The bitter Valentineday
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2月14日。この日は男女問わず浮き足立つ1日であろう。普段お世話になっている人に感謝の気持ちを贈る日だが、それよりも愛する人や片思いしている好きな相手へチョコレートなどを渡して気持ちを伝える日というイメージが強いだろう。
いつもは言えない"好き"をバレンタインという口実に伝えられる特別な日なのだから……。
それはここにいる私も例外じゃなくて。
「よぉし、こんなもんかな?」
キッチンに立ちシャカシャカと泡立てていたボウルの中身を確認する。
泡立て器を持ち上げてメレンゲがしっかりと角を立てているのが分かり、ふぅと息を吐いた。
ハンドミキサーがあればこんな力を入れずに済んだのだけど、生憎私はそこまでお菓子どころか料理も日常的に作るタイプでは無い。だから仕方なく自力で泡立てするしかなかった。
そんな私が何故今必死にお菓子作りをしているかと言うと、さっき言った2月14日が明日だからだ。日頃仲の良い同僚やお世話になっている先輩達に配る………というのは建前で本当は作った中で形があまり良くないのを体良く押し付ける為だ。
(申し訳ないとは思うけど)
本命の人へ渡すチョコはやっぱり綺麗な見た目がいいし、少しでも印象は良くしたい。正直手作りは嫌煙されるのではと不安な気持ちもあったけど、ここ数年の相手が受け取っていたチョコの割合的には市販と手作り半々といった感じだったので大丈夫だと思う。
(あと多分あの中には本命っぽいチョコはなかったから全部義理だと信じたい)
人の為に作るのは久しぶりだったけど、相手を想って作るのは悪くなくて寧ろ好きという気持ちが膨れ上がったのを感じる。
(アオキさん、受け取ってくれるといいな…)
同じ営業部所属の先輩、アオキさん。彼にずっと片思いをしている。去年までは勇気がなくてチョコすら渡せなかったけど、いい加減このままじゃダメだ!と一念発起しバレンタインに乗じて告白しようと今回作っているのだ。
(ちなみにめんどうくさくて他の人にも義理や友チョコ等は渡してない)
でも、告白と一緒に渡すのだから振られたらチョコは受け取っては貰えないだろう。
(正直、望み薄だとは思うけど…でも、もう決めたんだからウジウジしない!!頑張れ私!!)
そうなったら失恋と一緒に食べて気持ちも無くしてしまえばいい。そう思いながらオーブンレンジの中で膨らんでいるチョコ菓子を見ながら意気込んだ。
*
そうして迎えた当日。
いつ渡そうか悩みながら出社した私は近くにいた同僚達にそれぞれ友チョコを渡していった。
「え、珍しい〜!あんたからチョコ貰うなんて」
「あはは、ちょっと気分的に…ね」
「何何?誰かに渡すついでに作ってくれたとか?」
「(うっ…鋭い……というかちょっとあからさま過ぎたかな)そ、そんなんじゃないよ。ほんとにいつもお世話になってるからそのお礼!」
「はいはい、そういう事にしといてあげる」
「うぅ…信用ないなぁ…(それにしてもいつ渡そう)」
アオキさんのデスクを確認するとまだ出勤してないのか、本人はいなかった。
各自のスケジュールが書かれているホワイトボードを先に見た時には、内勤とあったのでリーグに呼ばれない限りは直接ここに来るはずだ。
カバンに忍ばせたチョコを見遣りながら、渡すためのシミュレーションをする。
(やっぱり無難なのは休憩中に声をかけて、人気のない……非常階段辺りかなそこでチョコを渡しながら無難に
「ずっと好きでした、付き合ってください」とか……「好きです、少しでも意識してくれてるなら受け取ってくれますか?」とかかな?
うーん、なんだかイマイチ納得出来ないなぁ。
………どうしよう、いざ告白すると思うと自信がなくなってきちゃった。
あ!そうだ口に出せないなら手紙に書いて渡せばいいんだ。うん、そうしよう!)
