7章 ワクワク?ドキドキ?大作戦☆
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次の日。
「あーーー!!!寝坊したーーー!!!」
ふらっとの叫び声がサニー号に響き渡った。
急いで窓へ駆け寄り、外を覗く。
太陽はもう頂点に近かった。
「もうこんな時間だよ…やらかした。やっぱり途中で止めておけばよかったな…」
枕元に積み上げられた本に目をやりながらぼやく。
昨夜、久しぶりに本を読んだら、面白くてどんどん読み進めてしまったのだ。
図書室から持ってきた本を全て読み終わったときには、すでに外がうっすら明るかったような気もした。
「うぅ…フランキーと兵器の開発する約束してたのにな…サンジくんの手伝いも…」
軽く嘆きながらも、いつもの服に着替え、いつものように髪を結んだ。
「ナミちゃんがいないと髪型これしかできないや…」
そんなことを呟きながら、扉を開けて甲板へ出た。
甲板には、誰もいなかった。
いや、1人だけ、ゾロが端の方で腕立て伏せをしていた。
…そういえば、最近ゾロはトレーニングルームではなく甲板にいることが多い。
なんでだろうなと思いつつ、でもゾロの前を素通りして、ふらっとはキッチンへと向かった。
「サンジくん、おはよう!」
「ふらっとちゃん、おはよう」
ダイニングには誰かしらいるだろうと思っていたのだが、ただサンジがキッチンで料理をしているだけだった。
「…あれ、みんなは?」
「フランキーとウソップは、地下。ナミさんとロビンちゃんは図書室にいて…あとの奴らは適当に遊んでるだろ」
「そっか… 私、フランキーに謝ってこなきゃ。一緒に作業する約束を…」
「あ、ああ、それは大丈夫って言ってたぜ」
サンジは出ていこうとするふらっとを慌てて引き留めた。
先程言ったことは真っ赤な嘘で、実はゾロ以外のみんなは図書室に集まり最後の作戦会議をしていたのだ。
「それより、お腹空いてないかい?なんか食べ物を…」
「…でも、すぐにお昼ご飯でしょ?食べられなくなっちゃうよ」
「さすがに、何もお腹に入れないのは良くないさ。何か出すから、ちょっと待っててくれ」
「そっか、わかった。ありがと」
ふらっとは、近くの椅子に腰を下ろした。
そして、サンジがリンゴの皮をスルスルと剥くのをじっと見つめる。
その視線に気づいたのか、サンジが顔を上げた。
「ふらっとちゃん、どうした?」
「いや、サンジくんのリンゴの皮むき、綺麗だなって思って…」
「あれ?もしかしてふらっとちゃん、おれに惚れちゃった?」
「それはない、それはない!」
ふらっとは慌てて顔の前でブンブンと両手を振った。
「純粋にすごいなって思っただけだよ!私だったらそんなに長く繋げられないから、って」
ふらっとの必死の弁解を聞いて、サンジはにこやかに笑った。
「はは、ごめんよ、ちょっとからかっただけだ…ふらっとちゃんはマリモ一直線だもんな」
「うん、まあ、ね…」
昨日のナミ達との会話を思い出し、少し落ち込むふらっと。
そんなふらっとに気付いてか気付かずか、サンジはさっさとリンゴをカットしてお皿に載せ、ふらっとの前に置いた。
「それ食べたら、昼飯の準備手伝ってくれるかい?あとちょっとだけだけど…」
「ん、わかった」
ふらっとはリンゴを食べ終わると立ち上がり、サンジの手伝いへと向かった。
────────
いつも通りの騒がしい昼食が終わった。
「ふらっとちゃん、後片付け手伝ってくれるかい?」
「はぁい」
ふらっとはサンジの手伝いをするため、キッチンに残った。
他のみんなはわらわらと芝生の甲板へと出ていった。
ルフィは釣りをしようと、あっという間に釣竿を準備する。
飯を食ったばかりなのにまた釣りをするのか、そう文句を言いながらもウソップとチョッパーもそれに加わった。
ナミとロビンはビーチチェアに寝転び、フランキーは工具を持ち出して武器の修理、ブルックは折りたたみ式の机を持ち出し楽譜を書き始めた。
ゾロは、ダイニングから降りる階段の横にもたれて、昼寝を始めた。
キッチンの2人を除く全員が、甲板に集まったことになる。
「今の見張りは、誰?」
「私が見ているから大丈夫よ」
ナミの問いかけにロビンが答える。
能力を使って見てくれているのだろうと、安心してナミはビーチチェアに背を預けた。
そのまましばし。
