The bitter Valentineday
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気分も落ち込み猫背になりながらリーグの外に出たら、後ろから「ハヅキさん」と声をかけられた。でも、私は振り向くことが出来なくて固まってしまった。
なぜならその声はアオキさんそのものだったから。
「良かった、まだ帰ってなかったんですね」
「ちょ、ちょっとやることがありまして…」
「そうでしたか。…あの、ハヅキさん」
「なんですか?」
「少しお話したいことがありまして、お時間いいですか?」
「え、えっと…その、よ、用事があるのでまた今度!!」
「あっ」
普段通りに話せる自信がなくて顔を見ることも出来ずに走り去ろうとしたけど、日頃の運動不足が祟ってか何も無い所で躓きそうになった。
すると、グッと腕を引かれて後ろから抱きとめられた。その拍子に鞄を落としてしまったけど、今はそれどころじゃない。
「あ、あああ、あのアオキさ…」
「はぁ…驚きました、大丈夫ですか?」
「だ、だい、じょうぶです……」
「すみません、自分が声をかけたせいですよね」
違います……と否定出来たら良かったけどあながち間違ってないから困る。とりあえず離して欲しかったから身をよじると、察してくれたのか手を離して落ちた鞄の中身を拾い始めた。慌てて私も拾っていく。
「ご、ごめんなさい!お構いなく…」
「いえ、半分自分のせいですから……あの」
「はい?」
「これ…」
アオキさんの手に包装が崩れたチョコレートが握られていたのを見て顔が青褪める。
「か、返してください…」そう言った声は震えていた気がした。なのにアオキさんはそれを持ったままじっと見つめて返してくれない。
「失礼ですがこれは誰かへ渡すものだったんですか?」
「え、な、なんで…」
「人から貰ったものがこんなにぐしゃぐしゃなのは考えられなかったので、なんとなくそうかなと」
「そう、ですか」
「あと……これ」
上着の内ポケットを漁り取り出したのは、私が探していた手紙だった。
「ぁ、そ、それ」
「すみません。封筒の宛名は自分でしたけど何方からか書いてなかったので、悪いとは思いましたが中身を見させてもらいました。」
「!」
あぁ、読んじゃったんだ…。じゃあ、もう私の気持ちもバレてるんだね。
態々返事をするために私が通るの待ってたのかなとか、律儀だけど今だけはやめて欲しかったなとか俯いてアオキさんの言葉を聞きながら考えていた。
「その…なんて言えばいいか分からんのですが…」
「……」
「ありがとうございます、嬉しかったです」
「…無理してお礼なんか言わなくてもいいですよ」
「え?」
怪訝そうなアオキさんの顔を見て、自嘲的に笑いながら頭を下げる。
「ごめんなさい、それ買ってきたやつじゃなくて私が作ったんです。何も知らないで手作りなんか持ってきちゃって…だから返してください。自分でそれ処分しますから」
「何故ですか?」
「え?」
今度は私が訳が分からず顔を上げてアオキさんを見つめた。だって、昼間の女の子が渡そうとしてきたチョコは断っていたじゃない。
それを指摘したら「あぁ」と納得した声を漏らす。
「そうですね、基本は断ってます」
「だったらなんで…」
「あの、それに対して補足と言いますか…少し前までは手製のものも受け取っていたんですよ。でもある時、同僚の方に…」
なぜならその声はアオキさんそのものだったから。
「良かった、まだ帰ってなかったんですね」
「ちょ、ちょっとやることがありまして…」
「そうでしたか。…あの、ハヅキさん」
「なんですか?」
「少しお話したいことがありまして、お時間いいですか?」
「え、えっと…その、よ、用事があるのでまた今度!!」
「あっ」
普段通りに話せる自信がなくて顔を見ることも出来ずに走り去ろうとしたけど、日頃の運動不足が祟ってか何も無い所で躓きそうになった。
すると、グッと腕を引かれて後ろから抱きとめられた。その拍子に鞄を落としてしまったけど、今はそれどころじゃない。
「あ、あああ、あのアオキさ…」
「はぁ…驚きました、大丈夫ですか?」
「だ、だい、じょうぶです……」
「すみません、自分が声をかけたせいですよね」
違います……と否定出来たら良かったけどあながち間違ってないから困る。とりあえず離して欲しかったから身をよじると、察してくれたのか手を離して落ちた鞄の中身を拾い始めた。慌てて私も拾っていく。
「ご、ごめんなさい!お構いなく…」
「いえ、半分自分のせいですから……あの」
「はい?」
「これ…」
アオキさんの手に包装が崩れたチョコレートが握られていたのを見て顔が青褪める。
「か、返してください…」そう言った声は震えていた気がした。なのにアオキさんはそれを持ったままじっと見つめて返してくれない。
「失礼ですがこれは誰かへ渡すものだったんですか?」
「え、な、なんで…」
「人から貰ったものがこんなにぐしゃぐしゃなのは考えられなかったので、なんとなくそうかなと」
「そう、ですか」
「あと……これ」
上着の内ポケットを漁り取り出したのは、私が探していた手紙だった。
「ぁ、そ、それ」
「すみません。封筒の宛名は自分でしたけど何方からか書いてなかったので、悪いとは思いましたが中身を見させてもらいました。」
「!」
あぁ、読んじゃったんだ…。じゃあ、もう私の気持ちもバレてるんだね。
態々返事をするために私が通るの待ってたのかなとか、律儀だけど今だけはやめて欲しかったなとか俯いてアオキさんの言葉を聞きながら考えていた。
「その…なんて言えばいいか分からんのですが…」
「……」
「ありがとうございます、嬉しかったです」
「…無理してお礼なんか言わなくてもいいですよ」
「え?」
怪訝そうなアオキさんの顔を見て、自嘲的に笑いながら頭を下げる。
「ごめんなさい、それ買ってきたやつじゃなくて私が作ったんです。何も知らないで手作りなんか持ってきちゃって…だから返してください。自分でそれ処分しますから」
「何故ですか?」
「え?」
今度は私が訳が分からず顔を上げてアオキさんを見つめた。だって、昼間の女の子が渡そうとしてきたチョコは断っていたじゃない。
それを指摘したら「あぁ」と納得した声を漏らす。
「そうですね、基本は断ってます」
「だったらなんで…」
「あの、それに対して補足と言いますか…少し前までは手製のものも受け取っていたんですよ。でもある時、同僚の方に…」