短編
名前・一人称の設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あんた、今日が何の日か知ってる?」
昼寝をしていたゾロは、ナミのその声で目を覚ました。
「あァ?なんだよいきなり」
「その様子だと知らないのよね?ま、無理もないか。私もさっきふらっとに教えてもらって知ったんだし…」
「何の話だよ」
「一ヶ月前は何の日だったか覚えてないの?」
「一ヶ月前?あー…」
そう言われたゾロは、照れながらそして申し訳なさそうにチョコを差し出す恋人の姿を思い出す。
『ゾロは苦手だって分かってるけど…でも、初めてゾロにあげるバレンタインはチョコにしたくて。ごめん、私のわがままだから、食べれなさそうだったら誰かにあげちゃって大丈夫だからね!』
ふらっとはそう言ったものの、彼女から貰ったものを他の人にあげるなどするはずもなく。ゾロは1人で全部食べたのだった。
「あいつが作ったチョコ、美味かったな。甘くなかったし、酒にも合ってたし…」
「あの子、味見するたび『チョコなのに苦い…』って言いながら、試行錯誤して作ってたのよ…って、そうじゃなくて」
ナミは呆れたようにため息をつきながら話を続ける。
「バレンタインってやつで貰ったんでしょ?何かお返しも必要だとは思わないの?」
「…ってことは、今日が」
ゾロが納得したように呟く。
「そう!バレンタインのお返しをする日…“ホワイトデー”なのよ」
その言葉を聞いて、ゾロは眉をひそめる。
「まさかあのアホコックに菓子作りを習えって言うんじゃねェだろうな」
「違うわよ!あの子もあんたが何か作ることは望んでないでしょうし。それに、別にお返しはお菓子じゃなくてもいいみたいだけど…」
ナミがそこまで言った時、見張りのウソップの声が聞こえてきた。
「島が見えたぞ〜!」
ナミはそれを聞いてニヤリと笑う。
「思った通り、ちょうど島に着くわね。この島で何か買ってきなさい。分かったわね?」
それだけ言うと、ナミはクルーに上陸の指示を出すため、歩いていく。
「ったくあの女は…言いたいことだけいって去りやがって…」
そんなことを言いつつも、ゾロは彼女は何をあげれば喜ぶだろうかと考えつつ上陸の準備を始めた。
───────
「へー!で、何を買うか決めたのか?」
島の商店街を歩きながら、事情を聞いたチョッパーがゾロに尋ねた。
「あァ、大体な。何か甘いもん買ってったらふらっとは喜ぶと思うんだが…何がいいか分かんねェから、チョッパー、お前を連れてきた。一緒にいいの探してくれ」
「おう!任せとけ!!お菓子屋さんは…こっちだな!」
チョッパーはクンクンと匂いを嗅ぐと、目的の店に向かう。
「あ、ゾロ、絶対迷子になるんじゃねェぞ!」
「誰がなるかよ」
そんな会話を交わしながら、2人はお菓子屋さんへとたどり着いた。
「ここだな!」
店へ足を踏み入れた途端、チョッパーは目を輝かせた。
「うわァ〜!美味そうだ…!」
満面の笑みであちこちを見渡す。
「…はっ!!いけねェ、ふらっとへのプレゼントを探すんだったな!」
ブンブンと頭をふるチョッパーを見つめて、ゾロは笑う。
「買い物に付き合ってくれるお礼だ、お前にも好きなもん買ってやるよ」
「いいのか…?!ありがとう!でも先にふらっとにあげるものから探そう!おれにいい考えがあるんだ!」
チョッパーはそう言うと、少し離れた棚へと向かう。
「ほら、これなんかどうだ?」
チョッパーは瓶に詰まったマシュマロを手に取った。
「ホワイトデー、って言ったよな?だから、この白いマシュマロがピッタリだと思うんだ!甘くて美味しいぞ!」
「そうだな、それにするか」
ゾロはその瓶を大事そうに抱える。
「ふらっとへ渡すものはこれで決まりで…チョッパー、欲しいものは何だ?」
「沢山ありすぎて決められねェよ…」
「全部買ってやる」
