7章 ワクワク?ドキドキ?大作戦☆
名前・一人称の設定
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少し時は遡り、みんながまだわあわあと騒いでいたちょうどその頃。
キッチンでは、後片付けが終わったところだった。
「よし、終わった!」
手に持っていた最後のお皿を食器棚にしまい、ふらっとは伸びをした。
「ふらっとちゃん、お疲れ様」
サンジはそう言いながら、湯気のたつコップをカウンターの上に置き、ふらっとに示した。
「ちょっと休憩していったらどうだい?」
「うん、そうする。ありがとう」
ふらっとは大人しく席についた。
ゆっくりとコップを口に運ぶふらっとの横にサンジも腰を下ろした。
「やっぱり、サンジくんの入れてくれるココアは美味しい…って、どうしたの?」
一口飲んで笑顔になったふらっとの表情が、じっとこちらを見つめるサンジの視線に気づいて怪訝な顔に変わった。
「いや、最近ふらっとちゃん元気ねェなって思って…」
そう言いつつも、サンジはふらっとから視線を外そうとしない。
「ああ…それね、昨日お姉ちゃん達にも話したんだけど…」
ふらっとは昨日ナミ達に話したのと同じ話をサンジにした。
最近みんなが誘ってくれて忙しいこと、こちらを見るゾロの目つきが怖いこと。
「…なるほど、マリモがねェ…」
顎に手を当て、考え込むようなそぶりを見せるサンジ。
その目線が扉の方をチラチラ見ていることに、ふらっとは気づかなかった。
「…なァ、ふらっとちゃん、もっとおれを頼ってくれていいんだよ?」
「…え?」
しばらくして口を開いたサンジが放った言葉に、ふらっとは目をぱちくりさせた。
「だから、前言っただろ?応援する、って」
「えっと、急になんの話を…」
「あいつとの恋」
「それは…だから多分もう無理で…ゾロは私のことなんて」
なんとも思っていない、そう言いかけたふらっとを遮るように、サンジはふらっとの頭に手を載せた。
「えっと…サンジくん、この手は一体…」
ふらっとは戸惑いながら、更にその上に自分の手を重ねる。
そんなふらっとに、サンジは笑いながら問いかけた。
「おれにこうされても、別にどうって事ないだろ?」
「うん、特に何とも」
「じゃあ、マリモにやられた時の事を想像してみて」
「うん…」
ふらっとは素直に目を閉じてその通りにした。
もし、こんな風にゾロの隣に座り、仲良くお喋りをしていたら。
もし、こんな風にゾロに頭に手を乗せられたら。
想像するだけで、顔に熱が集まったのが分かった。
「ふらっとちゃん、顔真っ赤。そんなにあいつの事が好きなんだな」
「うん…」
ふらっとは照れながらもそれを肯定する。
サンジが何事かを言おうとして、ふらっとの耳元にそっと口を近づけた、その時。
勢いよく、甲板へと続く扉が開いた。
姿を見せたのは、ゾロだった。
部屋の中に入ったゾロは、顔を真っ赤にしているふらっととその頭に手を置くサンジの姿を目にし、寸の間動きを止める。
しかしすぐにふらっとの腕を掴むと、入ってきたのとは逆方向にふらっとを引っ張っていった。
ゾロは無言で医療室へと続く扉を開ける。
驚きで声も出せないふらっとに向かって、サンジがウィンクをしたのだが、それはちゃんと見えていただろうか。
