短編
名前・一人称の設定
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「ねえナミちゃん、ポッキーゲームって知ってる?」
サニー号の図書館にて。
真ん中の測量机で何かを書いていたナミちゃんが伸びをしたのを見て、私は問いかけた。
「知らないわ。…もしかして、お金が稼げるゲームだったりする?」
目をキラキラさせるナミちゃんに申し訳なく思いながら、私は説明をする。
「2人でポッキーを両端から咥えて、食べ進めるの。照れて口を離した方が負け、だったかな」
「ポッキーって?」
あ、そっか、ポッキーも知らないのか。
「細長い形のクラッカーのお菓子だよ。チョコがついてるの」
「へェ…そんなものがあるのね」
そしてナミちゃんは、イタズラっぽい表情で笑うと私を見る。
「で?なんでその話を私にしたの?」
「えっと、それは…」
「ゾロとしたいんでしょう?」
…図星だ。
私は顔を逸らしつつ頷いた。
「まったく、こういう時に恥ずかしがるんだから。ほらその、ぽっきー?っていうの買ってきてあげるから、今からゾロとしてきなさいよ」
「いやその、えっとね、今日じゃなくてね…ポッキーの日ってのがあるから、その日にやりたくて」
「それっていつよ?」
「3日後…ゾロの誕生日と同じ日」
「じゃあ決まりね!その日の宴でやりましょうか」
うんうんと頷くナミちゃんに、私は慌てて言う。
「そ、そんな、大層なもんじゃないから…ただ、自分で言い出すのはちょっと恥ずかしいからナミちゃんに手助けしてもらうと思っただけで…!!」
「あら、遠慮しないでいいのよ」
ナミちゃんはそう言ってにっこり笑う。
いったい何をしようとしているのだろうか。
「…あ、ポッキーは私が用意しとくよ。というか、ゾロはチョコが苦手だからプリッツにするね」
「そう、そこは任せるわ。よろしくね」
「うん、こちらこそ…ほんとに、そんな大袈裟にしないでね?恥ずかしいから、ね?」
ナミちゃんは分かってるわよ、と頷いた。
そして、ゾロの誕生日当日。
誕生日自体には特に興味がなさそうだが、それでもいつもより上機嫌でお酒を飲む彼を、私は隣で見つめていた。
「ゾロ、お酒美味しい…?」
私がプレゼントした酒瓶を手に持つゾロにそう尋ねた。
お酒に弱い私ゆえ、試飲をするわけにもいかないので、悩みに悩んで最後は直感で決めたものだった。
「あァ、美味いぜ。ありがとう」
そう言って満面の笑みを浮かべる彼を見て、私もにやけてしまう。
「よかった!」
そこへ、ナミちゃんが近づいてきた。
「そろそろやらないの?ポッキーゲーム」
「…なんの話だ?」
隣で聞いていたゾロが、首を傾げる。
「あ、えっと、ね…」
私は説明しようとして口ごもる。
「せっかくなら、みんなの前でやった方が盛り上がるわね。はいみんな、注目ー!!」
ナミちゃんが仲間達に声をかけると、みんなの視線が一斉にこっちを向く。
「ナミ、どうしたんだー?」
チョッパーの問いにナミちゃんが答える。
「ポッキーゲームってのをふらっとがやりたいらしいのよ」
「「「ポッキーゲーム??」」」
頭にはてなマークを浮かべるみんなに説明をした。
「……………で、ポッキーというかプリッツは用意してあるよ、ってわけ」
私が言葉を切ると同時に、サンジくんが回転しながら飛んできた。
「ナミさん、ぜひおれと一緒にポッキーゲームを…」
「で、ゾロ、ふらっとがあんたとやりたいらしいのよ」
ナミちゃんはそう言いながらサンジくんを華麗に避ける。
サンジくんは残念ながら床に激突した。
「へェ…面白いのか、それ」
「面白いというか、恥ずかしい、かな。あ、もちろんゾロがやりたくないなら…」
「いや、やろうぜ」
ゾロのニヤッとした笑顔に、私はきゅんとした。
「…で、お前が用意したのって、どんなやつなんだ?」
「これ、プリッツね。燻製チーズ味にした。お酒に合うかなと思って…」
「へェ、美味そうじゃねェか」
私は箱を開けてビニールを破ると、一本取り出して口に咥えた。
みんなの視線を感じる。
「…はい」
ゾロの方に顔を向けると、彼はためらうことなく反対側を咥えた。
「ま、待って…」
…顔が、近い。
分かってはいたけれど、それでも近かった。
とても食べ進めることなどできず、照れて顔を背けたくなる気持ちを抑えつつ、胸のドキドキを感じながらただじっとゾロの顔を見つめる。
どれくらいそうしていただろうか。
不意にゾロが私の後頭部を優しく支えると、一気にカリカリカリと食べ進め、そのまま私の唇にキスをした。
「…っっっ?!?!」
どんどんと近づく彼の顔から逃れることができず、私はそのキスを受け入れる。
「おれの勝ちだな」
ゾロは顔を離すと、ニヤッと笑う。
「…別に私、口離してないし…」
「でも照れてただろ?」
そりゃあ、この状態で先に口を離すのは私だっただろうけど…
「これ、美味ェな。酒に合いそうだ」
ゾロのその言葉に、私は手に持ったままだったプリッツの箱を差し出す。
「まだ沢山あるから…もっとやろ?」
「あァ、そうだな」
そう言って今度はゾロが咥えたプリッツの先を、私も咥えるのだった。
「…全くあの子達、私達がいること忘れてない?」
まあ、良いもの見れたし、いっか。
