1章
名前・一人称の設定
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「あー…」
サンジの散らした最後のハートが見えなくなった頃、机に突っ伏しながらふらっとがつぶやいた。
「やっぱりゾロも連れてこればよかったかな…」
「あら、会いたくなっちゃった?」
ふらっとは素直に頷く。
「うん。迷子になったら困るし、連れてこない方がいいかなと思ってたけど、やっぱり寂しいなって」
「まだサニー号を出て半日も経ってないのに。本当にふらっとはゾロのことが好きなのね」
「えへへ」
照れ笑いを浮かべるふらっとに、ロビンはあるものを差し出した。
「そんなところだろうと思って、これ持ってきたわよ」
子電伝虫だった。
ロビンが番号を入力すると、すぐに反応があり、愛しい人の声が聞こえてきた。
『──おう、おれだ』
「ゾロ!!」
ふらっとが笑顔で電伝虫に飛びつく。
「ゾロ、元気だった?」
『元気も何も、さっき出かけたばっかだろうが』
呆れつつもどこか優しい口調だった。
「ルフィ達は?大人しくしてる?」
『あァ。それよりお前は大丈夫か?コックに変なことされてねェよな?』
「変なこと、って。何もされないよ」
心配されたのが嬉しくて、顔がにやける。
『そうか、それはよかった。早く帰ってこいよ』
「うん。じゃあ、また後で!」
『ガチャ』
電伝虫を切っても、ふらっとはニヤニヤが止まらなかった。
「えへへ…ゾロが心配してくれた…『早く帰ってこい』だって…へへへへ…」
自分は相当気持ち悪い笑顔をしているのだろうと思ったが、溢れ出る気持ちを抑えることはできなかった。
「すぐに出たことを考えると、ゾロも電伝虫の前で待ち構えてたかもしれないわね。『途中で連絡するかも』って言っておいたし」
「そうなの…?!えへへへへへへ……」
ロビンの一言でニヤニヤが倍増しかけたその時。
唐突にふらっとは気がついた。
自分は側から見たら、気持ち悪いだけでなく“手のひらサイズのカタツムリに向かって話しかけている変な人”になっていたのではないかと。
「マ、マズい…」
冷静になったふらっとは慌てて周りを見渡す。
幸いなことに、こちらに注目している人はいないようだった。
「よかった…」
ほっと一安心すると、ロビンに向き直る。
「ねえロビンちゃん、子電伝虫持ってきてくれてありがとう!ここでゾロと話せるなんて思ってなかったから、すごく嬉しい」
それに、と人差し指で子電伝虫をちょんちょんとつつく。
「電伝虫がこっちの世界でも使えるってことが分かったし。通信手段がそれぞれの念波だからかな、たぶん」
「いえいえ。それより、もっとゾロと話していなくてよかったの?すぐに切ったから、少し驚いたわ」
ロビンに聞かれ、ふらっとは恥ずかしそうに笑う。
「ああそれね…これ以上話してると、すぐにでも飛んでって抱きつきたくなっちゃいそうだったから」
そんなふらっとを見て、ロビンも微笑んだ。
「ふらっとったら、可愛いわね」
「サニー号に帰ればすぐ会えるって分かってるんだけどね。サンジくん早く戻ってこないかな」
「あら、噂をすれば」
ロビンの示す方を見ると、サンジが大量の食材を持ち、手を振りながらこっちへ歩いてくるところだった。
ふらっとは待ってましたとばかりに、そちらへ駆け寄る。
「サンジくん、おかえり!」
「レディ達、おまたせ〜!おれに会えなくて寂しかった?」
「いや、ゾロに会えなくて寂しかった」
ふらっとが即答し、サンジはがっくりと肩を落とした。
「少し離れただけなのにこんなにも想ってくれる彼女がいるなんて羨ましいぜ…マリモのくせに…」
そんなサンジをその場に残したまま、ふらっとは荷物を持って出口へと駆け出した。
