Eternal
名前・一人称の設定
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1.
ゾロ。
大切な、幼なじみ。
いつも私の隣にいた人。
それはずっと変わらないと思ってた。
一番の親友だと思ってた。
ゾロのことは、なんでも知ってると思ってた。
それが錯覚だったなんて。
思いもしなかった。
私がゾロと出会ったのは、小学校一年生の春。
入学して初めて登校する日の、通学路の途中だった。
────────
「本当に、一人で大丈夫ね?」
朝、玄関にて。
お母さんが心配そうに、靴を履いている私の顔を覗き込んだ。
「だいじょーぶ!」
靴を履き終わった私は顔を上げて、胸を張る。
背中には、まだピカピカのランドセル。
「まずは、ちゅうおうこうえんまでいけば、いいんでしょ?」
「そう、中央公園に入ってすぐの…」
「いちばんおっきい、さくらのきのした!なんかいもきいたから、だいじょーぶだって!」
一人で登校、と言っても通学班の集合場所までの、わずかな距離。
集合場所からは、地域ごとに集団で登校する決まりだった。
私たちの集合場所は、近くの公園の、桜の木の下。
家からは歩いて5分もかからない。
「班のお兄さんお姉さんたちの言うこと、ちゃんと聞くのよ?」
「うん!」
「一人で勝手にどこかへ行かないでね?」
「うん!」
「車に気をつけて…」
「もう、おかーさんしんぱいしすぎ!」
「そうね、じゃあ…気をつけて行ってらっしゃい」
「うん!いってきまーす!」
私は勢いよくドアを開け、外へと飛び出した。
くるっと振り返り、お母さんに手を振る。
少し心配そうな顔をしながらも、手を振り返してくれたのを確認して、元気よく駆け出した。
それでも、少し大きな通りに出て、一人で歩いていると、少しずつ不安になってきた。
お母さんと手を繋いで、練習として何度も歩いた道。
だけど、一人で歩くのは初めての道。
緊張しながら、ドキドキしながら歩いていると、数メートル先の家から、一人の男の子が出てきた。
深緑色のランドセルを背負ったその子は、なぜか真っ直ぐこちらへ歩いてくる。
声でもかけられるのかと思い、身構えた私だったが、その子は何も言わず通り過ぎていった。
私は思わず振り返り、声をかけた。
「あのっ…!」
なんだ、とでも言うようにその子は黙って振り返った。
「どこにいくの?」
「しゅうごうばしょ…ちゅうおうこうえん」
「こうえんは、そっちじゃないよ?」
目的地が同じだったことに安心して、私はその子に駆け寄った。
これで、一人で歩かずにすむ。
そう思った私は、微笑みながら言った。
「ね、いっしょにいこ!」
これが、私とゾロの出会いだった。
ゾロ。
大切な、幼なじみ。
いつも私の隣にいた人。
それはずっと変わらないと思ってた。
一番の親友だと思ってた。
ゾロのことは、なんでも知ってると思ってた。
それが錯覚だったなんて。
思いもしなかった。
私がゾロと出会ったのは、小学校一年生の春。
入学して初めて登校する日の、通学路の途中だった。
────────
「本当に、一人で大丈夫ね?」
朝、玄関にて。
お母さんが心配そうに、靴を履いている私の顔を覗き込んだ。
「だいじょーぶ!」
靴を履き終わった私は顔を上げて、胸を張る。
背中には、まだピカピカのランドセル。
「まずは、ちゅうおうこうえんまでいけば、いいんでしょ?」
「そう、中央公園に入ってすぐの…」
「いちばんおっきい、さくらのきのした!なんかいもきいたから、だいじょーぶだって!」
一人で登校、と言っても通学班の集合場所までの、わずかな距離。
集合場所からは、地域ごとに集団で登校する決まりだった。
私たちの集合場所は、近くの公園の、桜の木の下。
家からは歩いて5分もかからない。
「班のお兄さんお姉さんたちの言うこと、ちゃんと聞くのよ?」
「うん!」
「一人で勝手にどこかへ行かないでね?」
「うん!」
「車に気をつけて…」
「もう、おかーさんしんぱいしすぎ!」
「そうね、じゃあ…気をつけて行ってらっしゃい」
「うん!いってきまーす!」
私は勢いよくドアを開け、外へと飛び出した。
くるっと振り返り、お母さんに手を振る。
少し心配そうな顔をしながらも、手を振り返してくれたのを確認して、元気よく駆け出した。
それでも、少し大きな通りに出て、一人で歩いていると、少しずつ不安になってきた。
お母さんと手を繋いで、練習として何度も歩いた道。
だけど、一人で歩くのは初めての道。
緊張しながら、ドキドキしながら歩いていると、数メートル先の家から、一人の男の子が出てきた。
深緑色のランドセルを背負ったその子は、なぜか真っ直ぐこちらへ歩いてくる。
声でもかけられるのかと思い、身構えた私だったが、その子は何も言わず通り過ぎていった。
私は思わず振り返り、声をかけた。
「あのっ…!」
なんだ、とでも言うようにその子は黙って振り返った。
「どこにいくの?」
「しゅうごうばしょ…ちゅうおうこうえん」
「こうえんは、そっちじゃないよ?」
目的地が同じだったことに安心して、私はその子に駆け寄った。
これで、一人で歩かずにすむ。
そう思った私は、微笑みながら言った。
「ね、いっしょにいこ!」
これが、私とゾロの出会いだった。
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