ドアの閉まる音を聞くと、サンジはカウンターにもたれながらタバコを一本取り出し、火をつけた。
ゆっくりと吸い込み、フーッと煙を口から出す。
同時に、小さく呟いた。
「しっかりやりやがれよ、クソマリモ…」
───────
医療室を通り抜け、更に後甲板へ続く扉から外に出たところで、ようやくゾロはふらっとの腕を離した。
今までゾロに掴まれていたところを、ふらっとはもう一方の手でそっと握りしめる。
そんなふらっとを見て、ゾロは少し申し訳なさそうに口を開いた。
「悪ィ、痛かったか?」
「い、いや、痛くはない…ちょっとびっくりしただけ」
ふらっとは平静を装って答えたが、心臓は激しく波打っていた。
「驚かせて、悪かった」
そう言うと、ゾロはサンジと同じように、ふらっとの頭に手を置いた。
「ひっ…⁈」
「あいつがこうやってるのを見てムカついてよ…」
手が載せられている頭のてっぺんが、燃えるように熱く感じる。
視線は、到底ゾロの方など見ることができず、ただ自分の足元をさまようだけ。
かろうじて謝罪の一言を絞り出すのが精一杯だった。
「…ご、ごめん」
「いや、お前は何も悪くねェよ」
ゾロの、その後に続いた言葉にふらっとは耳を疑った。
「おれが勝手にムカついただけだ…お前の事が、好きだからな」
“好き”
その2文字を聞いて、ふらっとの心臓はどくんと大きく音を立てる。
驚きで見開かれた目に、じんわりと涙が滲んだ。
「悪ィ、更に驚かせちまったか」
そう言うと、ゾロはふらっとの頭に置いた手をそっと離す。
「でも、お前はあのコックの事が好きなんだとしたら…」
頭の手が離れたおかげで少しだけ冷静になったふらっとは、ゾロの話を遮るためになんとか口を開いた。
「…もう一回、言って」
「お前が好きなのがコック…」
「違う」
「その前か?更に驚かせて悪ィと…」
「違う、それの前…!」
もし、もしさっきの言葉が聞き間違いだったら。
そんな不安が頭をよぎったふらっとは、自分の腕をぎゅっと握りしめた。
あァ、とゾロは呟き、ひと呼吸置いてから口を開いた。
「お前の事が、好きだ」
「っ、私もっ…!」
聞き間違いではなかった。
その安心と喜びが胸に広がり、ふらっとはがばっと顔を上げて叫んだ。
驚きで見開かれたゾロの目をじっと見据えながら、ふらっとの口からは次々に想いが溢れ出した。
「好きなの。大好きなの。ずっと前から。ゾロのことが、大好き。ずっとずーっと、ゾロのことを想ってた。だから、だからっ… 私とっ…」
「待て。その先は、おれが言う」
ゾロは、ふらっとの言葉を遮ると、その宝石のように潤んだ目をじっと見つめて、言った。
「おれと、付き合ってくれ」
「もちろん、喜んでっ…!」
ふらっとは、笑顔で言うと、何度も大きく頷いた。
同時に、目から大粒の涙がポロポロと溢れ出す。
「泣いてんのかよ」
「だって…嬉しくてっ…」
喜びのあまりひたすら泣きじゃくるふらっとの頭にゾロは再び手を置き、ポンポンと優しく撫でた。
そのまま、ぎゅっと優しく包み込む。
抱きしめられるような形になったふらっとは、そのままゾロに身を任せた。
しばらくして、だんだん涙もおさまってきた、その時。
プ〜〜〜〜ッッ!!
