営業課所属の人見知りで根暗なOLと非凡のサラリーマンの話【前編】
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「だ、だめ、ですよ!…だっ、てアオキさん営業以外にも…お、お仕事あるじゃないで、すか」
「今更業務がひとつ増えたところで何も変わりませんよ」
「か…変わり、ます!」
「じゃあ、こうしましょう。」
まるで営業トークをするようにアオキは机に腕を置いて両手を組んだ。
「今のこの状態のように、食事をしながら会話の練習をするというのはどうですか?流石にジムやリーグの方の業務がある時は出来ませんが。営業の仕事終わりで時間の都合が合う時でもいいので」
検討していただけると幸いです。と言いまたお茶に手をつけた。
本当にいいのだろうか…?でも、これはとても自分にとってはいい機会ではある。
他人に頼ることをしてこなかった分、ここは素直にアオキの厚意に甘えてみてもいいのかもしれない。
「じ、じゃあ…えっ、と、お言葉に…甘えて」
「はい、また日程は連絡しますので今日は気にせず普通に飯を食いましょう。」
「は、はい」
「お待たせしましたー!!!」
タイミングよく料理が運ばれてきた。アオキの前には数品のおかず、ハヅキの前にはかけそばが置かれた。
「ごゆっくりどうぞー!」
「じゃあいただきましょうか。」
「はい、……あっ、先に食べて、ください。」
ハヅキは自身のカバンからヘアピンとヘアゴムを取り出して、長い前髪を横に流してピンで止め後ろ髪も一纏めにして、料理にかからないようにした。
いただきますと手を合わせて、かけそばに手をつける。
熱々のかけそばを食べてようとすると、湯気でメガネが曇って前が見えなくなってしまいハヅキは慌てて眼鏡を取った。
「…!」
「はぁ…もう…すぐに曇るなぁ…………?アオキさん、ど、どうしま、した?」
自分のシャツで曇りを拭き、再び眼鏡をかけた視線の先にはおかずに手をつけずこちらをじっと見ているアオキの姿が。
「え、あ、すみません…なんでもありません」
「…そ、うですか…?」
「はぁ……まずいな…」
「……?美味しく、なかったんですか?」
「いえ、そうではなくて…………気にせんで下さい。こっちの話です。」
いまいち要領を得ないアオキの態度に首を傾げながらも、かけそばに手をつけるハヅキだった。