「…そういやァ、ふらっとってほんとに可愛いよな」
不意にウソップが口を開いた。
「あらウソップ、急にどうしたのよ?」
ナミがずいっと身を起こす。
いかにも興味津々、といった様子をしている。
「何、あの子が気になるの?」
「いや、気になるとかそういうことじゃなくて…」
「ウソップの言いたいこと分かるぞ」
右隣に座るルフィが言う。
「あいつ、ニコって笑うとすっげー可愛いんだよな!」
「かと思ったら戦うと強ェしな!」
左隣のチョッパーも口を挟んだ。
手すりの上に立ち上がり、釣竿を刀のように構えて言う。
「刀持ったらすっげェカッコよくなるんだ!おれはカッコいいふらっとも好きだぞ!」
「…カッコいいとはちょっと違うかもしれねェが」
フランキーがハンマーを打ちながら言った。
「こうやって武器の強化とか手伝ってもらってるとき、あいつの目、すっげェ輝いてんのよ。ちょっと動かしてみたら『すごい!仕組み教えて!』なんて言ってな。あいつも『男のロマン』ってのが分かってんだな」
「そのロマンっての、私たちには一生かかっても理解できない気がするわ…」
フランキーの言葉を聞き、ナミがやれやれと呆れたように首を振った。
「ヨホホ、ふらっとさんは色んな面を持った魅力的な少女ですよね。本当に楽しそうに歌を歌うんですよ」
ブルックも机から顔を上げて笑った。
「そういえば、最近あいつの歌聞いてねェな!!」
ルフィがいきなり思い出したように大声で叫んだ。
「あいつ、うちの『歌姫』なのによ!」
「いつも私と歌っていますからね」
ブルックが得意げに言った。
ルフィは唇を尖らせて不満げな顔を作る。
「ずりィぞブルック!おれ達にも聴かせろ!」
「おれと作業してる時も何か口ずさんでるなァ」
「フランキーもかよ!」
得意げに言ったフランキーに、ウソップが突っかかった。
「ルフィさん達と遊ぶときは、はしゃぎすぎて歌う余裕などないのではないですか?」
ブルックも笑いながら言い、ぎゃあぎゃあと騒ぎだす4人。
その喧騒を一歩引いて見ていたチョッパーを、ロビンが手招きする。
チョッパーがてくてくとこちらへ歩いて来るのを確認しながら、ナミがわずかに声を張り上げた。
「…ほんと、ふらっとってみんなに好かれているのね!」
「そうね。ふらっとには好きな人いるのかしら?」
ナミにそう返しながら、ロビンは横目でゾロを盗み見る。
昼寝をしていたはずのゾロの目はいつの間にか開いていた。
「ふらっとはおれたちみんなのことが好きだと思うぞ!」
チョッパーが、ロビンの横、ゾロの視界に入る位置に腰を下ろした。
ロビンは、チョッパーの方へと体を向ける。
これで、ここで話している内容は、ゾロの耳にも入ることになるだろう。
「そうじゃなくて…恋愛感情で好きな人、ということよ」
「レンアイ?」
チョッパーがわざとらしく首を傾げるのと同時に、ゾロの注意もこちらへ向いたのが分かった。
「レンアイ感情って、何だ?」
「そうね、例えば…その子と話せたら嬉しくなったり、笑顔になったり。逆に恥ずかしくなって自然と顔が熱くなったり、目を逸らしたくなったり。」
ロビンとナミの話は、目の前のチョッパーを通り過ぎゾロの元までちゃんと聞こえているようだった。
「あとは、他の人と楽しそうにしているのを見ると、何故か苛ついて、嫉妬しちゃったり…こんなところかしら?」
「そうなのかー」
若干棒読み気味に、チョッパーが呟く。
「お互いに、好き同士だったらどうするんだ?」
「そうね…付き合ってくださいって言って、相手が了解してくれたら、二人はめでたく恋人同士になれるわね」
ロビンが微笑みながら言ったその時、まだ騒いでいたルフィが唐突に、こちらに向かって叫ぶように言った。
「そういやァ、ふらっと遅ェな!来たら一緒に釣りしようと思ってたのによー!サンジの手伝い、そんなに時間かかるのか?」
「もしかして、ふらっとの好きなのはサンジだったりして?2人きりでいられるのが嬉しくて、こっちに来たくないのかもよ?」
ナミがニヤニヤ笑いながら言った途端、ゾロの方から殺気が流れてきたような気がした。
「んー、よく分かんねェけどふらっと呼んでくる!さっさと4人で釣りを始めてェからな!」
そう言ってキッチンへと歩き出したルフィを、ゾロが遮った。
「…いや、おれが行く」
おもむろに立ち上がると、キッチンへと向かう。
扉が閉まる音を聞いた途端、クルー達は地面へへなへなとへたりこんだ。
