翌朝。
ふらっとが目を覚ましても、ナミとロビンはまだ眠っていた。


「早く目がさめちゃったよ…今何時だろ？」


時計を見ると、朝食まではまだ時間がある。


「二度寝するのもなぁ…そうだ！」


そう言うと、ふらっとはベットから降りた。
昨日ナミが洗濯してくれた、こっちに来たときに着ていた服を再び身につける。


「うん、やっぱりこれが落ち着く」


髪の毛も再び昨日と同じ髪型にし、魔緑石の髪飾りを。昨日ウソップに追加で作ってもらった物だ。


「うし！じゃあ…朝ご飯まで、海でも眺めてようかなっ」


女部屋を出て、船首へ向かおうとする。
ふと思いついて、回れ右をした。


「そういえば、水槽の奥は行ってなかった…そっちから海を見るのもいいかな」


アクアリウムバーの裏の通路へ行く。
さらにドアを開けて、バルコニーへと出た。


「あ、この景色、好きかも…」


ちょうど日の出の時だった。
船首より、さらに海が近い。
魚が泳いでるのが見えた。
遠くで鳥が飛んでいる。
ふらっとは柵に肘をつき、海風に髪をなびかせた。


「この世界に来て…色々不安なこともあるけど。明日がどうなるかわからないけど。でも、今まで経験したことのないものが始まるんだよね…楽しみだよ…」


そっと目を閉じ、歌を口ずさみ始める。
これから起こることへの。わくわくする気持ちを込めて。

歌い終わって大きく息をついたとき、上の方から声が聞こえた。