5−2:泥濘へ堕ちる美貌の毒華
校舎を出れば、学校全体を見下ろせるので人の動きがよく見える。
校門に作られた入場ゲートの向こう側には、既に多くの人がいた。結構詰めて整列させられている様子なのに、麓の街へ向かう道路の方まで行列が続いている。
「まだ開場前だってのに、すげえ人なんだゾ!」
「全国魔法士養成学校文化祭は、その名の通り全国の高校生が集まる芸術祭だからな。関係者だけでもかなりの人数になる」
「予想はしていたけど、凄い数だね……」
「去年より多いんですか?」
「ああ。去年はもっと緩い整列だったし、道路までは出てなかったと思う」
恐るべし、シェーンハイト先輩とネージュ・リュバンシェ。
早足で入場口を目指していると、ちょうどメインストリートとサイドストリートの境目辺りまで来たところで校内放送が響いた。
『みなさま、大変お待たせいたしました。ただいまより全国魔法士養成学校総合文化祭を開催いたします』
学園長の声がそう宣言すると、至る所から歓声と拍手が聞こえた。その大音量をかき消す勢いで、とてつもない重量感のある音がこちらに近づいてくる。
「『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ』当日券ご希望の方はこちらへお願いします!!」
「校舎内の展示を観覧のお客様は大通りに沿ってお進みください!すぐにご案内できます!」
「体育館及び運動場への入場案内は十一時半より開始いたします!入場待機列をお間違いのないようにお願いします!!」
殺気立った女性たちの黄土色の声の隙間から、誘導の生徒たちの声が飛び交う。
「おい人間!!走るな!!そして歩きスマホをするな!!!!」
「当日券の抽選は、先着順ではありません。スタッフの指示に従い、落ち着いて並んでください」
果たして聞こえているのかいないのか、という雰囲気だが、とりあえず殺気立った女性の群れはサイドストリートの方へ誘導されていく。しかし途切れる様子がない。
そんな行列をよそに、メインストリートを歩き校舎へ向かっていく人の波はいくらか穏やかだ。体育館や運動場のステージへの入場を待ってる人たちも結構いるけど、別世界のようにのほほんとしている。
「な、なんなんだゾ、あの客の大群は!?」
「おそらく、ヴィル先輩とネージュ・リュバンシェとやらのファンだろう」
「世界的に人気があるのは知ってはいたけど、こりゃすごいな」
マジフト大会での騒動を思い出すような光景だった。方向は逆だけど。数も桁違いだけど。
呆れた顔で行列を見ているローズハート先輩に気づいて、銀髪の少年が駆け寄ってきた。銀色の髪と瞳。女性が放っておかなそうな、お手本のような美形だ。
「リドル、様子を見に来てくれたのか?」
ローズハート先輩が来た事にほっとした様子で微笑んだ。すぐに真剣な顔に戻って、状況を報告する。
「予定通り、コロシアム裏の待機列形成場所に誘導している。遅れは無さそうだが、予想以上に数が多い。屋台の開業時間に間に合わないかもしれない」
「そのようだね。待機場所はかなり余裕を持って作っているはずだけど、この分だとギリギリだ」
ローズハート先輩はスマホを取り出すと、素早く文字を打ち込む。
「とりあえず設営が終わって手の空いた者はコロシアムの列整備に協力するように送っておいたよ。予備の待機場所の準備とチケット担当への情報共有も」
「すまない、助かる」
「委員長として当然だよ。適切な状況報告と要請には正しい判断で応じるべきだからね」
それにしても、と続けるローズハート先輩の表情はちょっと暗い。
「混雑を見越して、ボクが意志疎通のしやすい馬術部を中心に多めのスタッフを配置したつもりだったけれど……」
「その判断は正しかったな。俺の見る限り、入場時の混乱は最小限に抑えられている。入場前の列形成がしっかりしていたおかげだ」
「ああ。そうなんだけど。……まさかここまでとは……」
ローズハート先輩からすれば、芸能人見たさにここまで殺到するのは理解の範囲外だろう。ものの見事に女性ばかりだし。
…………シェーンハイト先輩、やっぱ女性人気あるんだよなぁ……そりゃそうなんだけど。うん。
「なんなのだ、この混雑は!捌いても捌いても、うじゃうじゃと湧いてくる!人間どもめ!」
そう怒鳴りながら、薄緑色の髪の少年がこちらに歩いてくる。髪はきっちりセットされているしクローバー先輩くらい大きいけど、険しい顔にはどこか幼さが残っていた。
「セベク。いつも言っているけれど、その『人間』という呼び方はやめないか。学園の品位に関わる」
