ふらっとに声をかけられたクルー達は、急いで船へと走り出す。

みんなさっさとサニー号へと乗り込んでいった。

ふらっととルフィ以外の全員が乗り込んだところで錨を上げ、出航する。


「待てー！」

「逃すか！！」


それを追いかける海軍達。


「追わせるかっ…！《アイスソード》」


ふらっとが呪文を唱える。
今度は氷の力を刀に込めた。


「《アイス・ウォール》！！」

「ぎゃああぁァァ！！」


後を追う海軍の行手を阻むように、氷の壁が出現した。
海兵達は走り出した勢いを止められず、次々それに激突する。


「ふらっと、ナイス！…お前も早く！」

「ああ！」


ウソップの呼びかけに返事をして、ルフィを抱えたままサニー号へと空から飛び込んだ。


「ルフィ！」

「無事でよかった！」


2人は船に降り立った途端にクルー達に囲まれる。


「いやー、悪ィ悪ィ！」


にししっと、笑顔で謝るルフィ。


「あんた絶対状況わかってないでしょ！」

「そりゃそうだよね…美味しいもんたらふく食べて、寝て、起きたら捕まってて助けだされたところだっていう…」


いつの間にかいつも通りに戻ったふらっとが苦笑しながら言う。


「そうなんだよ！いい匂いがするから言ってみたら…」

「どうしてそこでちょっとは疑わないの！」


ナミの拳がルフィの頭に落ちる。


「今度からは拾い食い禁止ね！」

「いやそれはそもそもダメだろ」

「あはは…」


ウソップのツッコミに、クルー達は苦笑いを浮かべる。

そんな中、ふらっとの左足を見てチョッパーが驚きの声を上げた。


「ふらっと、それ…！怪我してるじゃねェかっ！」

「あ、これ？…忘れてた」

「一体どうしたんだよ！」

「あー、斬られた…ミホークに」

「ミホーク…“鷹の目”⁈」


ゾロがその言葉に即座に反応する。

なんでこんなところにいたんだ、とゾロが問いかけようとした時。


───────ズドーーン


陸から砲弾が飛んできた。