7−2:疾紅の戦鬼


 野営が出来るような土地の認識は、人間も妖精も大差無い。
 水が確保でき、平らでしっかりとした地面があり、天幕を張れる程度に適度に木は生えつつそれなりに視界が開けている。
 この湖は風鳴き渓谷を越えてきた妖精、あるいは風鳴き渓谷に挑む前の人間の野営地として頻繁に使われているようだ。焚き火の痕もあるし、少し探れば人間たちが後続の為に残した野営の道具も見つけられる。そして妖精たちは同族にしか解らない形で資材を残しており、これもヴァンルージュ先輩たちが集めてきた。
 湖は野営に使う水源でもあるので汚すワケにはいかない、という事で、お湯を沸かして布で身体の汚れを拭き取る。シルバー先輩とセベクが実践魔法の消臭と汚れを落とす魔法をお湯に仕込んでくれたおかげで、水浴びは出来ないけど随分身体がスッキリした。
 ヴァンルージュ先輩は『こんなもんより覚えるべき魔法があるだろ……』と呆れた顔はしていたけど、綺麗に臭いが消えれば上機嫌になっていた。妖精って綺麗好きなイメージあるんだよな。なんとなく。
 そうして次は野営の準備。妖精たちが残していた資材のうち、食料は乾燥した果実類や穀物だけだったので、主食が必要になった。
 ここでもワイルドにヴァンルージュ先輩がカエルを捕まえようとしていたが、今回もシルバー先輩とセベクが必死に抵抗し、湖や近くの川から魚を捕まえてきて事なきを得た。
 兵士さんたちも天幕の準備の合間に野草や香草、果実なんかを集めてきてくれたので、魚に詰めて焼いたりして急拵えにしては良い食事が出来た。
 バウルさんも最初は難色を示したが、結果的にはしっかり食べていた。今回もお口に合ったご様子で何より。
「あぁ、食った食った」
 お腹も満たされ、ヴァンルージュ先輩はご機嫌だ。またも味の違う薬草茶をごちそうになりつつ、何となく雑談に興じる。
「しっかしまぁ、『銀の梟』も厄介なものを作りやがって」
「今回は侵入を防げましたし動力の魔法石は回収できましたが……連中が他にも同じようなものを持っている可能性は否定できない」
「だな。マレノア様から警戒の通達は広がるだろうが……警戒を呼びかけた所で、戦えない妖精は逃げるしかない」
「くぅ、人間め……!」
 バウルさんが忌々しげに呟く。僕たちは肩身が狭い。
「……お前らは、アレに似たものを見た事があるって言ってたな」
「…………ええ」
「お前らの所じゃ、どういう風に使われてるんだ?あんな物騒な見た目なのか?」
「……いいえ。少なくとも、装甲はありませんね。地面を掘ったり、逆に穴に土を入れて平らにしたり、人間だけでは時間がかかりすぎる仕事の時に使われます」
「魔法があるだろ?」
「人間は魔法が使える者が限られますし、それこそ『子どものいたずらみたいな』魔法しか使えませんから」
 全く悪意は無い笑顔を向け答える。
「魔法石の力を利用し、魔法が使えなくても、魔法のような力を皆が使えるようにと、技術の開発が進められているのです」
 ローズハート先輩ありがとう。あなたが魔法史の勉強をよく見てくれていたおかげでそれらしい話がしやすいです。
「皆が使えるように、ねぇ」
「バカバカしいですか?」
「いいや。それを武器にされるこっちはたまったもんじゃねえなと思ってはいるが」
「返す言葉もありませんね」
 涼しい顔で流しておく。
「ただ、魔法石を用いた技術は平和で平等な……皆の便利な生活のために求められたもの。それが誰かを傷つけたり、争いを生むのでは本末転倒です」
「違えねぇな」
 ヴァンルージュ先輩が苦笑する。