ロビンの「お疲れ様」と言う声を聞きながら。
「あーーー!!!寝坊したーーー!!!」
ふらっとの叫び声がサニー号に響き渡った。
急いで窓へ駆け寄り、外を覗く。
太陽はもう頂点に近かった。
「もうこんな時間だよ…やらかした。やっぱり途中で止めておけばよかったな…」
枕元に積み上げられた本に目をやりながらぼやく。
昨夜、久しぶりに本を読んだら、面白くてどんどん読み進めてしまったのだ。
図書室から持ってきた本を全て読み終わったときには、すでに外がうっすら明るかったような気もした。
「うぅ…フランキーと兵器の開発する約束してたのにな…サンジくんの手伝いも…」
軽く嘆きながらも、いつもの服に着替え、いつものように髪を結んだ。
「ナミちゃんがいないと髪型これしかできないや…」
そんなことを呟きながら、扉を開けて甲板へ出た。
甲板には、誰もいなかった。
いや、1人だけ、ゾロが端の方で腕立て伏せをしていた。
…そういえば、最近ゾロはトレーニングルームではなく甲板にいることが多い。
なんでだろうなと思いつつ、でもゾロの前を素通りして、ふらっとはキッチンへと向かった。
「サンジくん、おはよう!」
「ふらっとちゃん、おはよう」
ダイニングには誰かしらいるだろうと思っていたのだが、ただサンジがキッチンで料理をしているだけだった。
「…あれ、みんなは?」
「フランキーとウソップは、地下。ナミさんとロビンちゃんは図書室にいて…あとの奴らは適当に遊んでるだろ」
「そっか… 私、フランキーに謝ってこなきゃ。一緒に作業する約束を…」
「あ、ああ、それは大丈夫って言ってたぜ」
サンジは出ていこうとするふらっとを慌てて引き留めた。
先程言ったことは真っ赤な嘘で、実はゾロ以外のみんなは図書室に集まり最後の作戦会議をしていたのだ。
「それより、お腹空いてないかい?なんか食べ物を…」
「…でも、すぐにお昼ご飯でしょ?食べられなくなっちゃうよ」
「さすがに、何もお腹に入れないのは良くないさ。何か出すから、ちょっと待っててくれ」
「そっか、わかった。ありがと」
ふらっとは、近くの椅子に腰を下ろした。
そして、サンジがリンゴの皮をスルスルと剥くのをじっと見つめる。
その視線に気づいたのか、サンジが顔を上げた。
「ふらっとちゃん、どうした?」
「いや、サンジくんのリンゴの皮むき、綺麗だなって思って…」
「あれ?もしかしてふらっとちゃん、おれに惚れちゃった?」
「それはない、それはない!」
ふらっとは慌てて顔の前でブンブンと両手を振った。
「純粋にすごいなって思っただけだよ!私だったらそんなに長く繋げられないから、って」
ふらっとの必死の弁解を聞いて、サンジはにこやかに笑った。
「はは、ごめんよ、ちょっとからかっただけだ…ふらっとちゃんはマリモ一直線だもんな」
「うん、まあ、ね…」
昨日のナミ達との会話を思い出し、少し落ち込むふらっと。
そんなふらっとに気付いてか気付かずか、サンジはさっさとリンゴをカットしてお皿に載せ、ふらっとの前に置いた。
「それ食べたら、昼飯の準備手伝ってくれるかい?あとちょっとだけだけど…」
「ん、わかった」
ふらっとはリンゴを食べ終わると立ち上がり、サンジの手伝いへと向かった。
────────
いつも通りの騒がしい昼食が終わった。
「ふらっとちゃん、後片付け手伝ってくれるかい?」
「はぁい」
ふらっとはサンジの手伝いをするため、キッチンに残った。
他のみんなはわらわらと芝生の甲板へと出ていった。
ルフィは釣りをしようと、あっという間に釣竿を準備する。
飯を食ったばかりなのにまた釣りをするのか、そう文句を言いながらもウソップとチョッパーもそれに加わった。
ナミとロビンはビーチチェアに寝転び、フランキーは工具を持ち出して武器の修理、ブルックは折りたたみ式の机を持ち出し楽譜を書き始めた。
ゾロは、ダイニングから降りる階段の横にもたれて、昼寝を始めた。
キッチンの2人を除く全員が、甲板に集まったことになる。
「今の見張りは、誰?」
「私が見ているから大丈夫よ」
ナミの問いかけにロビンが答える。
能力を使って見てくれているのだろうと、安心してナミはビーチチェアに背を預けた。
そのまましばし。
「…そういやァ、ふらっとってほんとに可愛いよな」
不意にウソップが口を開いた。
