6章 呪いにかけられても
名前・一人称の設定
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「…ほんとに、どこいったんだろ…」
ふらっとは、アクアリウムバーの奥の通路のさらに奥のお気に入りの場所、下側のバルコニーに居た。
手すりにもたれ、海を眺める。
「もし…もしこのまま帰って来なかったらっ…」
そこへ、後ろから近づく足音が聞こえた。
「ふらっとちゃん、大丈夫?」
サンジだった。湯気のたつマグカップを手に、こちらへ歩いてくる。
「はい、どうぞ。外は冷えるから」
ありがとう、とお礼を言って、差し出されたカップを受け取る。
中身は、ココアだった。
ふらっとは一口啜って、ほうっとため息をつく。
「気にしてる?」
「ん?」
「マリモがいなくなったこと」
「うん…」
「ふらっとちゃんのせいじゃないよ」
「いや、私のせいだよ…」
そういうと、カップの中へ視線を落とす。
「だって、私が街にさえ行かなければ、ゾロはいなくなることなかったかもしれない。いなくなっても、追いかけて連れ戻せたかもしれないし、そうでなくても、どこに行ったか帰ってきたみんなに伝えられればっ…!」
「責任、感じてんのか」
ふらっとは無言でコクリと頷く。
「でも、落ち込んでる理由はそれだけじゃないだろ?」
「…え?」
ふらっとは涙で潤んだ目をぱちくりさせる。
「好きなんだろ?マリモのこと…」
「な、なんで知って…」
ふらっとは誤魔化すようにココアを飲む。
「バレバレだよ。マリモが鍛錬してる姿とか昼寝してる時とかいつも見つめているだろ?」
「…そ、そんなに分かり易かった?」
「あァ。おそらくフランキーやブルックも気付いてる」
「…そんなに気づかれていたとは…」
ふらっとは顔を赤くして俯いた。
俯きながら、右手で髪飾りへと触れる。
「…この髪飾りね、お姉ちゃん達が買ってくれたの。髪の毛も結んでくれてね。…一番に、ゾロに見せたかった、のにっ…」
ふらっとの目から、堪えきれなかった涙が溢れた。
「ゾロ、どっか行っちゃったっ…!帰ってこなかったら、どうしようっ…!」
「大丈夫だ」
サンジは優しく言う。
「マリモのことだ、絶対帰ってくるさ…ま、帰ってきたらおれがただじゃおかねェけどな」
「…?」
「ふらっとちゃんを泣かしやがって、あんのクソマリモッッ!!」
サンジが怒るのを見て、ふらっとはクスリと笑った。
「…笑えたんなら、もう大丈夫だ。あいつが帰ってきたら、真っ先にそのまま会いに行きなよ。きっと可愛いって言ってくれるぜ?」
「…え?」
「言って欲しかったんだろ?あいつに」
サンジは気付いていたのだ。
ふらっとは、一番最初にゾロに“可愛い”と言って欲しいのだと言うことに。
だから、船に帰ってきたとき、真っ先に髪型が変わったことに気付いたが何も言わなかった。
「頑張れよ」
「応援、してくれるの?」
「あァ、ふらっとちゃんが幸せになるためなら全力で応援するぜ!…相手がマリモなのが悔しいけどね」
サンジが本当に悔しそうに言うのが何だかおかしくて、ふらっとは更に笑みを零した。
────その時だった。
船の外から足音が聞こえてきたのは。
ふらっとは、アクアリウムバーの奥の通路のさらに奥のお気に入りの場所、下側のバルコニーに居た。
手すりにもたれ、海を眺める。
「もし…もしこのまま帰って来なかったらっ…」
そこへ、後ろから近づく足音が聞こえた。
「ふらっとちゃん、大丈夫?」
サンジだった。湯気のたつマグカップを手に、こちらへ歩いてくる。
「はい、どうぞ。外は冷えるから」
ありがとう、とお礼を言って、差し出されたカップを受け取る。
中身は、ココアだった。
ふらっとは一口啜って、ほうっとため息をつく。
「気にしてる?」
「ん?」
「マリモがいなくなったこと」
「うん…」
「ふらっとちゃんのせいじゃないよ」
「いや、私のせいだよ…」
そういうと、カップの中へ視線を落とす。
「だって、私が街にさえ行かなければ、ゾロはいなくなることなかったかもしれない。いなくなっても、追いかけて連れ戻せたかもしれないし、そうでなくても、どこに行ったか帰ってきたみんなに伝えられればっ…!」
「責任、感じてんのか」
ふらっとは無言でコクリと頷く。
「でも、落ち込んでる理由はそれだけじゃないだろ?」
「…え?」
ふらっとは涙で潤んだ目をぱちくりさせる。
「好きなんだろ?マリモのこと…」
「な、なんで知って…」
ふらっとは誤魔化すようにココアを飲む。
「バレバレだよ。マリモが鍛錬してる姿とか昼寝してる時とかいつも見つめているだろ?」
「…そ、そんなに分かり易かった?」
「あァ。おそらくフランキーやブルックも気付いてる」
「…そんなに気づかれていたとは…」
ふらっとは顔を赤くして俯いた。
俯きながら、右手で髪飾りへと触れる。
「…この髪飾りね、お姉ちゃん達が買ってくれたの。髪の毛も結んでくれてね。…一番に、ゾロに見せたかった、のにっ…」
ふらっとの目から、堪えきれなかった涙が溢れた。
「ゾロ、どっか行っちゃったっ…!帰ってこなかったら、どうしようっ…!」
「大丈夫だ」
サンジは優しく言う。
「マリモのことだ、絶対帰ってくるさ…ま、帰ってきたらおれがただじゃおかねェけどな」
「…?」
「ふらっとちゃんを泣かしやがって、あんのクソマリモッッ!!」
サンジが怒るのを見て、ふらっとはクスリと笑った。
「…笑えたんなら、もう大丈夫だ。あいつが帰ってきたら、真っ先にそのまま会いに行きなよ。きっと可愛いって言ってくれるぜ?」
「…え?」
「言って欲しかったんだろ?あいつに」
サンジは気付いていたのだ。
ふらっとは、一番最初にゾロに“可愛い”と言って欲しいのだと言うことに。
だから、船に帰ってきたとき、真っ先に髪型が変わったことに気付いたが何も言わなかった。
「頑張れよ」
「応援、してくれるの?」
「あァ、ふらっとちゃんが幸せになるためなら全力で応援するぜ!…相手がマリモなのが悔しいけどね」
サンジが本当に悔しそうに言うのが何だかおかしくて、ふらっとは更に笑みを零した。
────その時だった。
船の外から足音が聞こえてきたのは。