短編
名前・一人称の設定
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原作のゾウ編冒頭のネタバレがわずかに含まれます。
未読の方はご注意ください。
──────────────
「はあ…」
右腹の森の、砦のとある一室。
私は沈んだ気持ちでベランダに立ち、生い茂る木々を眺めていた。
「みんな、いつここに着くのかな……」
私の右手には新聞が握りしめられていた。
そこには、ルフィがドフラミンゴを倒したとのニュースが載っている。
「ゾロ……」
私は無意識のうちに恋人の名前を呟いていた。
それを聞いたナミがからかうように言う。
「何ふらっと、寂しいの?」
私はこくんと頷いた。
「ゾウに着いてから数日は色々あって忙しかったけど、ちょっと落ち着いたら途端に恋しくなってきた」
そして今度は、左手に持った手配書に視線を移す。
「こんなカッコいい写真見せられたらさ、会えないのが耐えられなくなっちゃうよ。
懸賞金も一気に上がってるし。どんな戦いをしたんだろ……見たかったなぁ」
写真に写った彼を愛しく思いながら見つめる。ドレスローザでの活躍に思いを馳せた。
どんな敵を倒したのだろうか。戦いを経て、またさらに強くなったのだろうか。
そんなことを考えていると、恋しさがどんどん増していく。
耐えられなくなって、手すりに突っ伏すようにもたれかかった。
「あーもう早くゾロに会いたい……」
「まったく、ほら。元気出しなさい」
ナミは呆れたように笑うと、私に近寄って頭をポンポンと撫でる。
でも私は口を尖らせて言った。
「…ナミちゃんじゃなくてゾロに頭なでなでしてもらいたい」
「きっとすぐにしてもらえるわよ」
「頭撫でるだけじゃなくて、抱きしめてもらいたい」
「到着したらなでなでもハグもそれ以上のことも、思う存分してもらいなさい」
ナミの言葉を聞きながら、私はいつまでも手配書を眺めていた。
─────────────
その日も私はバルコニーに立ち、外を眺めていた。
2日前に起こった出来事のせいで、更に元気をなくしていた。
すると、にわかに森が騒がしくなる。
「ん……?」
首を傾げながら外に出ようとすると、ナミとチョッパーが走っているのが見えた。
私はそちらへ向かって問いかける。
「ナミちゃん、チョッパー!一体何が…」
言い終わる前に、ナミが笑顔で叫んだ。
「ルフィ達が着いたって!」
「え?!ほんとに?!?!」
嬉しくて、思わず笑顔になる。
「すぐ行くー!」
そう叫ぶと、すぐさま窓から部屋の外へと飛び降りた。
出迎えられている人影が見えてくる。
きっとみんなあそこにいるだろう。
大好きなゾロも。
やっと会える。
「ゾロ!ゾローー!!!」
嬉しくて嬉しくて、名前を呼びながら、満面の笑みで駆けていく。
人混みをかき分けると、ルフィ達の姿が見えた。
私の声に気づいたゾロが、こちらを見る。
数日ぶりに見る、愛しい姿。
ナミがルフィに、チョッパーがウソップに抱きつくのとほぼ同時に、私もゾロの胸に飛び込んだ。
「ゾロ!会いたかった…!!」
「…おれもだ」
その言葉と同時に、キツく抱きしめ返される。
久しぶりに感じる彼の温もりが、とても心地よかった。
思わずキスをしてしまいたくなったが、仲間だけでなくミンク族もいる場なのでぐっと堪える。
代わりに顔を見上げて微笑みかけた。
「みんな無事なんだね」
「あァ。そっちは?」
その言葉を聞き、私は顔を曇らせる。
「それが…」
「?」
ゾロが首を傾げると同時に、ナミがルフィに謝るのが聞こえた。
「ごめん……!!サンジ君が…!!!」
未読の方はご注意ください。
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「はあ…」
右腹の森の、砦のとある一室。
私は沈んだ気持ちでベランダに立ち、生い茂る木々を眺めていた。
「みんな、いつここに着くのかな……」
私の右手には新聞が握りしめられていた。
そこには、ルフィがドフラミンゴを倒したとのニュースが載っている。
「ゾロ……」
私は無意識のうちに恋人の名前を呟いていた。
それを聞いたナミがからかうように言う。
「何ふらっと、寂しいの?」
私はこくんと頷いた。
「ゾウに着いてから数日は色々あって忙しかったけど、ちょっと落ち着いたら途端に恋しくなってきた」
そして今度は、左手に持った手配書に視線を移す。
「こんなカッコいい写真見せられたらさ、会えないのが耐えられなくなっちゃうよ。
懸賞金も一気に上がってるし。どんな戦いをしたんだろ……見たかったなぁ」
写真に写った彼を愛しく思いながら見つめる。ドレスローザでの活躍に思いを馳せた。
どんな敵を倒したのだろうか。戦いを経て、またさらに強くなったのだろうか。
そんなことを考えていると、恋しさがどんどん増していく。
耐えられなくなって、手すりに突っ伏すようにもたれかかった。
「あーもう早くゾロに会いたい……」
「まったく、ほら。元気出しなさい」
ナミは呆れたように笑うと、私に近寄って頭をポンポンと撫でる。
でも私は口を尖らせて言った。
「…ナミちゃんじゃなくてゾロに頭なでなでしてもらいたい」
「きっとすぐにしてもらえるわよ」
「頭撫でるだけじゃなくて、抱きしめてもらいたい」
「到着したらなでなでもハグもそれ以上のことも、思う存分してもらいなさい」
ナミの言葉を聞きながら、私はいつまでも手配書を眺めていた。
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その日も私はバルコニーに立ち、外を眺めていた。
2日前に起こった出来事のせいで、更に元気をなくしていた。
すると、にわかに森が騒がしくなる。
「ん……?」
首を傾げながら外に出ようとすると、ナミとチョッパーが走っているのが見えた。
私はそちらへ向かって問いかける。
「ナミちゃん、チョッパー!一体何が…」
言い終わる前に、ナミが笑顔で叫んだ。
「ルフィ達が着いたって!」
「え?!ほんとに?!?!」
嬉しくて、思わず笑顔になる。
「すぐ行くー!」
そう叫ぶと、すぐさま窓から部屋の外へと飛び降りた。
出迎えられている人影が見えてくる。
きっとみんなあそこにいるだろう。
大好きなゾロも。
やっと会える。
「ゾロ!ゾローー!!!」
嬉しくて嬉しくて、名前を呼びながら、満面の笑みで駆けていく。
人混みをかき分けると、ルフィ達の姿が見えた。
私の声に気づいたゾロが、こちらを見る。
数日ぶりに見る、愛しい姿。
ナミがルフィに、チョッパーがウソップに抱きつくのとほぼ同時に、私もゾロの胸に飛び込んだ。
「ゾロ!会いたかった…!!」
「…おれもだ」
その言葉と同時に、キツく抱きしめ返される。
久しぶりに感じる彼の温もりが、とても心地よかった。
思わずキスをしてしまいたくなったが、仲間だけでなくミンク族もいる場なのでぐっと堪える。
代わりに顔を見上げて微笑みかけた。
「みんな無事なんだね」
「あァ。そっちは?」
その言葉を聞き、私は顔を曇らせる。
「それが…」
「?」
ゾロが首を傾げると同時に、ナミがルフィに謝るのが聞こえた。
「ごめん……!!サンジ君が…!!!」
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