The bitter Valentineday
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*
『アオキさんお疲れ様でーす。確認書類回ってきたんで目ぇ通しといてくださいね』
『態々ありがとうございます。そこに置いといてください』
『わかりましたぁ…って、アオキさんも意外とすみに置けませんねぇ〜モテモテじゃないですか!』
『別にそんなんじゃないですよ。皆さんお世話になってるからとくれただけですから』
『またまた……あ、でもこれ俺の個人的意見なんで、頭の片隅に入れる程度に覚えて貰いといたらいいんですけど』
『?』
『その…偶に好きな人へ歪んだ形として、自分が作った料理に血液とか髪の毛とか爪とか入れたりするんですって』
『えぇ…』
『まぁ、実際俺も未遂だけどやられたことあるから過敏になってるところはあるってだけで…。中々そんなことないと思うけど、気をつけてくださいね』
*
「その話を聞いてから知らない人が作ったものに対して拒否反応が出てしまいまして…。チョコに限らず、手料理やお菓子がダメになりました」
「な、なるほど…」
「全員がそうとは限りませんが、考えると鳥肌が立ってしまって…」
そう言いながら腕をさするアオキさんの顔は少し青褪めていた。ならば尚更チョコレートを返して欲しいのだけど、その間も手から離す様子はない。
「理由は分かりました。私も食べられないものを渡そうとして本当にすみませんでした。だからチョコレート返してください。あと、その…手紙も」
「……返事をさせてはくれないんですか?」
「え?」
「手紙、ちゃんと読みました。気持ちがこもった素敵な文章でしたよ」
「…ありがとうございます」
(あぁ、とうとう振られちゃうんだ…)
「それで……良ければ是非お付き合いさせて欲しいのですが」
「はい………はい?」
聞き間違いかな?と思ってアオキさんを見ると表情は変わらずだったけど、耳が赤くなっていた。
あ、聞き間違いじゃなかったんだと理解した後、いやいやいや!!と首を横に振った。
「なんでですか?」
「なんでと聞かれても、自分もハヅキさんが好きだからですとしか言えませんが」
「だ、だって私手作り持ってきちゃったし…嫌われちゃったって…思って」
「確かにさっき言いましたけど、それとこれは別問題ですよ。ハヅキさんが自分で食べようとするなら入ってないって事もわかりましたし、それに」
「それに?」
「なにより好きな人が作ったものなら、何が入ってたとしても喜んで頂きますよ」
「……無理して言ってませんか?」
「逆に聞きますけど、無理してるように見えますか?」
じっとこちらを見つめる目は真剣で思わず目を逸らしてしまいそうになるけど、そっと頬にアオキさんの手が触れて再び目が合う。首を横に振って答えると「良かった」と安堵の声を上げ頬を触れていた手を背中へ回してそのまま抱きしめられた。
「あ、アオキさん!?あの、」
「じゃあこれでお付き合いするということでいいですよね?」
「え、あ、でも…」
「嫌ですか?」
あ、あれ?アオキさんってこんなにグイグイくる人だったっけ?告白するつもりだったのは私の方のはずなのに、いつの間にか私が迫られている状況にやや困惑していた。
でも、さっきまでは望み薄だと思っていたからアオキさんからそう言ってくれたのはとても嬉しかった。だから彼の背中に腕を回して「嫌じゃ、ないです」と小さく答えた。
「あの、ほんとに無理して食べないでくださいね」
「心配無用です、仮にお腹を下したとしても本望ですので」
「はぁ…」
「それじゃあハヅキさん、お返しは気長に待っていてくださいね」
お疲れ様でしたと言ってアオキさんは帰っていった。一応、付き合ったってことでいいのかな?