「『銀の梟』の懐事情は知りませんが、あんなものを作る余裕があるのなら、危険を顧みず採掘に来なければならないほど困っているというワケでもなさそうですね」
「さあな。あいつらの事情なんか俺たちも知らねえし、知りたくもねえ」
「なんかアレ、顔っていうか……前の部分がアイツらの兜に似てなかったか?」
「ね。なんか自分たちの力をアピールしてるような感じがして、僕あんまり好きじゃない」
「ヘンリクらしい悪趣味な見た目だよな」
「……ヘンリク、とは?」
 シルバー先輩が首を傾げると、ヴァンルージュ先輩は少し意外そうな顔をしていた。
「ヤツら、外つ国ではさほど名を知られていないのか」
 ぽつりと呟き、シルバー先輩に改めて目を向ける。
「ヘンリクは『銀の梟』の首領をやってる人間の男だ。強欲で、下品で、樽みたいにデカい」
 ……この時代のヴァンルージュ先輩の性格を鑑みるに、本当にそういう感じの人なんだろうな。
「ヤツはいつも東の砦でふんぞり返ってて、滅多に出てこないが……昔一度だけ、要求書を持って野ばら城を訪れた事があった」
 マレノア様は一切取り合わなかったんだがな、と続ける。これを受けてセベクが憤慨した。
「茨の国を害する行為を繰り返しているくせに、要求書だと!?なんと図々しい」
 周りの妖精の兵士たちも難しい顔で頷いたり、怒った顔になったりしていた。当たり前だが、かなりの嫌われ者だ。
「マレノア様の書状は、そのヘンリクという男に届ける、という体なのですね」
「そうなるな」
「……では、時々名前を耳にする『夜明けの騎士』というのは?」
「『夜明けの騎士』ってのは『銀の梟』の警備隊隊長だ」
『銀の梟』は主に魔法石や金属の採掘を目的として妖精たちの領域に入り込んでくるが、彼らは『戦闘集団』ではない。防具などの装備に統一感はあるものの、全員が戦闘訓練を受けているワケではなく、別途雇った戦闘員が採掘労働者の一団の中に編成されている、という形だ。
 彼らは『荒事専門の警備兵』と表現されるだけあり、魔獣や茨の国の王宮近衛隊とも戦闘を行える程度の装備と能力がある。
「その中でも『夜明けの騎士』ってヤツはべらぼうに強い」
 ヴァンルージュ先輩のこの言葉に、シルバー先輩は目を見開く。
「……あなたが強いと言い切るとは」
 その反応に特に気を良くするでもなく、ヴァンルージュ先輩は遠くを見つめながら続ける。
「白い鎧に、夜明けの光みてーな金の髪。この大陸の東端、来光岬にある砦を守ってる。そこからついた二つ名が……『夜明けの騎士』」
 一般的に、二つ名がつくのは強さの証だ。賞賛、あるいは畏怖を示す。
「ヤツは剣の達人で、あいつにノされた仲間は数知れず。怖いもの知らずの夜の眷属も、白く輝く鎧と金の髪を見れば耳を伏せて逃げ出す始末だ」
「会った事はありますか?」
「ヘンリクが野ばら城を訪れた時に一緒にいたから、姿は見かけたが……鉄面をかぶってたから、ツラは拝んでねぇな」
 言ってから、悪戯っぽく目を細める。
「噂じゃ、とんでもない美形らしいぜ。昼の眷属に『美しさ』を贈られたとか」
「へぇ~。金の髪で美しい顔かぁ。ヴィルみてーなカンジかもしれねーな」
「そうだねぇ」
 雑な相槌を打ちながら、騎士の甲冑を身につけたシェーンハイト先輩を思い浮かべる。
 日の光に溶けてしまいそうな淡い金髪に、宝石のような紫色の目。
 恐ろしく強い騎士の兜からあの美貌が出てきたら、目を奪われるし瞼に焼き付きそう。めっちゃ見たい。
 映研の衣装にそういうの無いかな。今度訊いてみよ。
「……ふぅん?」