何とも間抜けな音が、船首の方から聞こえてきた。
続いて、ドカッ、ボコッ、ボキィ…と何かを殴るような音。
「何だ、今の音…」
「さぁ…」
顔を見合わせ、首を傾げた二人が音の聞こえた方へ向かってみると。
床に倒れたブルックをそのままに、慌てて逃げ出す残りのクルー達の姿があった。
「…ちょっと待てお前ェら!」
ゾロのその一言でピタリと動きを止めたみんなは、首だけを動かしてゆっくりこちらを振り向いた。
「…もしかして、今、みんな見てたの?そこからこっそり覗いてた…?」
「ええ。しっかり見てたわ。上手くいって、良かったじゃない」
「そんなぁ…」
にこやかに言うロビンに、ふらっとは顔を真っ赤にして俯いた。
そこにもう一度響く、ボキィ…という痛そうな音。
サンジがその脚をブルックに向かって振り落としていた。
「おいこらブルック!てめェが屁ェこいたせいでバレたろうが!」
「ヨホホホホ…すみません。でもこの位置からだと、ちょうどふらっとさんのパンツが…」
「やめんか!」
寝転んだままふらっとの方を見つめるブルックの頭に、今度はナミの拳が降ってきて、三つめのたんこぶを作っていた。
その一連の流れを見て、まだ照れつつも苦笑いをしたふらっとは、ウソップが何やらニヤニヤしているのに気がついた。
「ウソップ、どうしたの…?」
ふらっとに問われたウソップは、自慢の鼻を更に高々と伸ばして言った。
「ふっふっふ…聞いて驚け!おれ様は、あの堅物のゾロ君が人に愛を伝えるという歴史的な瞬間を録音することに成功したのだ!」
「え…ろく、おん?」
ウソップは自慢げに手に持ったトーンダイアルを掲げた。
「そうだ!これでいつでも笑いのネタに…」
「…《アポート》」
「って、おいふらっと、何すんだ!」
ウソップが胸を張って話している間に、ふらっとは魔法を使ってそのトーンダイアルを手元に引き寄せた。
「悪ィふらっと、怒ったか…?悪かった、でも頼むから壊すのだけはやめてくれ…」
「怒ってないよ…でもこれを笑いのネタにはさせない」
そういうと、ふらっとはトーンダイアルを胸の中にぎゅっと抱きしめた。
「これ、ゾロが私のこと『好き』って言ってくれたのが入ってる、ってことでしょ?」
「あァ、そういうことだな」
「じゃあ、私がもらってく。私の宝物にする。それで良い、ウソップ?」
「まァそういうことなら、お前にやるよ。ずっと大切にしろよ?」
「うん!ありがとうウソップ!」
ふらっとは満面の笑みを浮かべた。
「よく分かんねェけど、これで、めでたしめでたしって事なんだな!それじゃあ、2人がコイビト同士になったことを祝って!」
その言葉に、クルー達は一斉にルフィの方を見る。
その視線を受けて、ルフィは一度大きく頷くと、高らかに宣言した。
「野郎ども!宴だーーー!!!」
キッチンでは、後片付けが終わったところだった。
「よし、終わった!」
手に持っていた最後のお皿を食器棚にしまい、ふらっとは伸びをした。
「ふらっとちゃん、お疲れ様」
サンジはそう言いながら、湯気のたつコップをカウンターの上に置き、ふらっとに示した。
「ちょっと休憩していったらどうだい?」
「うん、そうする。ありがとう」
ふらっとは大人しく席についた。
ゆっくりとコップを口に運ぶふらっとの横にサンジも腰を下ろした。
「やっぱり、サンジくんの入れてくれるココアは美味しい…って、どうしたの?」
一口飲んで笑顔になったふらっとの表情が、じっとこちらを見つめるサンジの視線に気づいて怪訝な顔に変わった。
「いや、最近ふらっとちゃん元気ねェなって思って…」
そう言いつつも、サンジはふらっとから視線を外そうとしない。
「ああ…それね、昨日お姉ちゃん達にも話したんだけど…」
ふらっとは昨日ナミ達に話したのと同じ話をサンジにした。
最近みんなが誘ってくれて忙しいこと、こちらを見るゾロの目つきが怖いこと。
「…なるほど、マリモがねェ…」
顎に手を当て、考え込むようなそぶりを見せるサンジ。
その目線が扉の方をチラチラ見ていることに、ふらっとは気づかなかった。
「…なァ、ふらっとちゃん、もっとおれを頼ってくれていいんだよ?」
「…え?」
しばらくして口を開いたサンジが放った言葉に、ふらっとは目をぱちくりさせた。
「だから、前言っただろ?応援する、って」
「えっと、急になんの話を…」
「あいつとの恋」
「それは…だから多分もう無理で…ゾロは私のことなんて」
なんとも思っていない、そう言いかけたふらっとを遮るように、サンジはふらっとの頭に手を載せた。
