Eternal
名前・一人称の設定
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それから、私達は登下校の時は毎日一緒だった。
…いや、一緒にならざるを得なかった。
なぜなら、目を離すとゾロはすぐどこかへ消えてしまうからだ。
集団の真ん中の方にいても、気がついたら別の方向へ向かうゾロの背中が見える。
だから、ずっと目を離さずに学校まで連れていく必要があったのだ。
朝はゾロの家まで迎えに行き、学校まで一緒に。
帰りは教室で待ち合わせて、家の前まで連れていく。
いつの間にか、それが当たり前になった。
ゾロと一緒に歩くのは楽しかった。
ゾロが口を開くことはあまりない。
たいてい私が一方的に話していて、それに相槌を打つぐらい。でも、問いかけたら、ちゃんと答えてくれる。
私の中でのゾロの認識が「すぐ迷子になる困った子」から「なんでも話せる大切な友達」へと変わるのに、そう時間はかからなかった。
もちろん、毎日2人きりだった訳ではない。同い年のルフィやサンジやウソップ、ナミやビビと一緒になる時もあった。
ルフィ達とは、家が近いこともあって、沢山遊んだ。
放課後に校庭でボール遊びをしたり。
公園で駆け回ったり木登りをしたり。
でもやはり、一番多くの時間を共に過ごしたのは、ゾロだった。
────────
小学校も高学年になると、女子たちの間では「恋バナ」が流行りだす。
夏休みも近づいてきたある日の放課後。
いつものようにゾロ、ルフィ、サンジ、ウソップ、そしてナミとビビと一緒に公園で遊んでいた。
「よし!ふらっと捕まえた!」
「あー、捕まった!ルフィ足速い…」
その日何度目かの鬼ごっこ。
私は、開始早々に捕まってしまった。
散々駆け回りヘトヘトに疲れ、これ以上走り回る元気は残っていなかった。
「ごめん、疲れたからちょっと休憩してくるね」
そう言ってルフィの元を離れると、木陰のベンチで荷物の番ついでに涼んでいるナミ達のもとへと向かった。
「暑い…すっごく汗かいちゃった」
「おつかれ、はいどうぞ」
その言葉とともにナミから差し出された水筒を、ありがたく受け取る。
キンキンに冷えたお茶をごくごくと飲むと、汗がいくらか引いたような気がした。
「ありがとう。ナミとビビも鬼ごっこしてくる?今度は私が荷物見てるから」
隣に座りながらそう言うと、2人は揃って首を振った。
「暑くて走り回る気にならないから、いいわ」
「そっか、分かった」
私は、ランドセルから漢字ドリルを取り出した。
今のうちに宿題を終わらせようと思ったのだ。
「それよりね、今2人で話してたのよ」
ナミの反対側に座ったビビが口を開いた。
「カレシにするなら誰がいいか、って」
「…カレシ?」
ドリルに書き込みながら、首を捻る。
「「そう!」」
2人が大きく頷いた気配がした。
「やっぱりサンジくんじゃない?足が速くてかっこいいし」
サンジは学年一の俊足で、毎年運動会のリレーの選手にも選ばれている。
そして、サッカー部ではエースストライカー。
女子からの人気も高かった。
「でもサンジ、眉毛ぐるぐるだよ」
「そこがいいんじゃない!それにサンジさん、王子様みたいだから…カノジョになったら、すごく優しくしてくれると思うわ」
そういえば、去年の学芸会でサンジはまさに王子様役をやってたっけ。
マントを翻したり、お姫様の手を取ったりという王子様らしい所作が様になっていて、女子からの黄色い歓声が沢山上がってたな。
ビビの話を聞きながらそんなことを思い出した。
…いや、一緒にならざるを得なかった。
なぜなら、目を離すとゾロはすぐどこかへ消えてしまうからだ。
集団の真ん中の方にいても、気がついたら別の方向へ向かうゾロの背中が見える。
だから、ずっと目を離さずに学校まで連れていく必要があったのだ。
朝はゾロの家まで迎えに行き、学校まで一緒に。
帰りは教室で待ち合わせて、家の前まで連れていく。
いつの間にか、それが当たり前になった。
ゾロと一緒に歩くのは楽しかった。
ゾロが口を開くことはあまりない。
たいてい私が一方的に話していて、それに相槌を打つぐらい。でも、問いかけたら、ちゃんと答えてくれる。
私の中でのゾロの認識が「すぐ迷子になる困った子」から「なんでも話せる大切な友達」へと変わるのに、そう時間はかからなかった。
もちろん、毎日2人きりだった訳ではない。同い年のルフィやサンジやウソップ、ナミやビビと一緒になる時もあった。
ルフィ達とは、家が近いこともあって、沢山遊んだ。
放課後に校庭でボール遊びをしたり。
公園で駆け回ったり木登りをしたり。
でもやはり、一番多くの時間を共に過ごしたのは、ゾロだった。
────────
小学校も高学年になると、女子たちの間では「恋バナ」が流行りだす。
夏休みも近づいてきたある日の放課後。
いつものようにゾロ、ルフィ、サンジ、ウソップ、そしてナミとビビと一緒に公園で遊んでいた。
「よし!ふらっと捕まえた!」
「あー、捕まった!ルフィ足速い…」
その日何度目かの鬼ごっこ。
私は、開始早々に捕まってしまった。
散々駆け回りヘトヘトに疲れ、これ以上走り回る元気は残っていなかった。
「ごめん、疲れたからちょっと休憩してくるね」
そう言ってルフィの元を離れると、木陰のベンチで荷物の番ついでに涼んでいるナミ達のもとへと向かった。
「暑い…すっごく汗かいちゃった」
「おつかれ、はいどうぞ」
その言葉とともにナミから差し出された水筒を、ありがたく受け取る。
キンキンに冷えたお茶をごくごくと飲むと、汗がいくらか引いたような気がした。
「ありがとう。ナミとビビも鬼ごっこしてくる?今度は私が荷物見てるから」
隣に座りながらそう言うと、2人は揃って首を振った。
「暑くて走り回る気にならないから、いいわ」
「そっか、分かった」
私は、ランドセルから漢字ドリルを取り出した。
今のうちに宿題を終わらせようと思ったのだ。
「それよりね、今2人で話してたのよ」
ナミの反対側に座ったビビが口を開いた。
「カレシにするなら誰がいいか、って」
「…カレシ?」
ドリルに書き込みながら、首を捻る。
「「そう!」」
2人が大きく頷いた気配がした。
「やっぱりサンジくんじゃない?足が速くてかっこいいし」
サンジは学年一の俊足で、毎年運動会のリレーの選手にも選ばれている。
そして、サッカー部ではエースストライカー。
女子からの人気も高かった。
「でもサンジ、眉毛ぐるぐるだよ」
「そこがいいんじゃない!それにサンジさん、王子様みたいだから…カノジョになったら、すごく優しくしてくれると思うわ」
そういえば、去年の学芸会でサンジはまさに王子様役をやってたっけ。
マントを翻したり、お姫様の手を取ったりという王子様らしい所作が様になっていて、女子からの黄色い歓声が沢山上がってたな。
ビビの話を聞きながらそんなことを思い出した。