自分の言葉にハヅキさんは顔を真っ赤にして、少しの間俯いた後顔を上げてぽつりと話し始めた。

「わ、私…わた、し……最初は、アオキさんの、こ、ことは職場の先輩と、しか思ってませんでし、た。ジムリーダーと、し、四天王を兼任してて、いつも忙しそうだなって…と、遠い存、在としか、思ってなくて」

「まぁ、ほんとに接点無かったですからね。」

「……はい、か、関わり初め、た時も、こ、こんな私のことを、気にかけてく、れて優しくて、、い、良い人だなぁ、とは思いましたけ、ど……す、好きとかどうか、分からなくて……」

「……はい」

「こ、こういう事、初めて、で、きちんとした返事も出来な、かったのに…変わらず、接してく、くれて……」

「………」

「そ、それで…さ、最近、お話、し、してる時に……アオキさんの、目を、見ては、話そうとしてるん、ですけど。」

（あぁ、それでよく目が合ってたのか）

「その…………ア、アオキさんの、顔が……」

「顔……？」

逸らされるくらい酷い顔でもしていたか？と若干凹んだが、その後に続いた言葉に驚くことに。

「す、凄く優し、い顔で見つめ、てくるから…」

「……………え？」

「だ、だから…あの、ドキドキして…しまって…」

今まで以上に顔を真っ赤にさせて再び俯いてしまったハヅキさんが可愛らしくて、
隣に座り膝に添えられている手に、自分の手を重ねる。ビクッとしてから恐る恐るこちらに視線を向けたハヅキさんに軽く笑いかけた。

「ずっと自分にドキドキしてくれたんですか？」

「…………」（こくり）

「そうですか……。
（あぁ、顔がにやける……この反応がもう答えみたいなものじゃないか）

ハヅキさん、教えてください。今は自分のことどう思っていますか？」

「ぁ、………ぅ……」

重ねた手を握ってじっと待つ。沈黙が続いた後、小さい声で「……わ、私も……」と呟いた。

「…………す、き……………ア、オキさんが、す、………好き…です」

「……自分と付き合ってくれますか？」

「…………は、はぃ…私、で……良ければ……」

恥ずかしそうにはにかみながら、でも今度はしっかりと目を合わせて話すことが出来た。
本当ならこのまま抱きしめてしまいたかったが、恐らくハヅキさんがこれ以上羞恥に耐えられないだろうことが想像ついたので諦めた。
そして、ベンチから立つと自分達は帰路へと着いた。
あの時のお出かけの様に手を繋ぎながら。