結果から言うと、ハヅキの負けだった。

「うぇぇぇん！！負けちゃったぁ……」

「ふぅ…」

序盤はハヅキがリードして勝っていたものの
テラスタルしたカラミンゴに残りの手持ちをまさかの３タテされて、負けてしまったのである。
膝から崩れ落ち涙をうかべるハヅキに少し心が傷むが、
これでもう自分に絡んでくることはないだろうとほっとして、座り込んだハヅキの元へと近づく。

「残念でしたが、いいバトルでしたよ。貴女のポケモン達も前より格段に強くなりました。」

「アオキさん…」

「ナイスファイトでした」

手を引いて、立ち上がらせる。
その時によろけてハヅキはアオキにもたれ掛かる。咄嗟に受止めたが、はっとしてこんな事をしたらまたハヅキが勘違いしてしまうと思い少し距離をとる。
しかし、不思議にもハヅキは騒ぐことも一言も喋ることなく、顔を真っ赤にさせて口を抑えて黙っていたいた。

思ってもない反応にアオキは動揺する…がやはり直ぐに

「ア、アオキさんに抱きしめてもらっちゃった……これってもう付き合ってるてことなんじゃ！！！」

「……」

うん、少しときめいたと思ったのは気のせいだ、そうだ。
一気に脱力し、ハヅキへ「ではもう二次試験は終了したのでお帰りください」と義務的に言い帰宅を促す。

「え！ち、ちなみにこの後もし良かったらご飯いきませんか？！…もちろん私が奢りますので！！」

「いや、うちそういうアフターみたいなオプションとかないので…」

「なにホストみたいなこと言ってんねん」

「チリちゃんホストってなんですの？」

「んー？ポストの親戚みたいなもんやでポピー」

「なるほどぉ！」

軽くごまかしを入れつつ、チリもアオキに加勢する。

「とにかくすまんけど、この後四天王だけで会議とかあるからこの部屋から出てくれへんかな？」

「うぅ…分かりました…でも！アオキさん、私またポケモンリーグに挑戦します！！アオキさんに勝つまで！！なので待っててくださいね♡あ、最後にハグだけしt「オルゥウアア！！！」おぎゃあぁぁ！！！」

カラミンゴが出てきてのハヅキ横っ腹に頭突きを食らわせた。当たり前だが人に対して攻撃したのはこれが初めてだった。