それから、サニー号は全速力で海の上を駆け抜けた。
目指すは、一番近い島、なのだが…


「何よこの海流…！！」


数多の大きな海流に行く手を阻まれた。


波が大きな渦をつくり、沢山の海王類が蠢いている。


「これは真っ直ぐ進むのは無理そうね…」


泣く泣く遠回りするしかなかった。


そんなこんなで島についたのは、…実に2週間も後のことだった。






「…いい？この島にふらっとがいなかったら、ログが貯まる前に急いで引き返すのよ」


ナミの言葉に、クルー達は大きく頷いた。

なるべく大人数で探した方がいいということで、今回は船番は無しにして全員で上陸する。

雑木林の中に一本開かれた道があった。

他に道はないので、とりあえず全員で進もうと足を踏み入れたその時。


────ピシッ


どこからか斬撃が飛んできた。


とっさにゾロは刀を抜き、それを弾き返す。


「なんだなんだ？」

「どっから飛んできたんだ？」

みんなは臨戦態勢を取りつつあちこちを見渡す。


近くの木の上から、人影が飛び降りた。


「動くな」


そう言い放った彼女の瞳は…宝石のように輝いていた。