…といっても、今は真っ昼間。
昼ごはんを食べ終わったばかりだ。
夜、宴をするまではまだ時間がある。
ルフィやチョッパーはふらっとともっと話がしたかったようだが、ナミとロビンが女部屋へ連れて行くと言いだした。


「なんでだよ！おれ達もあいつと遊びてェよ！」

「何言ってるの。急に色々なことがあってあの子も疲れてると思うし…ちょっと休ませてあげないと」

「それに、暮らすとなったら女部屋だから、案内してあげないといけないわ」


二人にそう言われ、ルフィ達はしぶしぶ釣りを始めた。宴でのご馳走にするためだ。

ナミが女部屋の位置を案内しようとすると、ふらっとは分かるからと言いキッチンから飛び出して行った。階段を駆け下り、芝生の甲板を横切る。そのまま向かいの階段を上り、二階のドアを開けた。


「ビンゴ！」
そこはちゃんと女部屋だった。
…張り切ったのに違う部屋だったりしたら恥ずかしいもんね。
そう呟きながら、部屋の中へと足を踏み入れた。


「わぁっ、広い！すごい！」


目をキラキラさせながら部屋の中を動き回る。

広いベッドにぼふっと飛び込む。
クローゼットを開けて、服の量に驚く。
部屋の隅の宝箱に手を伸ばしかけて…やめた。

ナミに怒られる恐怖が頭の中をよぎったのだ。


ふと、ドレッサーの鏡に自分の姿がちらついたのが見えた。
気になって近づいてみる。

鏡に映ってるもの…間違いなくふらっと本人のはずなのだが。どう考えても前の世界の姿ではない。


髪型、髪色、顔の造形。
記憶にある自分の姿とは、何もかもが違っていた。
そして、宝石のように輝く瞳。


いや、魔法とか使えるんだし、姿形変わったってなんら驚かないけど。


「前の姿より、可愛い…」


自分で言うのもなんだけど。そう思いながらぼそっと呟いた。