【ペパーの場合】

「よぉし、おまちどさん！サンドウィッチ、出来上がったぞ！」

「おぉ〜！今日の具材はなになにー？」

ペパーくんとピクニックデートでお外へ出かけている。
いつもピクニックをする時はペパーくんが自らごはんを作ってくれている。最初の頃は毎回料理をしてもらって申し訳無いと思っていたんだけど、本人が「俺がしたいだけだから、お前は気にすんな。」と笑顔で言われては手を出せない。
だから私ができることは、出された料理を美味しく平らげることだ。
（実際問題美味しすぎて、ちょっとふっくらして気がするけど…まだ目を瞑っておこう）

「いただきます！……ん〜！！相変わらず美味しい！！」

「ははは、そっちこそいっつも美味そうに食べるよな」

「だって、本当に美味しいんだもん！」

「ありがとうな、そう言って貰えると作った甲斐があるってもんだ」

頬杖をつきながらそういうペパーくんに見守られながら、私はサンドウィッチにかぶりつく。
思いっきり齧ったから、中のソースがはみ出て手が汚れてしまった。

「あ、あー！もったいない…」

お行儀悪いけど、ぺろぺろと舐めてついたソースも平らげる。
見かねたペパーくんもウェットティッシュを出してくれて手渡してくれた。

「おいおい、大丈夫か？」

「ごめん、ありがとう〜」

「ハヅキ、顔にもソースついてるぞ？」

自分の頬を指さして教えてくれた。ちょっと恥ずかしいなと思いながら言われた通りに拭こうとする。だけど、その手を掴まれて「え？」と思った時にはペパーくんの指が優しく頬を撫でていきソースを拭った。
そしてそのままペパーくんの口の中へと入る。

「ん…我ながら美味く作れたな。」

「え！あ、あの、ぺ、ペパーくん？！い、今…」

「ぶっ……あっはははは！！ハヅキ、お前顔真っ赤ちゃんだぜ？」

「だ、だって！」

「照れてんのか？……可愛いやつ」

そう言って飲み物入れてやるよと後ろを向いた彼の耳は赤く染まっていた。

（こういうことするのはお前にだけ）