「いいのか?!?!じゃあ、わたあめと、チョコと、キャンディーと…」
チョッパーは次々と欲しいものをカゴに放り込んでいくのであった。
───────
「帰ったぞ」
「ただいまー!」
「あ、ゾロ帰ってきた!おかえりー!!」
ゾロとチョッパーがサニー号へ戻ると、それを聞きつけたふらっとが真っ先に出てきた。
「チョッパーと2人きりでどこ行ってたのもう…」
「悪ィ、これを買いに行ってたんだ」
ゾロは手に持っていた紙袋を差し出す。
「…これは?」
「今日はホワイトデーってやつだろ?だから、バレンタインのお返しだ」
「!!嬉しい!!!ありがとう!!!!」
ふらっとは満面の笑みを浮かべたあと、「でも」と、チョッパーが大量に持つ紙袋と見比べる。
「チョッパーにはあんなに沢山買ったのに…私にはこれだけ…?」
「あー、それは…」
「ふふっ、ごめんごめん、冗談だよ。チョッパーには沢山お菓子買ってあげたくなっちゃうよね、分かるよ、しゃーないしゃーない」
ふらっとは悪戯っぽく笑ったあと、改めてゾロを見上げる。
「ね、ほんとにこれありがとね…開けていい?」
「あァ」
ふらっとは嬉しそうにしながら、中からラッピングされた瓶を取り出した。
「わあ…!何これ、マシュマロ?!美味しそう…瓶もすごく可愛い!!食べるの勿体無いな…大事に食べるね!ゾロ、ありがとう!!!」
ふらっとはゾロに抱きついた。
ゾロもそれに応えて抱きしめ返す。
「喜んでもらえてよかった」
「ゾロがくれたものなら何でも嬉しいよ…!!」
そうしてキスをしようとした時、後ろからナミの声が聞こえてきた。
「はい2人とも、イチャつくのはそこまでにして。夜ご飯の時間よ」
「ん、分かった…」
ふらっとは名残惜しげにゾロから離れる。
「今日のご飯、なんだろね」
そんなことを言いながら2人はダイニングへと向かった。
───────
夕食後、ゾロとふらっとはアクアリウムバーにいた。
お酒をのむゾロの横で、マシュマロの入った瓶を見つめるふらっと。
「ゾロからもらったマシュマロ…嬉しい…ふふっ」
「食わねェのか?」
「食べるよ、食べるけど…なんかもったいない気がして」
ふらっとは幸せそうな笑顔を浮かべる。
「うーん一個だけ食べちゃうか…そうだゾロ、あーんして!」
ふらっとは瓶を開けると、ゾロに差し出す。
「分かったよ…ほら、口開けろ」
ゾロはマシュマロを一つつまむとふらっとの口へと運ぶ。
「ん…甘い…美味しい〜!ありがとう、ゾロ!!」
そう言って笑う彼女を、ゾロも微笑みながら見つめていた。
一方その頃。
チョッパーは甲板にあるブランコに座りながら、さっき買ったお菓子を頬張っていた。
「このわたあめ、うめェな…!!もぐもぐ…それにしても、ふらっと喜んでてよかったな!もぐもぐ…ゾロも幸せそうだったぞ…!もぐもぐ…ん?これなんだ?」
チョッパーは、紙袋の中に紙が入っているのに気づいた。
それは、ホワイトデーのお返しの意味の一覧表だった。贈るものによって様々な意味が込められているようだ。
「へー!こんなに色々意味があるのか!どれどれ…」
チョッパーは興味深そうにそれを見ていく。
「えっと、クッキーは“友達でいてね”、キャンディは“あなたが大好きです”、マカロンは“あなたは大切な人”…ゾロがふらっとにあげるの、キャンディかマカロンの方が良かったんじゃねェか?で、マシュマロの意味は…」
チョッパーはマシュマロの横に書かれた文字を見て、息をのむ。
「“あなたが嫌いです”…?!?!大変だ…!!」
チョッパーはブランコから降りると、慌てたように辺りをうろちょろと歩き始める。
「どうしようどうしよう、おれがマシュマロを勧めたばっかりに…!!ふらっとが勘違いしちまったらおれのせいだ…どうしよう」
チョッパーの目に涙が浮かぶ。
「…考えてても仕方ねェ、直接誤解を解きにいこう!!2人がいるのは…うん、こっちだな!」
