6章 呪いにかけられても
名前・一人称の設定
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さらに数日後、島に停泊したサニー号の上。
殆どのクルーが島へと出ていたが、船に残る人影が。
ふらっとは、島のガイドブックを握りしめながら、フォアマストの下のベンチに座っていた。
(一体なぜこんなことに…!)
ふらっとは今、この船でゾロと2人きりだった。
ことが起こったのは少し前。
島に着いた麦わらの一味は上陸準備を整えていた。
「じゃあ船番は、ゾロとふらっとよろしくね〜」
ナミが告げる。
「うんっ!…って、え?」
ふらっとは慌てて抗議しようとした。
この前あんなことがあったのに、またゾロと2人きりだなんて…。
まだ気持ちの整理も付いていないというのに。
「ナミちゃん、私も上陸したい!」
「帰ってきたら変わってあげるわよ、それでゾロでも誘って一緒に行けばいいじゃない」
「えぇっ…無理無理!」
「うまくやりなさいよ」
「そんなぁ…」
…必死に抗議するも、ナミ達はさっさと街へ降りていってしまった。
───こうして、2人きりの状況が出来上がったわけだ。
ゾロは展望室にでもいるのだろうか。
ふらっとが今いる場所からは、姿が見えない。
目が届くところにいたら平常心を保っていられる自信がない。
これ幸いと、メモリア島から持ってきたこの島のガイドブックを眺めていた。
この島──ゲンマ島は、宝玉で有名な島だった。
数々の色鮮やかな宝玉が採取できる。
ガイドブックには、島の伝統工芸品として宝玉を加工した髪飾りなどの装飾品が紹介されていた。
ふらっとはそれらに心惹かれ、見つめているうちにゾロのことなど忘れていった。
…だから、急に声をかけられた時にもすぐに反応できなかった。
「…おい」
「ふんふふ〜ん」
ふらっとはいつのまにか地べたに寝そべり、頬杖をついて鼻歌を歌いながらガイドブックを眺めていた。
「おい、ふらっと!」
「うん…?っきゃっ…!」
名前を呼ばれて顔を上げると、目線を合わせるようにしゃがみ込んだゾロの顔が目の前に。ふらっとは慌てて起き上がった。
赤くなったであろう顔をガイドブックで隠し、目だけ出してゾロを見る。
「な、なに…?」
「そんなに島に行きてェのか」
笑顔でガイドブックを眺めていたのを見ていたのだろうか。
船に取り残されてしゅんとしていたのを、出かけたくてがっかりしていると思ったのかもしれない。
ふらっとは、無言でこくんと頷くのが精一杯だった。
それを見て、ゾロはさらに言葉を続ける。
「そんなに行きたいなら、出かけてくるか?」
殆どのクルーが島へと出ていたが、船に残る人影が。
ふらっとは、島のガイドブックを握りしめながら、フォアマストの下のベンチに座っていた。
(一体なぜこんなことに…!)
ふらっとは今、この船でゾロと2人きりだった。
ことが起こったのは少し前。
島に着いた麦わらの一味は上陸準備を整えていた。
「じゃあ船番は、ゾロとふらっとよろしくね〜」
ナミが告げる。
「うんっ!…って、え?」
ふらっとは慌てて抗議しようとした。
この前あんなことがあったのに、またゾロと2人きりだなんて…。
まだ気持ちの整理も付いていないというのに。
「ナミちゃん、私も上陸したい!」
「帰ってきたら変わってあげるわよ、それでゾロでも誘って一緒に行けばいいじゃない」
「えぇっ…無理無理!」
「うまくやりなさいよ」
「そんなぁ…」
…必死に抗議するも、ナミ達はさっさと街へ降りていってしまった。
───こうして、2人きりの状況が出来上がったわけだ。
ゾロは展望室にでもいるのだろうか。
ふらっとが今いる場所からは、姿が見えない。
目が届くところにいたら平常心を保っていられる自信がない。
これ幸いと、メモリア島から持ってきたこの島のガイドブックを眺めていた。
この島──ゲンマ島は、宝玉で有名な島だった。
数々の色鮮やかな宝玉が採取できる。
ガイドブックには、島の伝統工芸品として宝玉を加工した髪飾りなどの装飾品が紹介されていた。
ふらっとはそれらに心惹かれ、見つめているうちにゾロのことなど忘れていった。
…だから、急に声をかけられた時にもすぐに反応できなかった。
「…おい」
「ふんふふ〜ん」
ふらっとはいつのまにか地べたに寝そべり、頬杖をついて鼻歌を歌いながらガイドブックを眺めていた。
「おい、ふらっと!」
「うん…?っきゃっ…!」
名前を呼ばれて顔を上げると、目線を合わせるようにしゃがみ込んだゾロの顔が目の前に。ふらっとは慌てて起き上がった。
赤くなったであろう顔をガイドブックで隠し、目だけ出してゾロを見る。
「な、なに…?」
「そんなに島に行きてェのか」
笑顔でガイドブックを眺めていたのを見ていたのだろうか。
船に取り残されてしゅんとしていたのを、出かけたくてがっかりしていると思ったのかもしれない。
ふらっとは、無言でこくんと頷くのが精一杯だった。
それを見て、ゾロはさらに言葉を続ける。
「そんなに行きたいなら、出かけてくるか?」