ナミはそう思いながら、まだまだ飲もうと、ジョッキを持って立ち上がるのだった。
サニー号の図書館にて。
真ん中の測量机で何かを書いていたナミちゃんが伸びをしたのを見て、私は問いかけた。
「知らないわ。…もしかして、お金が稼げるゲームだったりする?」
目をキラキラさせるナミちゃんに申し訳なく思いながら、私は説明をする。
「2人でポッキーを両端から咥えて、食べ進めるの。照れて口を離した方が負け、だったかな」
「ポッキーって?」
あ、そっか、ポッキーも知らないのか。
「細長い形のクラッカーのお菓子だよ。チョコがついてるの」
「へェ…そんなものがあるのね」
そしてナミちゃんは、イタズラっぽい表情で笑うと私を見る。
「で?なんでその話を私にしたの?」
「えっと、それは…」
「ゾロとしたいんでしょう?」
…図星だ。
私は顔を逸らしつつ頷いた。
「まったく、こういう時に恥ずかしがるんだから。ほらその、ぽっきー?っていうの買ってきてあげるから、今からゾロとしてきなさいよ」
「いやその、えっとね、今日じゃなくてね…ポッキーの日ってのがあるから、その日にやりたくて」
「それっていつよ?」
「3日後…ゾロの誕生日と同じ日」
「じゃあ決まりね!その日の宴でやりましょうか」
うんうんと頷くナミちゃんに、私は慌てて言う。
「そ、そんな、大層なもんじゃないから…ただ、自分で言い出すのはちょっと恥ずかしいからナミちゃんに手助けしてもらうと思っただけで…!!」
「あら、遠慮しないでいいのよ」
ナミちゃんはそう言ってにっこり笑う。
いったい何をしようとしているのだろうか。
「…あ、ポッキーは私が用意しとくよ。というか、ゾロはチョコが苦手だからプリッツにするね」
「そう、そこは任せるわ。よろしくね」
「うん、こちらこそ…ほんとに、そんな大袈裟にしないでね?恥ずかしいから、ね?」
ナミちゃんは分かってるわよ、と頷いた。
そして、ゾロの誕生日当日。
誕生日自体には特に興味がなさそうだが、それでもいつもより上機嫌でお酒を飲む彼を、私は隣で見つめていた。
「ゾロ、お酒美味しい…?」
私がプレゼントした酒瓶を手に持つゾロにそう尋ねた。
お酒に弱い私ゆえ、試飲をするわけにもいかないので、悩みに悩んで最後は直感で決めたものだった。
「あァ、美味いぜ。ありがとう」
そう言って満面の笑みを浮かべる彼を見て、私もにやけてしまう。
「よかった!」
そこへ、ナミちゃんが近づいてきた。
「そろそろやらないの?ポッキーゲーム」
「…なんの話だ?」
隣で聞いていたゾロが、首を傾げる。
「あ、えっと、ね…」
私は説明しようとして口ごもる。
「せっかくなら、みんなの前でやった方が盛り上がるわね。はいみんな、注目ー!!」
ナミちゃんが仲間達に声をかけると、みんなの視線が一斉にこっちを向く。
「ナミ、どうしたんだー?」
チョッパーの問いにナミちゃんが答える。
「ポッキーゲームってのをふらっとがやりたいらしいのよ」
「「「ポッキーゲーム??」」」
頭にはてなマークを浮かべるみんなに説明をした。
「……………で、ポッキーというかプリッツは用意してあるよ、ってわけ」
私が言葉を切ると同時に、サンジくんが回転しながら飛んできた。
「ナミさん、ぜひおれと一緒にポッキーゲームを…」
「で、ゾロ、ふらっとがあんたとやりたいらしいのよ」
ナミちゃんはそう言いながらサンジくんを華麗に避ける。
サンジくんは残念ながら床に激突した。
「へェ…面白いのか、それ」
「面白いというか、恥ずかしい、かな。あ、もちろんゾロがやりたくないなら…」
「いや、やろうぜ」
ゾロのニヤッとした笑顔に、私はきゅんとした。
「…で、お前が用意したのって、どんなやつなんだ?」
「これ、プリッツね。燻製チーズ味にした。お酒に合うかなと思って…」
「へェ、美味そうじゃねェか」
私は箱を開けてビニールを破ると、一本取り出して口に咥えた。
みんなの視線を感じる。
「…はい」
ゾロの方に顔を向けると、彼はためらうことなく反対側を咥えた。
「ま、待って…」
…顔が、近い。
分かってはいたけれど、それでも近かった。
とても食べ進めることなどできず、照れて顔を背けたくなる気持ちを抑えつつ、胸のドキドキを感じながらただじっとゾロの顔を見つめる。
どれくらいそうしていただろうか。
不意にゾロが私の後頭部を優しく支えると、一気にカリカリカリと食べ進め、そのまま私の唇にキスをした。
「…っっっ?!?!」
どんどんと近づく彼の顔から逃れることができず、私はそのキスを受け入れる。
「おれの勝ちだな」
ゾロは顔を離すと、ニヤッと笑う。
「…別に私、口離してないし…」
「でも照れてただろ?」
そりゃあ、この状態で先に口を離すのは私だっただろうけど…
「これ、美味ェな。酒に合いそうだ」
ゾロのその言葉に、私は手に持ったままだったプリッツの箱を差し出す。
「まだ沢山あるから…もっとやろ?」
「あァ、そうだな」
そう言って今度はゾロが咥えたプリッツの先を、私も咥えるのだった。
「…全くあの子達、私達がいること忘れてない?」
まあ、良いもの見れたし、いっか。
ナミはそう思いながら、まだまだ飲もうと、ジョッキを持って立ち上がるのだった。