あんまり実感が湧かないけど、帰宅後自分のスマホに食べた後のチョコの包み紙の写真と
『美味しかったですよ、ありがとうございました』というメッセージが送られているのを見てさっきのは夢ではなかったんだと理解した。
今度会う時にはちゃんと好きって面と向かって伝えよう…そう決心した。
『アオキさんお疲れ様でーす。確認書類回ってきたんで目ぇ通しといてくださいね』
『態々ありがとうございます。そこに置いといてください』
『わかりましたぁ…って、アオキさんも意外とすみに置けませんねぇ〜モテモテじゃないですか!』
『別にそんなんじゃないですよ。皆さんお世話になってるからとくれただけですから』
『またまた……あ、でもこれ俺の個人的意見なんで、頭の片隅に入れる程度に覚えて貰いといたらいいんですけど』
『?』
『その…偶に好きな人へ歪んだ形として、自分が作った料理に血液とか髪の毛とか爪とか入れたりするんですって』
『えぇ…』
『まぁ、実際俺も未遂だけどやられたことあるから過敏になってるところはあるってだけで…。中々そんなことないと思うけど、気をつけてくださいね』
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「その話を聞いてから知らない人が作ったものに対して拒否反応が出てしまいまして…。チョコに限らず、手料理やお菓子がダメになりました」
「な、なるほど…」
「全員がそうとは限りませんが、考えると鳥肌が立ってしまって…」
そう言いながら腕をさするアオキさんの顔は少し青褪めていた。ならば尚更チョコレートを返して欲しいのだけど、その間も手から離す様子はない。
「理由は分かりました。私も食べられないものを渡そうとして本当にすみませんでした。だからチョコレート返してください。あと、その…手紙も」
「……返事をさせてはくれないんですか?」
「え?」
「手紙、ちゃんと読みました。気持ちがこもった素敵な文章でしたよ」
「…ありがとうございます」
(あぁ、とうとう振られちゃうんだ…)
「それで……良ければ是非お付き合いさせて欲しいのですが」
「はい………はい?」
聞き間違いかな?と思ってアオキさんを見ると表情は変わらずだったけど、耳が赤くなっていた。
あ、聞き間違いじゃなかったんだと理解した後、いやいやいや!!と首を横に振った。
「なんでですか?」
「なんでと聞かれても、自分もハヅキさんが好きだからですとしか言えませんが」
「だ、だって私手作り持ってきちゃったし…嫌われちゃったって…思って」
「確かにさっき言いましたけど、それとこれは別問題ですよ。ハヅキさんが自分で食べようとするなら入ってないって事もわかりましたし、それに」
「それに?」
「なにより好きな人が作ったものなら、何が入ってたとしても喜んで頂きますよ」
「……無理して言ってませんか?」
「逆に聞きますけど、無理してるように見えますか?」
じっとこちらを見つめる目は真剣で思わず目を逸らしてしまいそうになるけど、そっと頬にアオキさんの手が触れて再び目が合う。首を横に振って答えると「良かった」と安堵の声を上げ頬を触れていた手を背中へ回してそのまま抱きしめられた。
「あ、アオキさん!?あの、」
「じゃあこれでお付き合いするということでいいですよね?」
「え、あ、でも…」
「嫌ですか?」
あ、あれ?アオキさんってこんなにグイグイくる人だったっけ?告白するつもりだったのは私の方のはずなのに、いつの間にか私が迫られている状況にやや困惑していた。
でも、さっきまでは望み薄だと思っていたからアオキさんからそう言ってくれたのはとても嬉しかった。だから彼の背中に腕を回して「嫌じゃ、ないです」と小さく答えた。
「あの、ほんとに無理して食べないでくださいね」
「心配無用です、仮にお腹を下したとしても本望ですので」
「はぁ…」
「それじゃあハヅキさん、お返しは気長に待っていてくださいね」
お疲れ様でしたと言ってアオキさんは帰っていった。一応、付き合ったってことでいいのかな?
あんまり実感が湧かないけど、帰宅後自分のスマホに食べた後のチョコの包み紙の写真と
『美味しかったですよ、ありがとうございました』というメッセージが送られているのを見てさっきのは夢ではなかったんだと理解した。
今度会う時にはちゃんと好きって面と向かって伝えよう…そう決心した。
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