現に、ローズハート先輩に怒られてちょっと険しい目つきが揺らいだ。……見えないけど、もしかして一年生かな。
「リドルの言う通りだ」
銀髪の少年が少し怒った表情で続く。
「第一、お前だって半分は『そう』だろう。お前の無礼な発言は、マレウス様やリリア先輩にもご迷惑をかける。重々気をつけろ」
先ほどのローズハート先輩への態度とは違い、随分厳しい言葉使いだった。弟を叱るような感じというか。
ただ、彼に対しては薄緑色の髪の少年も反抗した。
「なっ……偉そうな事を言うなシルバー!!!!」
近距離で聞くと思わず仰け反るくらいの大声。人間より遙かに耳が良いグリムが悲鳴を上げて耳を塞ぐ。
「コイツの声、デッケー!耳の奥までビリビリくるんだゾ!」
「さすが、運動部の一年生は威勢がいいな」
あ、やっぱり一年生なんだ。
薄緑色の髪の少年は銀髪の少年に相変わらず敵意を向けていて、僕たちには見向きもしない。
さっきの発言から察するに人間ではないらしいけど、獣人属のような身体的特徴は見受けられなかった。あ、でも一年生で大柄なのが特徴といえばそうなのかもしれない。ジャックも同じくらい大きいし。
「セベク」
「はい!」
一触即発の空気をローズハート先輩が名前を呼ぶだけで諫めた。
「コロシアムへの列誘導は調理系の屋台開業の十一時半までの予定だったけど、もう少し長く続く恐れがある。遅れないのが一番だけど、予定を遅れたとしても、コロシアムへの誘導を優先し混乱を起こさせず安全に列形成を行う事。いいね?」
「はい!!」
さっきまでの態度の悪さが嘘のような背筋の伸びっぷりだ。いっそ清々しい。
「『VDC』は若様もご観劇なさるのだ!!不手際があっては末代までの恥!!!!」
「そういう事だね。しっかり頼むよ」
「はい!!!!」
少年は元気に返事して、列の誘導に戻っていった。『人間』とは言わなくなったみたいだけど、不遜な態度に変わりはない。ローズハート先輩はやや困った顔になりつつも、銀髪の少年に顔を向けた。
「じゃあボクは東校舎の方を見回ってくる。後は頼んだよ」
「わかった」
「必要な事があれば手配をかけるから、すぐに連絡するように」
「ああ、そうさせてもらう」
そう応えて、銀髪の少年は案内役に戻っていく。ローズハート先輩も満足げに踵を返した。僕たちも後に続く。
「東校舎は、体育館にあるブルーステージと、運動場にあるレッドステージで発表を行う部活の控え室になっている。我が校だけでなく、他校の生徒もそこを利用するんだ」
「おお、じゃあ『VDC』に出るヤツらもソコに集まるのか?」
「いいや。コロシアムには楽屋施設があるから、『VDC』の出場者はそちらだね」
運動場は一部が屋台利用者向けの食事スペースになってるし、体育館は楽屋に使えそうな部屋が極端に少ない。離れてはいるけど、待機場所は東校舎にするしかない、という事情のようだ。
何て言うか、コロシアムがかなり学校の施設としてはイレギュラーなんだよな。民営の運動場みたいというか。実際遜色ない設備だと思うし。
「今年はロイヤルソードアカデミーの生徒も大勢参加してる。こまめに巡回が必要そうだな」
言われてみれば、白い詰め襟の制服の生徒が目立っている気がする。ロイヤルソードアカデミーにとっても、ネージュ・リュバンシェの出場は大きなイベントなのかもしれないなぁ。
「そうでなくてもうちの学園は血の気が多くて喧嘩っ早いヤツが多いのに、ライバル校の生徒がいるとなれば……」
「おい、テメェ。人の制服に鼻水つけておいて詫びもナシかよ!」
とてもタイミング良く人の怒鳴り声が聞こえてきた。丁度角を曲がった先で、誰かが揉めているらしい。顔を見合わせ、前方の様子を窺う。
「ぼく、ごめんなさいって言ったよ……へぷちっ!」
「うわっ!こいつまた鼻水飛ばしてきやがった!」
見るからに小さな子どもたちが、サバナクローの生徒に囲まれている。いや人数は同じなんだけど、サイズ比的にそういう表現が近いと思う。完全に上から見下ろしてるし。
「すみません。彼が汚した制服のクリーニング代は、私がお支払いしますから……」
「あったりまえだろ。つーか、どこの幼稚園生かと思ったら……よく見りゃお前ら、ロイヤルソードアカデミーの制服を着てやがるじゃねぇか」
言われてみれば、陰になっててわかりづらいけど、確かに子どもたちは白い服を着ている。小学生以下の学部があるとは聞いた事がないし、もしかして特殊な種族なのだろうか。
「やれやれ、言ったそばからこれか……」
