4章 戻ってきて!
名前・一人称の設定
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「まずは、私がこの島…メモリア島に着いた時のことだけど」
みんなは焚き火の周りに座り、ふらっとの話を黙って聞いていた。
「島に着いても、しばらく泣いていたんだけど、これじゃいけないって思い始めて。みんなに謝らなきゃ、はやく戻らなきゃ、って思ったんだけど…サニー号の居場所なんて分からないし。みんながここに来ることを信じて、この島で待つしかなかった」
ふらっとはその時のことを思い出して、身震いする。
「ほんとにみんなに申し訳ないと思った。なんて馬鹿なことしちゃったんだろ、って…独りで、すっごく不安だった。その不安を打ち消すために、とにかく歩き回ったら、お城にたどり着いた」
「それがあのお城ね?」
ナミの問いかけに、ふらっとは頷く。
「うん、事情を話したらお城に入れてもらえて。なんやかんやでボス…ジェロに会って。その時かな、みんなのことを忘れたの」
「じゃあ記憶を失ったのはマリモのせいじゃなかったってことか…」
サンジの言葉に、ふらっとはきょとんとしながら言う。
「なんでゾロのせい?違うよ、ジェロに記憶を書き換えられたの」
「書き換えられた?消されたんじゃなくて?」
「うん。私は昔からこの島に住んでるんだ、っていう風に。このお城にいるみんな、いやもしかしたら街に暮らしてる人たちもそうされてるかもしれない…」
「ヨホ…街があるのですか?」
「そう。この森とはお城を挟んで反対側に」
そういうと、お城の方を見る。
「ジェロは、この島を不当に占拠している…そしておそらく、島民たちを売ってる」
「売る、って…人身売買?」
そう、とふらっとはうなずく。
「あと、この島に来た海賊たちも売ってた…みんなと同じように、海賊たちは一度城に通される。その後でこうやって野宿させて。城に住んでる女たちは、その中の“いい男”を再び城に連れて行く。そいつらは売られる。連れてかれなかった人たちは、記憶を書き換えられて、再び海に返される」
「そんな酷いこと…」
「うん…男を一人でも多く連れて行くと、ジェロが喜ぶの。暗黙の了解だったんだけど、みんなは褒めてもらいたくて、たくさん連れてってたみたい…私は全く興味なかったけどね」
そう言って、小さな声で呟く。
「もっと大切にしたい人がいたから…」
その言葉をナミが耳ざとく拾う。
「大切にしたい人、って?」
「うっ…えーっとね、私はみんなの記憶はなくても、心の奥でずっと抱えてる想いがあった…会いたい、帰りたい、って。それはみんなのことだったんだね」
だから、と言いふらっとは立ち上がる。
「もうみんなに会えたからこのまま島を出て構わないんだけど…わずか2週間だけど、この島にいたんだもの、情も移る」
みんなの顔を見渡して、言う。
「私はこの島の現状を知って、ほっとくわけにはいかない…!だから、」
「ジェロをぶっ飛ばせばいいんだろ?」
にしし、とルフィが言った。
ふらっとは驚いて目を丸くする。
「なんで分かったの…?」
「お前ならそう言うと思ったぞ!」
そっか、とふらっとは笑った。
「ばれてたか…あのね、一度だけ街の方に行ったことがあるの。素敵な街なのに、暗くて、活気がなくて、なんだか陰気臭かった。私は、そんな街の人たちを笑顔にしたい…!」
まかせとけ、とみんなが笑う。
「ふらっとは優しいからなー、そう言うと思ってたぞ!」
チョッパーがカンフーポイントになって言う。
「可愛い妹のためなら、なんでもやるわよ!」
ナミがクリマタクトを構え、言う。
「アーウ!せっかくならとっておきのメカを出してやるぜ!」
フランキーもいつもの決めポーズで、言った。
「みんな…ありがとう!!!」
「じゃあ早速…作戦を立てないとね?」
ロビンが妖しく微笑みながら言った。
「作戦?そんなものいらねェ!とにかくぶっ飛ばせばいいだけだろ!」
「おいルフィ…あの城の広さを忘れたのか?当てずっぽうに行ったら確実に迷うぞ?」
「大丈夫だよ、ウソップ」
心配ご無用、とふらっとは笑う。
「明日また、みんなはお城へ招かれる…今度は記憶を書き換えるために。そのときにぶっ飛ばしちゃえばいいよ!」
「ヨホ、ふらっとさんはだいぶ楽観的ですね」
「だってみんながいるんだもん…!無敵だよ!」
そう言うとふらっとは満面の笑みを浮かべる。
「明日のことは全部私に任せて!みんなは案内された通りに動けばいいよ」
「じゃあ明日、またお城で会いましょうってことね?ゾロ、絶対迷うんじゃないわよ?」
「誰が迷うかっ!」
「あら〜?昨日迷ってたのは誰だった?」
「なっ…」
まあまあ、とふらっとがナミを諭す。
「そのおかげで思い出せたっていうのもあるんだから…あっ」
思わず口を滑らせ、ナミに好奇の目で見られる。
「誰のおかげで思い出せたって?」
