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BLサンプル

先生と仲良くなろうと保健室には休み時間なる度に女子生徒が集まり、先生はあっという間に学校の生徒に受け入れられた。生徒との距離が近く、女子に限らず男子からの好感度も高かった。一目惚れをしたものの、話す機会がないまま2ヶ月が過ぎ、俺は新生徒会長という形で忙しく働いていた。
一週間後に迫った全校生徒レクリエーションのための下見に行く生徒会幹事の中に、一応ということで養護教諭の先生も一緒に来たのだ。だがその頃には既に生徒会のほとんどの生徒は先生と話したことがあり、俺は後ろの方から楽しそうに会話しているのを見ているだけだった。
そんな時だった。

〜中略〜

「C呼びの方が良かった?」
「いえ、そういうわけでは……ないんですが……」
「が?」
「名前呼びに慣れてなかっただけです。大丈夫ですよ、Cで」
ご乱心の鼓動を偽るように笑顔を向けると「ん」と満足そうに笑い返してきた先生は俺の頭にポンと手を置いてから、何事もなかったように前を歩くグループの会話に入っていった。
手を置かれた頭が、名前を呼ぶ声を聞いた耳、笑みを向けられた顔が、全身が熱を帯びたように熱い。
(これは思ったよりもやばいかもしれない……)


〜中略〜


「……帰るか」
先生との思い出を振り返るのも程々にして、窓を閉め、生徒会室の鍵をかけて職員室に返し、校門を出る。
学校から一人暮らしをしている自宅までは徒歩で約15分ほど。いつもなら自転車で来るのだが今日は朝の時間に余裕があったため徒歩だ。音楽を聴きながら家までの道を歩いているとふと忘れ物をしたような気がした。嫌な予感は当たり、鞄の中を覗くとプリントを挟んだファイルが無かった。いつもなら明日でいいやと思うところだがあの中には明日の朝提出の課題が挟まっている。たとえ朝早く学校に着いたとしてもあの量はHRが始まるまでには終わらない。
仕方ない、取りに戻ろう。大きくため息を吐きながら方向を180度転換させた。
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