 ヴァンルージュ先輩が僕の顔を見て意味深な笑みを浮かべる。思わず首を傾げた。
「ヴァンルージュ様、何か?」
「そのヴィルって男が姫様の恋人か。なるほどなるほど」
「なっ……」
「そうなのか!?」
「恋人ではないです!!」
 素で驚いた顔をするシルバー先輩に思わず全力で返してしまった。ヴァンルージュ先輩は楽しそうにケタケタ笑っている。
「照れるなよ。見てりゃ嫌でも解るぜ?惚れた相手の事を想ってる時の目は、どいつも同じだからな」
 からかう調子で言いながらも、ヴァンルージュ先輩の目もどこか優しげに細められていた。
 先輩自身も今、愛しい誰かの顔を思い出しているのだろう。その人が誰かを想う場面を。
 気づいてしまったとて、それを指摘するのも野暮な気がした。
「ドラコニアをソデにするぐらいの男前か。仕事が落ち着いたらツラだけでも見に行ってみるかな」
「だから違いますってば」
 顔に出ていた事が悔しい。疲れて集中が切れてるんだろうな。
 咳払いして調子を戻す。
「直接対面した事がないという事であれば、ヴァンルージュ様と『夜明けの騎士』が戦った事はない、という事ですか?」
「ああ。……一度お相手願いたいとは思っているんだがな」
 強い戦士であるからには、自分と同等、あるいは自分以上とされる相手と戦う事には楽しみを覚えるのだろう。
 勿論、戦うからには負ける気もない。
 ヴァンルージュ先輩は自信と余裕を感じる笑みを浮かべていた。
「ヤツは普段、東の砦を守ってて滅多に渓谷の西には現れない」
「つまり……東の砦に行けば『夜明けの騎士』と一戦交える事になる可能性もある、と」
「そういう事だ。……最初にマレノア様の書状を持って砦に向かったレヴァーンも、ヤツと鉢合わせたんじゃねぇかって噂されてる」
 ヴァンルージュ先輩が表情を曇らせる。
 レヴァーンって人、こないだも話に出てたよな。なんだか凄く大事な人っぽい雰囲気があったのを覚えている。
「レヴァーンってヤツもリリアの話に出てくるよな。ソイツ、何者なんだゾ?」
「竜眼公レヴァーン。この国の外交任務の要だった男の名前だ」
 先日の話からすると、外交は本来、貴族たちの仕事だ。ところが古い妖精たちは何故か鉄が苦手らしく、『銀の梟』との交渉の席にあまり出たがらない。そうした背景もあって、外交の窓口を一手に引き受けていたからこその『要』という表現なのだろう。
「レヴァーンはマレノア様の目であり、手足であり……夫でもあった」
 その表情は親愛が滲みながらも寂しげだった。
 ……『あの夫婦』ってのはマレノア姫とレヴァーンさん、つまりツノ太郎のご両親の事なんだ。
 現代にツノ太郎の両親はいない。つまり、ツノ太郎はヴァンルージュ先輩にとって、大切な二人の忘れ形見という事になる。
 卵として生まれてから数百年を共に過ごした、『主従』なんて言葉では足りない深い関係。
 どんどんツノ太郎が不憫に思えてくる。かと言って僕ではどうする事も出来ないのだけど。
 ただひたすら、腹の奥に消化しきれない重たいものが溜まっていく感じ。
「行方知れずになったという使節団を率いていたのは、まさか……」
「そう、レヴァーンだった。ヤツは貴族だったし、特使としてはこれ以上ない男だったからな」
 茨の国の次の女王にして、前衛基地である野ばら城を任され王宮近衛隊を率いる姫の伴侶。
 国の代表として意思表示をするにはちょうどいい偉さだったのだろう。
「『すぐに戻る』と嫁と卵を残して野ばら城を飛び立ったっきり……本当に、どこをほっつき歩いてるんだか」