チョッパーはアクアリウムバーへと走っていった。
───────
「ふらっと!ゾロはふらっとのこと嫌いなんかじゃねェ!大好きなんだ!マシュマロがいいんじゃないかって言ったのはおれで、ゾロは意味なんて知らなくて…あ」
部屋に飛び込むなりそう叫んだチョッパーの目に入ってきたのは、まさに今からキスをしようとしている2人の姿だった。
「「チョッパー?」」
2人はチョッパーの方を向く。
「あ…あの……その……」
「どうしたチョッパー、そんなに慌てて」
「ゾロが私のこと嫌いって…どういうこと?」
「えっと…こ、これを見てくれ!!」
口で説明するより早いと、チョッパーは手に持った紙を2人に見せる。
「ほらこれ、お返しには意味があるらしくって…マシュマロには“嫌い”って意味があるらしいんだ。意味を知らずにマシュマロ選んじゃったけど、ゾロはふらっとのこと嫌いなわけじゃねェって言いたくて…って、あれ」
チョッパーは首を傾げる。
「もしかしてふらっと、マシュマロの意味知らなかったのか…?」
「うん、知らなかった!マシュマロだけじゃなくて、そもそもお返しに意味があることも…」
ふらっとはニコッと笑う。
「もしかして、私が意味を知っててショック受けるんじゃないか、って気にしてくれたの?わざわざありがとうね」
ふらっとはチョッパーの頭を撫でた。
「でも、もし意味を知ってたとしても、ゾロからもらったものはなんでも嬉しいよ!!」
そう言いながら、ゾロの腕に抱きついた。
「それにしても、いろんな意味があるんだな」
ゾロが面白そうに紙を見る。
「ほんとだねえ…チョコなんて、“特に意味はなし”だって。だったら書かなくていいじゃんとか思っちゃうけど…あ、私がバレンタインにあげたチョコは“大好き”の気持ちがいっぱい詰まってるからね!!」
「あァ、分かってる…ふらっとはこの中だったら何が欲しいんだ?」
「うーんそうだな…えっと…ブレスレット、かな」
ふらっとは恥ずかしそうに笑うと、ゾロの唇にキスをした。
昼寝をしていたゾロは、ナミのその声で目を覚ました。
「あァ?なんだよいきなり」
「その様子だと知らないのよね?ま、無理もないか。私もさっきふらっとに教えてもらって知ったんだし…」
「何の話だよ」
「一ヶ月前は何の日だったか覚えてないの?」
「一ヶ月前?あー…」
そう言われたゾロは、照れながらそして申し訳なさそうにチョコを差し出す恋人の姿を思い出す。
『ゾロは苦手だって分かってるけど…でも、初めてゾロにあげるバレンタインはチョコにしたくて。ごめん、私のわがままだから、食べれなさそうだったら誰かにあげちゃって大丈夫だからね!』
ふらっとはそう言ったものの、彼女から貰ったものを他の人にあげるなどするはずもなく。ゾロは1人で全部食べたのだった。
「あいつが作ったチョコ、美味かったな。甘くなかったし、酒にも合ってたし…」
「あの子、味見するたび『チョコなのに苦い…』って言いながら、試行錯誤して作ってたのよ…って、そうじゃなくて」
ナミは呆れたようにため息をつきながら話を続ける。
「バレンタインってやつで貰ったんでしょ?何かお返しも必要だとは思わないの?」
「…ってことは、今日が」
ゾロが納得したように呟く。
「そう!バレンタインのお返しをする日…“ホワイトデー”なのよ」
その言葉を聞いて、ゾロは眉をひそめる。
「まさかあのアホコックに菓子作りを習えって言うんじゃねェだろうな」
「違うわよ!あの子もあんたが何か作ることは望んでないでしょうし。それに、別にお返しはお菓子じゃなくてもいいみたいだけど…」
ナミがそこまで言った時、見張りのウソップの声が聞こえてきた。
「島が見えたぞ〜!」
ナミはそれを聞いてニヤリと笑う。
「思った通り、ちょうど島に着くわね。この島で何か買ってきなさい。分かったわね?」