「ほら、はやく船に戻ろう!ゾロが…みんなが待ってるよ!」
サンジの散らした最後のハートが見えなくなった頃、机に突っ伏しながらふらっとがつぶやいた。
「やっぱりゾロも連れてこればよかったかな…」
「あら、会いたくなっちゃった?」
ふらっとは素直に頷く。
「うん。迷子になったら困るし、連れてこない方がいいかなと思ってたけど、やっぱり寂しいなって」
「まだサニー号を出て半日も経ってないのに。本当にふらっとはゾロのことが好きなのね」
「えへへ」
照れ笑いを浮かべるふらっとに、ロビンはあるものを差し出した。
「そんなところだろうと思って、これ持ってきたわよ」
子電伝虫だった。
ロビンが番号を入力すると、すぐに反応があり、愛しい人の声が聞こえてきた。
『──おう、おれだ』
「ゾロ!!」
ふらっとが笑顔で電伝虫に飛びつく。
「ゾロ、元気だった?」
『元気も何も、さっき出かけたばっかだろうが』
呆れつつもどこか優しい口調だった。
「ルフィ達は?大人しくしてる?」
『あァ。それよりお前は大丈夫か?コックに変なことされてねェよな?』
「変なこと、って。何もされないよ」
心配されたのが嬉しくて、顔がにやける。
『そうか、それはよかった。早く帰ってこいよ』
「うん。じゃあ、また後で!」
『ガチャ』
電伝虫を切っても、ふらっとはニヤニヤが止まらなかった。
「えへへ…ゾロが心配してくれた…『早く帰ってこい』だって…へへへへ…」
自分は相当気持ち悪い笑顔をしているのだろうと思ったが、溢れ出る気持ちを抑えることはできなかった。
「すぐに出たことを考えると、ゾロも電伝虫の前で待ち構えてたかもしれないわね。『途中で連絡するかも』って言っておいたし」
「そうなの…?!えへへへへへへ……」
ロビンの一言でニヤニヤが倍増しかけたその時。
唐突にふらっとは気がついた。
自分は側から見たら、気持ち悪いだけでなく“手のひらサイズのカタツムリに向かって話しかけている変な人”になっていたのではないかと。
「マ、マズい…」
冷静になったふらっとは慌てて周りを見渡す。
幸いなことに、こちらに注目している人はいないようだった。
「よかった…」
ほっと一安心すると、ロビンに向き直る。
「ねえロビンちゃん、子電伝虫持ってきてくれてありがとう!ここでゾロと話せるなんて思ってなかったから、すごく嬉しい」
それに、と人差し指で子電伝虫をちょんちょんとつつく。
「電伝虫がこっちの世界でも使えるってことが分かったし。通信手段がそれぞれの念波だからかな、たぶん」
「いえいえ。それより、もっとゾロと話していなくてよかったの?すぐに切ったから、少し驚いたわ」
ロビンに聞かれ、ふらっとは恥ずかしそうに笑う。
「ああそれね…これ以上話してると、すぐにでも飛んでって抱きつきたくなっちゃいそうだったから」
そんなふらっとを見て、ロビンも微笑んだ。
「ふらっとったら、可愛いわね」
「サニー号に帰ればすぐ会えるって分かってるんだけどね。サンジくん早く戻ってこないかな」
「あら、噂をすれば」
ロビンの示す方を見ると、サンジが大量の食材を持ち、手を振りながらこっちへ歩いてくるところだった。
ふらっとは待ってましたとばかりに、そちらへ駆け寄る。
「サンジくん、おかえり!」
「レディ達、おまたせ〜!おれに会えなくて寂しかった?」
「いや、ゾロに会えなくて寂しかった」
ふらっとが即答し、サンジはがっくりと肩を落とした。
「少し離れただけなのにこんなにも想ってくれる彼女がいるなんて羨ましいぜ…マリモのくせに…」
そんなサンジをその場に残したまま、ふらっとは荷物を持って出口へと駆け出した。
「ほら、はやく船に戻ろう!ゾロが…みんなが待ってるよ!」