Short ①
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夜12時の鐘が鳴り、私の部屋にはらりと1枚の紙が。それはよく見ると予告状で、真ん中の所にスペードと炎の絵柄が書かれてある。文面は【今宵、貴女の元へお伺いします】の一言だけ。
「◯◯ちゃん、火拳には気をつけて… ヤツは狙った獲物は逃がさない。凶悪な怪盗よ」
『火拳…?』
あくる朝。町にいたおばさんからとある男には気をつけろ、と告げられ… 訳の分からないままその日は去る。火拳って、誰だろう。さっきのおばさんは、その人は怪盗だと言っていたけど… 私はまだその火拳という人物に会った事がなく分かるはずがない。
……それは唐突に起こった。
風がびゅうっと吹き、カーテンが少し揺れる。驚く間もなく、カタンと窓が開いた。
「やあ、初めまして」
にこやかに挨拶するその男は黒いマントを羽織り、白いYシャツを身に着けていた。目にはベネチアンマスクを嵌めて、服を着ていても分かるほどガッシリとした筋肉質な体格。
「貴女サマをお迎えに来ました」なんてキザな台詞すらしっくりくる。男はそのままにこやかな微笑みを崩さず、何か話したそうにゆっくりと口を開いた。
「町で見かけたアンタを気に入った。アンタさえよければおれと来ないか?おれは怪盗だ、狙った獲物は逃さねェ」
確かに食料調達のために日中町に出ていたが、いつの間に見られていたんだ。男は私が『へっ…』と素っ頓狂な声を漏らすのを聞き逃さず、そのまま手を取った。
手を取られ、怪盗だと名乗る目の前男の顔がよく見える場所まで来ると、男はベネチアンマスクを取り口を開く。
「悪ィ、迎えに来たとか言っといてまだ名乗ってなかったな。」
名前… そういえば聞いてない。私は名前も知らない初対面の男に気に入られたというのか。
「おれの名はエース。普段は火拳で通ってる… ヨロシク」
男は〝火拳〟というあの有名な怪盗だった。知らない者は誰もおらず、私の家族や祖父母はもちろん町のおじさんやおばさん、将又この町に住む子供達までその名を知っており、そのほとんどが警戒するほどだった。名乗り終えると「アンタは?」と私の名前を聞いてきて私も『◯◯です』と名乗った。
「◯◯な、名前カワイイじゃん」
私の頭にポンッと大きな手が置かれ、その拍子に男の顔を見る… その男、エースの顔には可愛らしいそばかすが散りばめられてあり、やや癖のある黒髪。エースはニイッと満面の笑みで手を伸ばし、こっちを見ている。
「さ、行こうぜ!追っ手が来ちまう」
その手を取りいざ走り出すと、「待て!!」やら「火拳がいたぞっ、ヤツを捕らえろ!!」と言った大きな声が響き渡り、追っ手と見られる数人の男性が追いかけてきていたのだと分かる。
『もうすぐ側まで来てますよ!?』
「なァに、おれにかかればすぐ撒けるさ」
――言葉通り、というのが似合う。彼は本当に追っ手の人々をすぐに撒いてみせ、人の少ない所に出るとそのまま私に向かい合ってきた。
「おれと来るならお前を幸せにすると誓う。さあ、どうだ?おれのモンになる気はあるかい?」
私が彼に絆され、その心を鷲掴みにされるまであと――
「◯◯ちゃん、火拳には気をつけて… ヤツは狙った獲物は逃がさない。凶悪な怪盗よ」
『火拳…?』
あくる朝。町にいたおばさんからとある男には気をつけろ、と告げられ… 訳の分からないままその日は去る。火拳って、誰だろう。さっきのおばさんは、その人は怪盗だと言っていたけど… 私はまだその火拳という人物に会った事がなく分かるはずがない。
……それは唐突に起こった。
風がびゅうっと吹き、カーテンが少し揺れる。驚く間もなく、カタンと窓が開いた。
「やあ、初めまして」
にこやかに挨拶するその男は黒いマントを羽織り、白いYシャツを身に着けていた。目にはベネチアンマスクを嵌めて、服を着ていても分かるほどガッシリとした筋肉質な体格。
「貴女サマをお迎えに来ました」なんてキザな台詞すらしっくりくる。男はそのままにこやかな微笑みを崩さず、何か話したそうにゆっくりと口を開いた。
「町で見かけたアンタを気に入った。アンタさえよければおれと来ないか?おれは怪盗だ、狙った獲物は逃さねェ」
確かに食料調達のために日中町に出ていたが、いつの間に見られていたんだ。男は私が『へっ…』と素っ頓狂な声を漏らすのを聞き逃さず、そのまま手を取った。
手を取られ、怪盗だと名乗る目の前男の顔がよく見える場所まで来ると、男はベネチアンマスクを取り口を開く。
「悪ィ、迎えに来たとか言っといてまだ名乗ってなかったな。」
名前… そういえば聞いてない。私は名前も知らない初対面の男に気に入られたというのか。
「おれの名はエース。普段は火拳で通ってる… ヨロシク」
男は〝火拳〟というあの有名な怪盗だった。知らない者は誰もおらず、私の家族や祖父母はもちろん町のおじさんやおばさん、将又この町に住む子供達までその名を知っており、そのほとんどが警戒するほどだった。名乗り終えると「アンタは?」と私の名前を聞いてきて私も『◯◯です』と名乗った。
「◯◯な、名前カワイイじゃん」
私の頭にポンッと大きな手が置かれ、その拍子に男の顔を見る… その男、エースの顔には可愛らしいそばかすが散りばめられてあり、やや癖のある黒髪。エースはニイッと満面の笑みで手を伸ばし、こっちを見ている。
「さ、行こうぜ!追っ手が来ちまう」
その手を取りいざ走り出すと、「待て!!」やら「火拳がいたぞっ、ヤツを捕らえろ!!」と言った大きな声が響き渡り、追っ手と見られる数人の男性が追いかけてきていたのだと分かる。
『もうすぐ側まで来てますよ!?』
「なァに、おれにかかればすぐ撒けるさ」
――言葉通り、というのが似合う。彼は本当に追っ手の人々をすぐに撒いてみせ、人の少ない所に出るとそのまま私に向かい合ってきた。
「おれと来るならお前を幸せにすると誓う。さあ、どうだ?おれのモンになる気はあるかい?」
私が彼に絆され、その心を鷲掴みにされるまであと――
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