それだけ言うと、ナミはクルーに上陸の指示を出すため、歩いていく。
「ったくあの女は…言いたいことだけいって去りやがって…」
そんなことを言いつつも、ゾロは彼女は何をあげれば喜ぶだろうかと考えつつ上陸の準備を始めた。
───────
「へー!で、何を買うか決めたのか?」
島の商店街を歩きながら、事情を聞いたチョッパーがゾロに尋ねた。
「あァ、大体な。何か甘いもん買ってったらふらっとは喜ぶと思うんだが…何がいいか分かんねェから、チョッパー、お前を連れてきた。一緒にいいの探してくれ」
「おう!任せとけ!!お菓子屋さんは…こっちだな!」
チョッパーはクンクンと匂いを嗅ぐと、目的の店に向かう。
「あ、ゾロ、絶対迷子になるんじゃねェぞ!」
「誰がなるかよ」
そんな会話を交わしながら、2人はお菓子屋さんへとたどり着いた。
「ここだな!」
店へ足を踏み入れた途端、チョッパーは目を輝かせた。
「うわァ〜!美味そうだ…!」
満面の笑みであちこちを見渡す。
「…はっ!!いけねェ、ふらっとへのプレゼントを探すんだったな!」
ブンブンと頭をふるチョッパーを見つめて、ゾロは笑う。
「買い物に付き合ってくれるお礼だ、お前にも好きなもん買ってやるよ」
「いいのか…?!ありがとう!でも先にふらっとにあげるものから探そう!おれにいい考えがあるんだ!」
チョッパーはそう言うと、少し離れた棚へと向かう。
「ほら、これなんかどうだ?」
チョッパーは瓶に詰まったマシュマロを手に取った。
「ホワイトデー、って言ったよな?だから、この白いマシュマロがピッタリだと思うんだ!甘くて美味しいぞ!」
「そうだな、それにするか」
ゾロはその瓶を大事そうに抱える。
「ふらっとへ渡すものはこれで決まりで…チョッパー、欲しいものは何だ?」
「沢山ありすぎて決められねェよ…」
「全部買ってやる」
「いいのか?!?!じゃあ、わたあめと、チョコと、キャンディーと…」
チョッパーは次々と欲しいものをカゴに放り込んでいくのであった。
───────
「帰ったぞ」
「ただいまー!」
「あ、ゾロ帰ってきた!おかえりー!!」
ゾロとチョッパーがサニー号へ戻ると、それを聞きつけたふらっとが真っ先に出てきた。
「チョッパーと2人きりでどこ行ってたのもう…」
「悪ィ、これを買いに行ってたんだ」
ゾロは手に持っていた紙袋を差し出す。
「…これは?」
「今日はホワイトデーってやつだろ?だから、バレンタインのお返しだ」
「!!嬉しい!!!ありがとう!!!!」
ふらっとは満面の笑みを浮かべたあと、「でも」と、チョッパーが大量に持つ紙袋と見比べる。
「チョッパーにはあんなに沢山買ったのに…私にはこれだけ…?」
「あー、それは…」
「ふふっ、ごめんごめん、冗談だよ。チョッパーには沢山お菓子買ってあげたくなっちゃうよね、分かるよ、しゃーないしゃーない」
ふらっとは悪戯っぽく笑ったあと、改めてゾロを見上げる。
「ね、ほんとにこれありがとね…開けていい?」
「あァ」
ふらっとは嬉しそうにしながら、中からラッピングされた瓶を取り出した。
「わあ…!何これ、マシュマロ?!美味しそう…瓶もすごく可愛い!!食べるの勿体無いな…大事に食べるね!ゾロ、ありがとう!!!」
ふらっとはゾロに抱きついた。
ゾロもそれに応えて抱きしめ返す。
「喜んでもらえてよかった」
「ゾロがくれたものなら何でも嬉しいよ…!!」
そうしてキスをしようとした時、後ろからナミの声が聞こえてきた。
「はい2人とも、イチャつくのはそこまでにして。夜ご飯の時間よ」
「ん、分かった…」
ふらっとは名残惜しげにゾロから離れる。
「今日のご飯、なんだろね」
そんなことを言いながら2人はダイニングへと向かった。
───────
夕食後、ゾロとふらっとはアクアリウムバーにいた。
お酒をのむゾロの横で、マシュマロの入った瓶を見つめるふらっと。
