長してた頃より、とっつきやすくて優しかったなぁ』
根は真面目だし、頭も良いし身長も高くて、私好きになっちゃいそう〜!
その最後の一言を聞いたあたりでなんだか胸がもやもやしてきて、そっと自分の部屋へと戻った。
(そのせいで資料は取り忘れてしまった。)
(人のこと言えないけど、流石にみんな手のひら返しがすぎるのでは?そりゃあ確かにスター団は相手のことを考えずに勧誘したり、授業をサボってたりと印象は良くなかったけどもね?優しくされたからって好きになるとか言っちゃってさ)
「なんか、やだなぁ」
口から思わず出た言葉にハッとなる。
あれ?なんで嫌なんだろう。何が嫌なんだろう。
さっきの女の子達の会話を思い返してみて、何に引っかかったのか考えてみた。そしたら頭に浮かんだのはピーニャくんの事で、彼の話題を口にした時が1番嫌な気持ちになったのだ。
でもそうなると次の疑問は、なんでピーニャくんなのかだけどすぐに自分の中で答えが出た。
(私、好きなんだ。ピーニャくんのこと。ちゃんと話したこともないし、朝の挨拶しか交わしたことがないけど。でも、あの時だけ私に向けておはようって笑ってくれるのが嬉しくて…だから、もしピーニャくんが別の人と一緒にいて、その人と幸せそうにしてたらと思うと胸が苦しくなる。なんか人の事言えなくて、ちょっと笑っちゃうな)
でも、気持ちを自覚したその次に考えたことは、陰キャの私がピーニャくんに気持ちを伝えることは不可能だということだった。
挨拶すらまともに返せてない奴が、今から仲良くなる為に会話するなんてどう考えても無理な話だ。只でさえ何にも思っていないクラスメイトにでさえとまともに話すことが出来ないのに、好きな相手とだなんてハードルが高すぎる。なにか接触せずにピーニャくんと交流できるような方法は無いものだろうか……。
(でも、そんなうまい話ある訳ないよねぇ……)
しかし、そんな上手い話が私の目の前に転がり込んできたのだ。