営業課所属の人見知りで根暗なOLと非凡のサラリーマンの話【前編】
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「はぁ?なにこれ、辞令?!部署異動……ってしかも基本定時で帰れない部署じゃない!!」
「今月から給与減額って……なんで?!」
「この前よりノルマが増えた…」
掲示板に貼られた数々の紙に、一部の人間は阿鼻叫喚だった。
しかも通達があったのは、今までハヅキに仕事を押し付けて来た人ばかりだ。
そろそろ朝礼が始まる時間だが、なかなか騒ぎが収まらず混乱状態が続いていた。
そこへ営業課の課長とトップチャンピオンのオモダカが並んで現れる。
さすがに上司の姿が見えてからは騒いでいた声は収まった。
「えー、朝礼を始めるが全員知っての通り数名は移動命令と減給処分が下されたと思う。
それについてトップ直々に説明があるので、しっかり聞くように!
では、よろしくお願いします。」
「はい、今回のことに納得いっていない方が大半だとは思いますが、逆にお聞きします。
あなた方はしっかりと職務を全うしていましたか?
与えられた仕事をきちんとこなし、納期までに必要な提出物は出していましたか?
効率を求めて誰かの手を借りるのは決して悪い事だとは思いませんが、それを他人に全て押し付けて自分の手柄にするのは違います。
それはその人の成果であってあなた方のものではありません。
ここまで言って心当たりがある人が多いのではないでしょうか?なにか質問などありますか?」
真っ直ぐその集団を見据えて言うオモダカに、各々顔色を青くして目線をそらしてバツが悪そうにしている。
そして、オモダカはニコリと笑い
「分かっていただけたみたいで良かったです。ではこれからは真面目に勤しんでくださいね、私からは以上です。」
そのまま営業課から出ていってしまった。しばらく無言が続いたが、課長が手を鳴らして
「はい、では各自業務へ戻れ。移動命令があった奴らは、引き継ぎと自分の荷物まとめとけよー」と声をかけて一斉にバタバタと動き始めた。
ハヅキも自分の席についたがまだ少し呆けていた。が、少し離れた席に座っているアオキと目が合うと向こうが
他の人に分からないくらい小さくサムズアップしたのを見てこの前の会話の真意を理解したのだった。