営業課所属の人見知りで根暗なOLと非凡のサラリーマンの話【後編】
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ピロン♪
『今家の前に着きました。』
アオキさんからの通知が来たのでそろそろと玄関のドアを開けた。
「お、おはよう、ございます…」
「………ふぅ、……おはようございます。」
「(た、ため息つかれた…?!)き、今日は、その……よろしく、おねがいします…」
貴重な休みを、私の不注意で壊したメガネのために使ってくれているのだし、ため息つくのもしょうがないよね。
やっぱり今からでも1人で行こうかなと考えていると、アオキさんが手を差し伸べてきた。
「?」
「壊れたメガネのままで出歩くのは目立ちますから、外して行きましょう。自分が手を繋いでおきますので。」
「え、?う、ん?と……アオキさん、が嫌でな、ければ……」
確かに壊れたメガネをかけた女なんて不審者にしか見えないかも、と妙に納得しメガネを外してアオキさんの手に自分の手を添えた。
私の手より一回りも二回りも大きい手に少しドキッとしつつ、
向こうは補助のつもりで支えてくれてるんだから変なこと考えたらダメだと頭の中で叱責しつつアオキさんに手を引かれ、メガネ屋さんへと向かった。
道中お互い話すことはほとんど無くて、たまにアオキさんから「そこ段差があるんで気をつけてください」や「ライドポケモンが来てますから、もう少しこっちへ」など聞き取りやすいように耳元で声をかけてくれて、鈍臭い私でも対処が出来た。
なんとか辿り着いたメガネ屋さんに入り、店員さんに吃りながら経緯を説明して新しいフレームを選んだ。そして、メガネに合わせる度を確認してもらうため視力検査をしてもらう。
「以前作った時の度数とほぼ変わってませんので同じもので作らせて頂きます。
あと余計なお世話かもしれませんが、前髪が長いと目に入ったりして視力に差し支えてきますから切ったりだとか横に流すようにした方がいいですね。」
「あ、そ……そう、です、か」
「では今からフレームに合わせてお作りいたしますので、出来次第ご連絡させていただきますね。
それまでお店の外に出てもらっても構いませんので」
「は、はい……ありがとう…ございます。」
ぺこりと頭を下げて、商品を眺めていたアオキさんに近づく。
私に気づいてアオキさんもこちらを見つめる。
「あ、あの……出来、上がるまで…時間が、かか、るみたい……なので」
「では、軽くお茶でもしましょうか」
「はい、あ、き、今日は私が、お茶代…出します」
「いいんですよ、いつも通り自分が…」
「だっだめ…で、すっ!こ、こ、まで連れて…きてくれた、お、お礼なので!」
お礼を強調して、アオキさんの服の裾を掴む。普段よりちょっと強気で言うとアオキさんはびっくりしたような顔で(ぼやけててちゃんと顔が見えないけど)間を空けてから
「じゃあ、お言葉に甘えます。」と返事が返ってきた。
『今家の前に着きました。』
アオキさんからの通知が来たのでそろそろと玄関のドアを開けた。
「お、おはよう、ございます…」
「………ふぅ、……おはようございます。」
「(た、ため息つかれた…?!)き、今日は、その……よろしく、おねがいします…」
貴重な休みを、私の不注意で壊したメガネのために使ってくれているのだし、ため息つくのもしょうがないよね。
やっぱり今からでも1人で行こうかなと考えていると、アオキさんが手を差し伸べてきた。
「?」
「壊れたメガネのままで出歩くのは目立ちますから、外して行きましょう。自分が手を繋いでおきますので。」
「え、?う、ん?と……アオキさん、が嫌でな、ければ……」
確かに壊れたメガネをかけた女なんて不審者にしか見えないかも、と妙に納得しメガネを外してアオキさんの手に自分の手を添えた。
私の手より一回りも二回りも大きい手に少しドキッとしつつ、
向こうは補助のつもりで支えてくれてるんだから変なこと考えたらダメだと頭の中で叱責しつつアオキさんに手を引かれ、メガネ屋さんへと向かった。
道中お互い話すことはほとんど無くて、たまにアオキさんから「そこ段差があるんで気をつけてください」や「ライドポケモンが来てますから、もう少しこっちへ」など聞き取りやすいように耳元で声をかけてくれて、鈍臭い私でも対処が出来た。
なんとか辿り着いたメガネ屋さんに入り、店員さんに吃りながら経緯を説明して新しいフレームを選んだ。そして、メガネに合わせる度を確認してもらうため視力検査をしてもらう。
「以前作った時の度数とほぼ変わってませんので同じもので作らせて頂きます。
あと余計なお世話かもしれませんが、前髪が長いと目に入ったりして視力に差し支えてきますから切ったりだとか横に流すようにした方がいいですね。」
「あ、そ……そう、です、か」
「では今からフレームに合わせてお作りいたしますので、出来次第ご連絡させていただきますね。
それまでお店の外に出てもらっても構いませんので」
「は、はい……ありがとう…ございます。」
ぺこりと頭を下げて、商品を眺めていたアオキさんに近づく。
私に気づいてアオキさんもこちらを見つめる。
「あ、あの……出来、上がるまで…時間が、かか、るみたい……なので」
「では、軽くお茶でもしましょうか」
「はい、あ、き、今日は私が、お茶代…出します」
「いいんですよ、いつも通り自分が…」
「だっだめ…で、すっ!こ、こ、まで連れて…きてくれた、お、お礼なので!」
お礼を強調して、アオキさんの服の裾を掴む。普段よりちょっと強気で言うとアオキさんはびっくりしたような顔で(ぼやけててちゃんと顔が見えないけど)間を空けてから
「じゃあ、お言葉に甘えます。」と返事が返ってきた。