「…と、とにかく、明日また!お城でね!」
ふらっとは顔を赤くすると、お城へと走り去っていった。
みんなは焚き火の周りに座り、ふらっとの話を黙って聞いていた。
「島に着いても、しばらく泣いていたんだけど、これじゃいけないって思い始めて。みんなに謝らなきゃ、はやく戻らなきゃ、って思ったんだけど…サニー号の居場所なんて分からないし。みんながここに来ることを信じて、この島で待つしかなかった」
ふらっとはその時のことを思い出して、身震いする。
「ほんとにみんなに申し訳ないと思った。なんて馬鹿なことしちゃったんだろ、って…独りで、すっごく不安だった。その不安を打ち消すために、とにかく歩き回ったら、お城にたどり着いた」
「それがあのお城ね?」
ナミの問いかけに、ふらっとは頷く。
「うん、事情を話したらお城に入れてもらえて。なんやかんやでボス…ジェロに会って。その時かな、みんなのことを忘れたの」
「じゃあ記憶を失ったのはマリモのせいじゃなかったってことか…」
サンジの言葉に、ふらっとはきょとんとしながら言う。
「なんでゾロのせい?違うよ、ジェロに記憶を書き換えられたの」
「書き換えられた?消されたんじゃなくて?」
「うん。私は昔からこの島に住んでるんだ、っていう風に。このお城にいるみんな、いやもしかしたら街に暮らしてる人たちもそうされてるかもしれない…」
「ヨホ…街があるのですか?」
「そう。この森とはお城を挟んで反対側に」
そういうと、お城の方を見る。
「ジェロは、この島を不当に占拠している…そしておそらく、島民たちを売ってる」
「売る、って…人身売買?」
そう、とふらっとはうなずく。
「あと、この島に来た海賊たちも売ってた…みんなと同じように、海賊たちは一度城に通される。その後でこうやって野宿させて。城に住んでる女たちは、その中の“いい男”を再び城に連れて行く。そいつらは売られる。連れてかれなかった人たちは、記憶を書き換えられて、再び海に返される」
「そんな酷いこと…」
「うん…男を一人でも多く連れて行くと、ジェロが喜ぶの。暗黙の了解だったんだけど、みんなは褒めてもらいたくて、たくさん連れてってたみたい…私は全く興味なかったけどね」
そう言って、小さな声で呟く。
「もっと大切にしたい人がいたから…」
その言葉をナミが耳ざとく拾う。
「大切にしたい人、って?」
「うっ…えーっとね、私はみんなの記憶はなくても、心の奥でずっと抱えてる想いがあった…会いたい、帰りたい、って。それはみんなのことだったんだね」
だから、と言いふらっとは立ち上がる。
「もうみんなに会えたからこのまま島を出て構わないんだけど…わずか2週間だけど、この島にいたんだもの、情も移る」
みんなの顔を見渡して、言う。
「私はこの島の現状を知って、ほっとくわけにはいかない…!だから、」
「ジェロをぶっ飛ばせばいいんだろ?」
にしし、とルフィが言った。
ふらっとは驚いて目を丸くする。
「なんで分かったの…?」
「お前ならそう言うと思ったぞ!」
そっか、とふらっとは笑った。
「ばれてたか…あのね、一度だけ街の方に行ったことがあるの。素敵な街なのに、暗くて、活気がなくて、なんだか陰気臭かった。私は、そんな街の人たちを笑顔にしたい…!」
まかせとけ、とみんなが笑う。
「ふらっとは優しいからなー、そう言うと思ってたぞ!」
チョッパーがカンフーポイントになって言う。
「可愛い妹のためなら、なんでもやるわよ!」
ナミがクリマタクトを構え、言う。
「アーウ!せっかくならとっておきのメカを出してやるぜ!」
フランキーもいつもの決めポーズで、言った。
「みんな…ありがとう!!!」
「じゃあ早速…作戦を立てないとね?」
ロビンが妖しく微笑みながら言った。
「作戦?そんなものいらねェ!とにかくぶっ飛ばせばいいだけだろ!」
「おいルフィ…あの城の広さを忘れたのか?当てずっぽうに行ったら確実に迷うぞ?」
「大丈夫だよ、ウソップ」
心配ご無用、とふらっとは笑う。
「明日また、みんなはお城へ招かれる…今度は記憶を書き換えるために。そのときにぶっ飛ばしちゃえばいいよ!」
「ヨホ、ふらっとさんはだいぶ楽観的ですね」
「だってみんながいるんだもん…!無敵だよ!」
そう言うとふらっとは満面の笑みを浮かべる。
「明日のことは全部私に任せて!みんなは案内された通りに動けばいいよ」
「じゃあ明日、またお城で会いましょうってことね?ゾロ、絶対迷うんじゃないわよ?」
「誰が迷うかっ!」
「あら〜?昨日迷ってたのは誰だった?」
「なっ…」
まあまあ、とふらっとがナミを諭す。
「そのおかげで思い出せたっていうのもあるんだから…あっ」
思わず口を滑らせ、ナミに好奇の目で見られる。
「誰のおかげで思い出せたって?」
「…と、とにかく、明日また!お城でね!」
ふらっとは顔を赤くすると、お城へと走り去っていった。