「あらウソップ、急にどうしたのよ?」
ナミがずいっと身を起こす。
いかにも興味津々、といった様子をしている。
「何、あの子が気になるの?」
「いや、気になるとかそういうことじゃなくて…」
「ウソップの言いたいこと分かるぞ」
右隣に座るルフィが言う。
「あいつ、ニコって笑うとすっげー可愛いんだよな!」
「かと思ったら戦うと強ェしな!」
左隣のチョッパーも口を挟んだ。
手すりの上に立ち上がり、釣竿を刀のように構えて言う。
「刀持ったらすっげェカッコよくなるんだ!おれはカッコいいふらっとも好きだぞ!」
「…カッコいいとはちょっと違うかもしれねェが」
フランキーがハンマーを打ちながら言った。
「こうやって武器の強化とか手伝ってもらってるとき、あいつの目、すっげェ輝いてんのよ。ちょっと動かしてみたら『すごい!仕組み教えて!』なんて言ってな。あいつも『男のロマン』ってのが分かってんだな」
「そのロマンっての、私たちには一生かかっても理解できない気がするわ…」
フランキーの言葉を聞き、ナミがやれやれと呆れたように首を振った。
「ヨホホ、ふらっとさんは色んな面を持った魅力的な少女ですよね。本当に楽しそうに歌を歌うんですよ」
ブルックも机から顔を上げて笑った。
「そういえば、最近あいつの歌聞いてねェな!!」
ルフィがいきなり思い出したように大声で叫んだ。
「あいつ、うちの『歌姫』なのによ!」
「いつも私と歌っていますからね」
ブルックが得意げに言った。
ルフィは唇を尖らせて不満げな顔を作る。
「ずりィぞブルック!おれ達にも聴かせろ!」
「おれと作業してる時も何か口ずさんでるなァ」
「フランキーもかよ!」
得意げに言ったフランキーに、ウソップが突っかかった。
「ルフィさん達と遊ぶときは、はしゃぎすぎて歌う余裕などないのではないですか?」
ブルックも笑いながら言い、ぎゃあぎゃあと騒ぎだす4人。
その喧騒を一歩引いて見ていたチョッパーを、ロビンが手招きする。
チョッパーがてくてくとこちらへ歩いて来るのを確認しながら、ナミがわずかに声を張り上げた。
「…ほんと、ふらっとってみんなに好かれているのね!」
「そうね。ふらっとには好きな人いるのかしら?」
ナミにそう返しながら、ロビンは横目でゾロを盗み見る。
昼寝をしていたはずのゾロの目はいつの間にか開いていた。
「ふらっとはおれたちみんなのことが好きだと思うぞ!」
チョッパーが、ロビンの横、ゾロの視界に入る位置に腰を下ろした。
ロビンは、チョッパーの方へと体を向ける。
これで、ここで話している内容は、ゾロの耳にも入ることになるだろう。
「そうじゃなくて…恋愛感情で好きな人、ということよ」
「レンアイ?」
チョッパーがわざとらしく首を傾げるのと同時に、ゾロの注意もこちらへ向いたのが分かった。
「レンアイ感情って、何だ?」
「そうね、例えば…その子と話せたら嬉しくなったり、笑顔になったり。逆に恥ずかしくなって自然と顔が熱くなったり、目を逸らしたくなったり。」
ロビンとナミの話は、目の前のチョッパーを通り過ぎゾロの元までちゃんと聞こえているようだった。
「あとは、他の人と楽しそうにしているのを見ると、何故か苛ついて、嫉妬しちゃったり…こんなところかしら?」
「そうなのかー」
若干棒読み気味に、チョッパーが呟く。
「お互いに、好き同士だったらどうするんだ?」
「そうね…付き合ってくださいって言って、相手が了解してくれたら、二人はめでたく恋人同士になれるわね」
ロビンが微笑みながら言ったその時、まだ騒いでいたルフィが唐突に、こちらに向かって叫ぶように言った。
「そういやァ、ふらっと遅ェな!来たら一緒に釣りしようと思ってたのによー!サンジの手伝い、そんなに時間かかるのか?」
「もしかして、ふらっとの好きなのはサンジだったりして?2人きりでいられるのが嬉しくて、こっちに来たくないのかもよ?」
ナミがニヤニヤ笑いながら言った途端、ゾロの方から殺気が流れてきたような気がした。
「んー、よく分かんねェけどふらっと呼んでくる!さっさと4人で釣りを始めてェからな!」
そう言ってキッチンへと歩き出したルフィを、ゾロが遮った。
「…いや、おれが行く」
おもむろに立ち上がると、キッチンへと向かう。
扉が閉まる音を聞いた途端、クルー達は地面へへなへなとへたりこんだ。
ロビンの「お疲れ様」と言う声を聞きながら。