 留守の間に誰が姫と卵の面倒を見ると思ってるんだ、と愚痴も吐く。
「……今回の遠征であいつの行方の手がかりを掴んで、姫に持ち帰ってやりたい所なんだがな……」
 呟いた声は少し寂しそうだった。
 人手が足りないとか世話がしんどいというのも間違いなく本音ではあるのだろうけど、ヴァンルージュ先輩がこの仕事を引き受けたのは、レヴァーンさんの行方を捜したいから、だったのかな。
 色々なしがらみがあるのは間違いないけど、そういうのを飛び越えて、何よりも彼と、残された姫と卵が心配だったのだろう。姫は卵を抱えて動けないのだから、探しに行くなら自分しかいない、と考えたのかもしれない。
 少なくともここまでの間でそれらしき痕跡は見つけられなかった。まだ行程の半分も行ってない、と前向きに捉えるのも厳しい。
 不意に、苦しげな呻き声が聞こえた。嗚咽は段々と大きくなり、ついには雄叫びのような泣き声に変わる。これには妖精さんたちもビックリ。
 突然大声で泣き出したセベクに誰もが戸惑っていた。シルバー先輩もちょっと呆気に取られてるし。
「ふなっ!?なんで急に泣き出したんだオメー!?」
「これが涙せずにいられるかッ!」
 一番最初に我に返ったグリムがツッコミを入れれば、セベクは泣いてるのに全く勢いの衰えない声で即座に怒鳴り返した。
「残された卵様と姫様とリリア様のお気持ちを考えたら……!あんまりですッ!あんまりすぎます!!」
 泣きじゃくるセベクを見て、兵士の皆さんがおろおろしていた。バウルさんも心なしか動揺している。
 近衛隊に同行するようになってから、セベクは一貫して妖精側の立場で物事を語っていた。それでもなおこの反応は予想外だったらしい。
 そんなセベクの姿と、動揺する部下たちの姿を交互に見て、ヴァンルージュ先輩は呆れた顔で溜息を吐く。
「こんな時代だ。よくある事だろ」
 セベクは尚も鼻をすすってぐずぐずしているが、さすがに兵士の皆さんの動揺は落ち着いた。それを見てヴァンルージュ先輩も言葉を続ける。 
「そのうち、ひょっこり帰ってくるかもしれねぇし……だからそれまで、俺は命に替えても姫と卵を守らなきゃならねぇ」
 そして『約束したからな』と優しく微笑んだ。
「親父殿……」
 シルバー先輩が思わずといった様子で呟けば、ヴァンルージュ先輩は即座に見慣れたしかめっ面に戻った。
「おい、だからそのオヤジってのをやめろ。俺はまだ三百歳になったばかりだぞ」
「あ、申し訳ありません。つい……」
「長話が過ぎた。……お前たちを見てると、昔を思い出していけねぇな」
 ぽつりと呟く。何となく含みは感じるものの、突っ込んで訊いていいのか迷う。
 そうこうしている間に、ヴァンルージュ先輩はこちらに背を向けた。
「俺はもう寝る。お前らもさっさと寝ろ」
「……おやすみなさい」
 その挨拶を皮切りに、兵士の皆さんも茶碗を片づけて天幕に入っていく。僕たちも顔を見合わせて、とりあえず片づける事にした。
 僕たちにも当然のように天幕が割り当てられている。もうすっかり仲間みたいに扱われていた。助かるけど。
 少し離れた位置にある天幕まで歩く間も、セベクはまだぐずぐず泣いていた。さすがにちょっとシルバー先輩が呆れた顔をする。
「そろそろ泣きやめ、セベク。悲しいのはわかるが……目が腫れて明日に響くぞ」
「これは悲しみの涙ではない!怒りだ!!」
 セベクはまたも即座に怒鳴り返した。
「人間さえ、『銀の梟』さえいなければ、若様のお父上は……!」
 握りしめた拳を見つめる目は、確かに涙を浮かべつつも怒りに燃えている。まぁ言わんとする事はわからんではないけど。