「ゾロからもらったマシュマロ…嬉しい…ふふっ」
「食わねェのか?」
「食べるよ、食べるけど…なんかもったいない気がして」
ふらっとは幸せそうな笑顔を浮かべる。
「うーん一個だけ食べちゃうか…そうだゾロ、あーんして!」
ふらっとは瓶を開けると、ゾロに差し出す。
「分かったよ…ほら、口開けろ」
ゾロはマシュマロを一つつまむとふらっとの口へと運ぶ。
「ん…甘い…美味しい〜!ありがとう、ゾロ!!」
そう言って笑う彼女を、ゾロも微笑みながら見つめていた。
一方その頃。
チョッパーは甲板にあるブランコに座りながら、さっき買ったお菓子を頬張っていた。
「このわたあめ、うめェな…!!もぐもぐ…それにしても、ふらっと喜んでてよかったな!もぐもぐ…ゾロも幸せそうだったぞ…!もぐもぐ…ん?これなんだ?」
チョッパーは、紙袋の中に紙が入っているのに気づいた。
それは、ホワイトデーのお返しの意味の一覧表だった。贈るものによって様々な意味が込められているようだ。
「へー!こんなに色々意味があるのか!どれどれ…」
チョッパーは興味深そうにそれを見ていく。
「えっと、クッキーは“友達でいてね”、キャンディは“あなたが大好きです”、マカロンは“あなたは大切な人”…ゾロがふらっとにあげるの、キャンディかマカロンの方が良かったんじゃねェか?で、マシュマロの意味は…」
チョッパーはマシュマロの横に書かれた文字を見て、息をのむ。
「“あなたが嫌いです”…?!?!大変だ…!!」
チョッパーはブランコから降りると、慌てたように辺りをうろちょろと歩き始める。
「どうしようどうしよう、おれがマシュマロを勧めたばっかりに…!!ふらっとが勘違いしちまったらおれのせいだ…どうしよう」
チョッパーの目に涙が浮かぶ。
「…考えてても仕方ねェ、直接誤解を解きにいこう!!2人がいるのは…うん、こっちだな!」
チョッパーはアクアリウムバーへと走っていった。
───────
「ふらっと!ゾロはふらっとのこと嫌いなんかじゃねェ!大好きなんだ!マシュマロがいいんじゃないかって言ったのはおれで、ゾロは意味なんて知らなくて…あ」
部屋に飛び込むなりそう叫んだチョッパーの目に入ってきたのは、まさに今からキスをしようとしている2人の姿だった。
「「チョッパー?」」
2人はチョッパーの方を向く。
「あ…あの……その……」
「どうしたチョッパー、そんなに慌てて」
「ゾロが私のこと嫌いって…どういうこと?」
「えっと…こ、これを見てくれ!!」
口で説明するより早いと、チョッパーは手に持った紙を2人に見せる。
「ほらこれ、お返しには意味があるらしくって…マシュマロには“嫌い”って意味があるらしいんだ。意味を知らずにマシュマロ選んじゃったけど、ゾロはふらっとのこと嫌いなわけじゃねェって言いたくて…って、あれ」
チョッパーは首を傾げる。
「もしかしてふらっと、マシュマロの意味知らなかったのか…?」
「うん、知らなかった!マシュマロだけじゃなくて、そもそもお返しに意味があることも…」
ふらっとはニコッと笑う。
「もしかして、私が意味を知っててショック受けるんじゃないか、って気にしてくれたの?わざわざありがとうね」
ふらっとはチョッパーの頭を撫でた。
「でも、もし意味を知ってたとしても、ゾロからもらったものはなんでも嬉しいよ!!」
そう言いながら、ゾロの腕に抱きついた。
「それにしても、いろんな意味があるんだな」
ゾロが面白そうに紙を見る。
「ほんとだねえ…チョコなんて、“特に意味はなし”だって。だったら書かなくていいじゃんとか思っちゃうけど…あ、私がバレンタインにあげたチョコは“大好き”の気持ちがいっぱい詰まってるからね!!」
「あァ、分かってる…ふらっとはこの中だったら何が欲しいんだ?」
「うーんそうだな…えっと…ブレスレット、かな」
ふらっとは恥ずかしそうに笑うと、ゾロの唇にキスをした。