クローバー先輩が呆れたような、苦笑してるような表情で呟く。多分、ローズハート先輩に見つかった不良たちの不運を哀れんでいるのだろう。
あちらでは嘲る不良たちに対し、小さい子どもの方が負けないぐらいの大声で言い返した。
「幼稚園生だとぉ!?てやんでぃ!このオレ、グラン様は立派な高校生でぃ!ドワーフ族をナメんなよ!」
かなり威勢がいいけど、それで引っ込むなら不良などやっていない。
「へぇ、ガキなら許してやろうと思ってたけど、それじゃ遠慮する必要ねえな!」
「俺らの制服汚してくれたかわりに、お前らの白い制服を泥で汚してやるよ!」
一人が言い返した子どもの胸倉を掴んだ瞬間に、ローズハート先輩が一歩踏み出す。
「校内での私闘は評決をとるまでもなく有罪だ。すみやかに鎮圧する!」
声が聞こえたらしい一人が振り返り、その表情が恐怖に変わるよりも早くローズハート先輩のマジカルペンが振られる。
「『首をはねろ』!」
ガシャン、という錠前がかかる音が三つ重なり、汚い悲鳴が響きわたる。首輪をかけられた不良たちは揃って地面にひっくり返った。
ローズハート先輩が子どもたちをかばうように不良たちの前に立ちはだかる。寮服の杖を手にしていれば、威嚇するように地面を強く叩いていた事だろう。
「まだ文化祭が始まって間もないというのに、早速騒ぎを起こすなんて。ハートの女王の法律以前の問題だ!!」
「ちくしょ~……よりによってローズハートに見つかるなんて……」
「ナイトレイブンカレッジの品格を貶めた罰だよ。しばらくその首輪をつけたまま反省するがいい!」
不良たちは素早く周囲に視線を巡らせて、近くにいるクローバー先輩と僕に気づいて顔を強ばらせた。ローズハート先輩ひとりならどうにかなるかも、と思ったのかもしれない。そんなわけないと思うけどね。
「お、覚えてろ~!」
安い捨て台詞を吐いて、不良たちは校舎の方へ逃げていく。多分、キングスカラー先輩に従ってない派閥の連中だな。意味ないかもだけど覚えてたらチクっとこっと。
「君たち、大丈夫か?うちの生徒がすまなかったな」
「は、はい…………へぷち!」
「助けてくださって、ありがとうございます」
クローバー先輩が話しかけると、メガネをかけた子と鼻を赤くした子は頭を下げて礼を言った。それに対し、赤毛で目つきの鋭い子は憮然として顔をそっぽむける。
「助けてもらわなくても、オレだけでなんとかできたってのによぉ」
「こらっ、グラン!またそんなこと言って」
メガネの子が諫めたけど、態度は改まらない。そんな様子にちょっと困った顔をしている。
「その制服……君たちはロイヤルソードアカデミーの生徒だよな?」
「はい、そうなんです!」
「えぇ?オマエら、オレ様とそんなに背丈が変わらないのに、ホントに高校生なんだゾ?」
「さっきからなんなんだ!失礼な奴らだ!オレたちはドワーフ族にしちゃでかいほうなんだぜぃ!」
「グラン。やめなさいったら」
ドワーフ族。やっぱり特殊な種族らしい。耳も尖ってるし。
「ところで皆さん。私たちと同じくらいの背丈をしたドワーフ族四人を見かけませんでしたか?」
控え室に行く途中で仲間とはぐれてしまって、と眉尻を下げる。この身長では、数がいてもあの人の波の中では紛れてしまった事だろう。
一度でも目にすれば特徴的だから忘れる事はないだろうけど、僕は見ていない。クローバー先輩もグリムも首を横に振る。
「ボクたちは見かけていないね」
「そうですか……」
「放送部に呼び出しを依頼しようか?」
「ふ~っふっふ~ん♪」
真剣な表情で対応する声を遮るように、妙に鮮明な鼻歌が聞こえてくる。凄く近くから聞こえている音量なのに、鼻歌を歌っている人などいない。
皆が不思議そうな顔で周囲をきょろきょろと見回していると、ローズハート先輩の隣に人の顔が浮かんだ。
「お探しものかい?それなら、この俺様に聞いてみにゃぁ」
「うわーーーーーッ!生首おばけ!!!!」
「チェーニャ!?」
グリムが絶叫すると、ローズハート先輩とクローバー先輩も声を上げた。二人の声で僕もグリムも、その人の顔に見覚えがある事に気付く。
「あっ、よく見ればオマエ!ハーツラビュルの庭で会った、にゃあにゃあ言う変なヤツ」
「ンッフッフ。猫のようなヒトのような、魔力をもった不思議なヤツ。アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカーとは俺様の事だにゃあ」
口上は前にも聞いたような気がするんだけど、相変わらず覚えるのが難しい名前だ。