「僕たちの知っている若様に、ご両親はいない。今『ここ』ではご存命である、マレノア様もだ!!」
「……それは……」
「なにゆえ若様はご両親を失わねばならなかったのだ!答えろシルバー!」
 セベクはシルバー先輩に詰め寄り、肩を掴んで揺さぶる。シルバー先輩は少し苦しげな表情をして、でも冷静に手を払った。
「……俺に当たるな」
 少し冷たく見えるかもしれないが、そうとしか答えようがない。
 シルバー先輩にとっても、ツノ太郎は大切な人だ。自分が育ての父と別れを惜しむ時間を割いてでも、最後にヴァンルージュ先輩と過ごす時間を持ってほしいと行動したほどなのだから。
 ツノ太郎の状況を、哀れまずにいられるわけがない。半年程度の顔見知りである僕だって同情してるぐらいだし。
 ただ、今のセベクにはシルバー先輩の気持ちを察してやる余裕は無いようだ。
「僕はもう、傍観しているだけなど耐えられない。若様のためにも、リリア様と共に命を賭してマレノア様をお守りしなくては!」
「セベク。何度も言うが、これは夢だ。ここで何かを成してもそれは幻で、現実は変わらない」
 結局そうなんだよなぁ。
 ここでマレノア姫を守っても、彼女は現実にはもういない。ただの都合のいい夢でしかないのだ。
「ならば……ならば……現実に戻らなければよいのではないか?」
 シルバー先輩が目を見開く。とても冗談の声音ではなかった。いやセベクが冗談とか言うのか知らないけど。
「オメー、何いってんだ!?オレ様たち、夢から覚めるためにココまで来たんだゾ!」
「現実に戻らなければ、これから夢の中でお生まれになる若様は、お母上と共に暮らせる」
 グリムの言葉は耳に入ってない。何なら、僕たちの姿も見えていない。
 ただシルバー先輩にだけ、必死に縋るような視線を向けていた。
「夢の中なら、お前もリリア様と共に生きていけるのだ。これ以上があるか!?」
「それはっ……、いや、しかし!」
 シルバー先輩の視線が一瞬だけ揺れた。すぐに首を横に振る。
 その瞬間から、何か液体が泡立つ音がそこかしこから聞こえ始めた。音が響くほどに地面が黒く塗りつぶされ、液体が盛り上がる。湖の水を触れた所から黒く濁らせ、足下の雑草を飲み込んでいく。
「ふなっ!?黒いぐじゅぐじゅしたヤツが湧き出てきたんだゾ!」
「『闇』……!」
 シルバー先輩は警棒を抜き放つ。
 気づけば『闇』はセベクの足下に集まっていた。もう膝下まで『闇』に飲み込まれている。
「セベク、武器を取れ!『闇』に取り込まれるな!」
 シルバー先輩が声を張り上げながら、セベクに近づこうとする『闇』を斬り払った。グリムも火を吹いて『闇』を散らしていく。しかし幾ら倒して払っても、次から次に湧いてセベクにまとわりついた。
「このまま夢の中にいれば……若様は……」
 まるで眠りに落ちていくように、口にする言葉が勢いを無くしていく。身体のほとんどを『闇』に覆われ、セベクはついに目を閉じた。
「セベク!!」
「ああ、もう!」
 意を決して駆け寄り、かろうじて形が判るセベクの左腕を掴んだ。途端に、『闇』がこちらにも巻き付いてくる。生理的に受け付けない感触だけど、手を離すワケにはいかない。
「ユウ!!」
 セベクから引きはがそうとしてくるかと思ったけど、ついでに取り込む気だったらしい。
 シルバー先輩が僕の腕を掴むより一瞬早く、『闇』が完全に僕たちの全身を覆った。

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