悩んだ結果、(仕事の合間に隠れて)手紙をしたためてチョコと一緒に渡すことにした……のだが。
いつもは言えない"好き"をバレンタインという口実に伝えられる特別な日なのだから……。
それはここにいる私も例外じゃなくて。
「よぉし、こんなもんかな?」
キッチンに立ちシャカシャカと泡立てていたボウルの中身を確認する。
泡立て器を持ち上げてメレンゲがしっかりと角を立てているのが分かり、ふぅと息を吐いた。
ハンドミキサーがあればこんな力を入れずに済んだのだけど、生憎私はそこまでお菓子どころか料理も日常的に作るタイプでは無い。だから仕方なく自力で泡立てするしかなかった。
そんな私が何故今必死にお菓子作りをしているかと言うと、さっき言った2月14日が明日だからだ。日頃仲の良い同僚やお世話になっている先輩達に配る………というのは建前で本当は作った中で形があまり良くないのを体良く押し付ける為だ。
(申し訳ないとは思うけど)
本命の人へ渡すチョコはやっぱり綺麗な見た目がいいし、少しでも印象は良くしたい。正直手作りは嫌煙されるのではと不安な気持ちもあったけど、ここ数年の相手が受け取っていたチョコの割合的には市販と手作り半々といった感じだったので大丈夫だと思う。
(あと多分あの中には本命っぽいチョコはなかったから全部義理だと信じたい)
人の為に作るのは久しぶりだったけど、相手を想って作るのは悪くなくて寧ろ好きという気持ちが膨れ上がったのを感じる。
(アオキさん、受け取ってくれるといいな…)
同じ営業部所属の先輩、アオキさん。彼にずっと片思いをしている。去年までは勇気がなくてチョコすら渡せなかったけど、いい加減このままじゃダメだ!と一念発起しバレンタインに乗じて告白しようと今回作っているのだ。
(ちなみにめんどうくさくて他の人にも義理や友チョコ等は渡してない)
でも、告白と一緒に渡すのだから振られたらチョコは受け取っては貰えないだろう。
(正直、望み薄だとは思うけど…でも、もう決めたんだからウジウジしない!!頑張れ私!!)
そうなったら失恋と一緒に食べて気持ちも無くしてしまえばいい。そう思いながらオーブンレンジの中で膨らんでいるチョコ菓子を見ながら意気込んだ。
*
そうして迎えた当日。
いつ渡そうか悩みながら出社した私は近くにいた同僚達にそれぞれ友チョコを渡していった。
「え、珍しい〜!あんたからチョコ貰うなんて」
「あはは、ちょっと気分的に…ね」
「何何?誰かに渡すついでに作ってくれたとか?」
「(うっ…鋭い……というかちょっとあからさま過ぎたかな)そ、そんなんじゃないよ。ほんとにいつもお世話になってるからそのお礼!」
「はいはい、そういう事にしといてあげる」
「うぅ…信用ないなぁ…(それにしてもいつ渡そう)」
アオキさんのデスクを確認するとまだ出勤してないのか、本人はいなかった。
各自のスケジュールが書かれているホワイトボードを先に見た時には、内勤とあったのでリーグに呼ばれない限りは直接ここに来るはずだ。
カバンに忍ばせたチョコを見遣りながら、渡すためのシミュレーションをする。
(やっぱり無難なのは休憩中に声をかけて、人気のない……非常階段辺りかなそこでチョコを渡しながら無難に
「ずっと好きでした、付き合ってください」とか……「好きです、少しでも意識してくれてるなら受け取ってくれますか?」とかかな?
うーん、なんだかイマイチ納得出来ないなぁ。
………どうしよう、いざ告白すると思うと自信がなくなってきちゃった。
あ!そうだ口に出せないなら手紙に書いて渡せばいいんだ。うん、そうしよう!)
悩んだ結果、(仕事の合間に隠れて)手紙をしたためてチョコと一緒に渡すことにした……のだが。
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