「えっと…サンジくん、この手は一体…」
ふらっとは戸惑いながら、更にその上に自分の手を重ねる。
そんなふらっとに、サンジは笑いながら問いかけた。
「おれにこうされても、別にどうって事ないだろ?」
「うん、特に何とも」
「じゃあ、マリモにやられた時の事を想像してみて」
「うん…」
ふらっとは素直に目を閉じてその通りにした。
もし、こんな風にゾロの隣に座り、仲良くお喋りをしていたら。
もし、こんな風にゾロに頭に手を乗せられたら。
想像するだけで、顔に熱が集まったのが分かった。
「ふらっとちゃん、顔真っ赤。そんなにあいつの事が好きなんだな」
「うん…」
ふらっとは照れながらもそれを肯定する。
サンジが何事かを言おうとして、ふらっとの耳元にそっと口を近づけた、その時。
勢いよく、甲板へと続く扉が開いた。
姿を見せたのは、ゾロだった。
部屋の中に入ったゾロは、顔を真っ赤にしているふらっととその頭に手を置くサンジの姿を目にし、寸の間動きを止める。
しかしすぐにふらっとの腕を掴むと、入ってきたのとは逆方向にふらっとを引っ張っていった。
ゾロは無言で医療室へと続く扉を開ける。
驚きで声も出せないふらっとに向かって、サンジがウィンクをしたのだが、それはちゃんと見えていただろうか。
ドアの閉まる音を聞くと、サンジはカウンターにもたれながらタバコを一本取り出し、火をつけた。
ゆっくりと吸い込み、フーッと煙を口から出す。
同時に、小さく呟いた。
「しっかりやりやがれよ、クソマリモ…」
───────
医療室を通り抜け、更に後甲板へ続く扉から外に出たところで、ようやくゾロはふらっとの腕を離した。
今までゾロに掴まれていたところを、ふらっとはもう一方の手でそっと握りしめる。
そんなふらっとを見て、ゾロは少し申し訳なさそうに口を開いた。
「悪ィ、痛かったか?」
「い、いや、痛くはない…ちょっとびっくりしただけ」
ふらっとは平静を装って答えたが、心臓は激しく波打っていた。
「驚かせて、悪かった」
そう言うと、ゾロはサンジと同じように、ふらっとの頭に手を置いた。
「ひっ…⁈」
「あいつがこうやってるのを見てムカついてよ…」
手が載せられている頭のてっぺんが、燃えるように熱く感じる。
視線は、到底ゾロの方など見ることができず、ただ自分の足元をさまようだけ。
かろうじて謝罪の一言を絞り出すのが精一杯だった。
「…ご、ごめん」
「いや、お前は何も悪くねェよ」
ゾロの、その後に続いた言葉にふらっとは耳を疑った。
「おれが勝手にムカついただけだ…お前の事が、好きだからな」
“好き”
その2文字を聞いて、ふらっとの心臓はどくんと大きく音を立てる。
驚きで見開かれた目に、じんわりと涙が滲んだ。
「悪ィ、更に驚かせちまったか」
そう言うと、ゾロはふらっとの頭に置いた手をそっと離す。
「でも、お前はあのコックの事が好きなんだとしたら…」
頭の手が離れたおかげで少しだけ冷静になったふらっとは、ゾロの話を遮るためになんとか口を開いた。
「…もう一回、言って」
「お前が好きなのがコック…」
「違う」
「その前か?更に驚かせて悪ィと…」
「違う、それの前…!」
もし、もしさっきの言葉が聞き間違いだったら。
そんな不安が頭をよぎったふらっとは、自分の腕をぎゅっと握りしめた。
あァ、とゾロは呟き、ひと呼吸置いてから口を開いた。
「お前の事が、好きだ」
「っ、私もっ…!」
聞き間違いではなかった。
その安心と喜びが胸に広がり、ふらっとはがばっと顔を上げて叫んだ。
驚きで見開かれたゾロの目をじっと見据えながら、ふらっとの口からは次々に想いが溢れ出した。
「好きなの。大好きなの。ずっと前から。ゾロのことが、大好き。ずっとずーっと、ゾロのことを想ってた。だから、だからっ… 私とっ…」
「待て。その先は、おれが言う」
ゾロは、ふらっとの言葉を遮ると、その宝石のように潤んだ目をじっと見つめて、言った。
「おれと、付き合ってくれ」
「もちろん、喜んでっ…!」
ふらっとは、笑顔で言うと、何度も大きく頷いた。
同時に、目から大粒の涙がポロポロと溢れ出す。
「泣いてんのかよ」
「だって…嬉しくてっ…」
喜びのあまりひたすら泣きじゃくるふらっとの頭にゾロは再び手を置き、ポンポンと優しく撫でた。
そのまま、ぎゅっと優しく包み込む。
抱きしめられるような形になったふらっとは、そのままゾロに身を任せた。
しばらくして、だんだん涙もおさまってきた、その時。
プ〜〜〜〜ッッ!!
