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短編

今日は天気の機嫌が良く、爽やかな日曜日。今頃教会じゃ熱心な信者達と死んだ顔の神父がミサを執り行っているだろう。
そんな麗らかな日に俺は、ギルガメッシュと一緒にアイスを食べに出掛けていた。
発端は昨日の夕方のワイドショーでやっていたアイス特集を見た事から始まる。
子供みたいなきらきらとした目で「あれが食べたい」「これは好きじゃない」とか独り言を言っていた。
そして、そのアイスを売っている店が近くにあると知ると声高らかに「明日1番に行くぞ!」と宣言したのである。
最初に同行を命じられたのは言峰。まあ2人の付き合いの長さから行けば妥当だろう。しかし、あいつは仕事があるとか何とか理由付けて丁重にお断りしていた。
それで俺にお鉢が回ってきたという訳だ。面倒臭いお守りを押し付けられてしまったが、毎度毎度やらされる庭仕事やら掃除やらに比べたら代わり映えがあってマシか。そう切り替えて付き合う事にした。
朝早くからぐっすり眠る俺を叩き起しギルガメッシュはグイグイ手を引く。
(そんなに楽しみなのかこいつ…)
冷酷で残酷な女王の中にある幼い子供らしさを見出した気がして少し心がほっこりした。
そこから身支度を軽くさせて貰って(顔を洗っている時に遠くから「まだか狗!?」と聞こえた様な気がする。)無事にアイス屋までやって来たのである。
着いた途端にずっと引っ張っていた俺の手を離し、ショーウィンドウにベッタリと張り付きアイス達を品定めし始めた。
幾ら経ったか数えてはいないがかなり悩んだ末に、淡いピンクと黄色と白が混じった可愛らしいストロベリーメインのアイスを購入した。俺は定番のバニラにした。
いかにも女子供受けの良さそうな店内のイートインスペースで買ったばかりのアイス食べる。流石評判の店だけあって凄く美味い。シンプルなバニラでさえこの美味さなのだから他のアイスはさぞかし凝った味なのだろう。
感銘を覚えながら食べ進めていると不意に強い視線を感じた。目線を上げるとギルガメッシュが物欲しげそうな顔でこちら…というか俺の手にあるバニラを見ていた。
余りにもじっと見てくるから仕方なくショッキングピンクの小さなスプーンで掬い、口元へ運んでやった。
パクッ。運ばれたバニラを子供みたいに大口開けてその口内へと入れた。
するりとスプーンを抜いてやればもぐもぐと咀嚼する。その様子は本当に美味しそうで、もう一度自分の口に入れたバニラが先程よりも美味しく感じた。
どちらともすっかりアイスを食べ終わり満足感で満たされた帰り道、行きに気になっていた店に行きたいとこいつは言う。
時刻は昼過ぎを指したばかり。どうやらこの姫様の我儘にまだまだ付き合われそうだ、と確信した。
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