姿を現した彼を見て、ドワーフの生徒たちは表情を明るくした。
「あっ、チェーニャ先輩。トービーたちがどこにいるか知ってるの?」
「おみゃーたちが探してるお友達なら、あっちに行ってこっちに曲がったところを、そっちに行ったぜぃ」
全く要領を得ない説明だが、彼らには伝わったらしい。メガネの少年が微笑む。
「ありがとうございます、先輩。それからナイトレイブンカレッジのみなさんも。では!」
「アバヨ~、っと」
ドワーフ族の三人はぱたぱたと走り去り人波に消えていった。……今度は三人が離ればなれにならないか不安になるな、あのサイズ感。
クローバー先輩がほっとした顔でチェーニャさんに向き直る。
「チェーニャ、彼らと知り合いだったんだな。助かったよ」
「アイツらはウチの学校の二年生だで。顔くらいは知っとるよ」
向こうは顔くらいは、では無さそうな雰囲気だったが。チェーニャさん、ロイヤルソードアカデミーでは有名人なんだろうか。……まぁ、ある意味、うちでもそうだけど。ハーツラビュルで特に。
そんなこちらの反応など気にした様子はなく、気ままに笑う。
「それに俺、道案内は得意だからにゃあ」
「ひさしぶりだね、チェーニャ」
「おー、リドル。おみゃーも元気にしてたかにゃ」
ローズハート先輩の表情は嬉しそうだけど固い。それに気づいているかは分からないが、チェーニャさんも変わらない態度で応えた。
「去年の『なんでもない日』のパーティーぶりか?結局ホリデーは一度も顔を出さんかったじゃにゃーの」
「ああ……連絡をくれていたのに、不義理をしてすまなかったね。ボクは特に変わりないよ」
確か、三人は幼なじみだと話していた。去年の『なんでもない日』って、多分あの、ローズハート先輩がタルトを作った日だと思うのだけど。あの後何度か招待されてるけど彼がいた事はないし、エースたちからも聞いた事はないから。
ホリデーにも顔を合わさなかった、って事は、ご実家の方で何かあったんだろうか。結構長い期間あったのに。休み明けもローズハート先輩は特に変わった様子が無かったから気づかなかった。
「チェーニャ。悪いけど運営委員の仕事の途中なんだ。開場直後でバタバタしてるし、ゆっくり話をするのは後にしよう」
「そりゃご苦労さん。そいじゃぁ、俺は退散するかにゃ~」
「チェーニャ、そのユニーク魔法で他の来場者をおどかしてはいけないよ!」
「そいつは俺の気分次第かにゃぁ~」
疑問を解消する事無く、鼻歌とともにチェーニャさんは消えていった。
僕には分からない事だらけだけど、ひとまず三人の信頼関係に揺らいだ様子はないし、口を出せる事も何も無い。
「あ、最後にひとつだけ」
「うひゃぁ!!??」
完全に油断していたので、真後ろから聞こえた声に思わず飛び上がる。心臓が飛び出るかと思った。
「ど、どうしたんだい?」
「おみゃーさん、『イイナカ』のネコでもいるんかにゃ?」
「い、いい仲、って……」
「ネコと呼ぶにはデッカイが、それはそれ。ヨソのナワバリにいる気がして落ち着かにゃあ」
「ナイトレイブンカレッジは他校なんだから当たり前だろ」
クローバー先輩のツッコミに苦笑しつつ、ぱっと思い浮かぶのはキングスカラー先輩の顔。そういえばこの人も猫の獣人属……のはず。つまりこの人には『虫除け』が匂うという事だろう。
「べ、別にいい仲ではないです。向こうには気に入られてるみたいですけど」
「ほーん。なるほどにゃぁ」
声と共に姿が消える。ぷしゅ、と後ろでスプレーを使ったような音がした。ふわりと甘い香りが漂う。
「少し薄めても効果はテキメン。ナワバリ争いはゴメンだが、猛アピールは鼻につく」
ニヤリと笑った顔が正面に逆さまに浮かんでいた。思わず身を引くと、楽しそうに揺れている。
「ダマされたと思って、それで過ごしてみにゃあ。きっと良い一日が過ごせるよ」
「あ、ありがとうございます……?」
「礼には及ばんよ。……リドルと仲良くにゃあ」
少し優しげな声で言うと同時に、姿が見えなくなった。もう気配もない。
すかさずグリムが背中を登ってくる。
「おぉ、いい感じにレオナの匂いが薄くなって、なんか甘くてうまそうな匂いがするんだゾ」
「そ、そう?ならいいけど」
この状態でキングスカラー先輩に会ったら何か言われそうだな。コロシアムで鉢合わせしないように気をつけないと。
ふと様子を見るとローズハート先輩はちょっと疲れた顔だった。でも僕とクローバー先輩の視線に気づくと、すぐにいつものキリッとした顔に戻る。
「それじゃあ最後は東校舎を見回って終わりにしよう」