何とも間抜けな音が、船首の方から聞こえてきた。
続いて、ドカッ、ボコッ、ボキィ…と何かを殴るような音。
「何だ、今の音…」
「さぁ…」
顔を見合わせ、首を傾げた二人が音の聞こえた方へ向かってみると。
床に倒れたブルックをそのままに、慌てて逃げ出す残りのクルー達の姿があった。
「…ちょっと待てお前ェら!」
ゾロのその一言でピタリと動きを止めたみんなは、首だけを動かしてゆっくりこちらを振り向いた。
「…もしかして、今、みんな見てたの?そこからこっそり覗いてた…?」
「ええ。しっかり見てたわ。上手くいって、良かったじゃない」
「そんなぁ…」
にこやかに言うロビンに、ふらっとは顔を真っ赤にして俯いた。
そこにもう一度響く、ボキィ…という痛そうな音。
サンジがその脚をブルックに向かって振り落としていた。
「おいこらブルック!てめェが屁ェこいたせいでバレたろうが!」
「ヨホホホホ…すみません。でもこの位置からだと、ちょうどふらっとさんのパンツが…」
「やめんか!」
寝転んだままふらっとの方を見つめるブルックの頭に、今度はナミの拳が降ってきて、三つめのたんこぶを作っていた。
その一連の流れを見て、まだ照れつつも苦笑いをしたふらっとは、ウソップが何やらニヤニヤしているのに気がついた。
「ウソップ、どうしたの…?」
ふらっとに問われたウソップは、自慢の鼻を更に高々と伸ばして言った。
「ふっふっふ…聞いて驚け!おれ様は、あの堅物のゾロ君が人に愛を伝えるという歴史的な瞬間を録音することに成功したのだ!」
「え…ろく、おん?」
ウソップは自慢げに手に持ったトーンダイアルを掲げた。
「そうだ!これでいつでも笑いのネタに…」
「…《アポート》」
「って、おいふらっと、何すんだ!」
ウソップが胸を張って話している間に、ふらっとは魔法を使ってそのトーンダイアルを手元に引き寄せた。
「悪ィふらっと、怒ったか…?悪かった、でも頼むから壊すのだけはやめてくれ…」
「怒ってないよ…でもこれを笑いのネタにはさせない」
そういうと、ふらっとはトーンダイアルを胸の中にぎゅっと抱きしめた。
「これ、ゾロが私のこと『好き』って言ってくれたのが入ってる、ってことでしょ?」
「あァ、そういうことだな」
「じゃあ、私がもらってく。私の宝物にする。それで良い、ウソップ?」
「まァそういうことなら、お前にやるよ。ずっと大切にしろよ?」
「うん!ありがとうウソップ!」
ふらっとは満面の笑みを浮かべた。
「よく分かんねェけど、これで、めでたしめでたしって事なんだな!それじゃあ、2人がコイビト同士になったことを祝って!」
その言葉に、クルー達は一斉にルフィの方を見る。
その視線を受けて、ルフィは一度大きく頷くと、高らかに宣言した。
「野郎ども!宴だーーー!!!」