3章 魔女、そして…
名前・一人称の設定
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目の横が斬れた、とすぐに気がついた。
「っっ……!」
「自惚れるな」
しばらくの沈黙の後、口を開いたのは斬った張本人─────ゾロだ。
「それくらいの斬撃を避けられない奴がどうして戦える」
「っ………」
ゾロの言葉に、俯いた。
そのまま背中を向けると、船首の方へ向かう。
「みんなもそう思ってる…?私は弱いって、弱い奴はいらないって思ってる?」
あまりにも唐突な言葉に、みんなは咄嗟に否定することもできなかった。
ふらっとはそれを悲しそうに横目で見て言う。
「そりゃそうだよね…だって私がこの船に来たのなんて、ただの偶然だもの。仲間に入ったのも、たまたまこの船に落ちてきたからってだけ。海の藻屑になっててもおかしくなかったのに」
そこで振り向くと、みんなを見下ろして言った。
「必然じゃないのなら私は不要…?」
自分で言った言葉で更に悲しくなる。
堪えきれなかった涙が数滴、血と共に甲板へ落ちた。
「ちょ、ふらっと、何を言って…!」
「お前はおれが仲間にしたいって思ったから仲間になったんだ!」
「偶然でも結果としてこの船に来たんだから…」
「そんなこと言ったって!!!!!」
みんなが口々に言うのを大声で遮る。
「私がいなくても普通に過ごせるでしょ?何の問題もないでしょ?」
そう言うと、ふらっとは背中に羽を生やした。
「ちょっとふらっと何するつもり…!」
「いらないのなら自分から身を引く」
みんなの顔が驚きに変わる。
「まさかお前」
「麦わらの一味に無駄なものは要らないからっ…!」
先ほどよりも更に震える声で言う。
「でも、でももしみんながいるって思うんなら…私を迎えに来てっ…!次に着くであろう島、そのどこか一つで待ってる!次こそまた会えたら、ただの偶然じゃなくて、運命だって思えるからっ…!!」
一気にそれだけ言って涙を拭う。
唖然とするみんなの顔を一通り見渡すと
「それじゃ」
涙に濡れる目でニカッ、と笑い、夜の空へと羽ばたいていった