お礼話
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しばらく歩くと、開けた場所に出た。
なんとかあたりの様子が感じとられるものの、手元の灯りなしではまだ心許ないほどの暗さである。
奥の方へ歩いても先へ続く道は見つからず、ナミ達はここで立ち止まる。
「何かあるとしたらここよね。あんた達、何かお宝の手がかりがないか、手当たり次第探すのよ!」
ナミがそう指示を出すが、一番後ろを歩いていたブルックとロビンに止められた。
「ナミさん、焦って探す必要はないですよ」
「ええ。その時になったら何もせずともでてくるわ。それまで待っていましょう」
そう言うと、ロビンは木の根元に腰を下ろす。
2人がそう言うなら、とナミも適当な地面に膝を抱えて座った。
他のみんなも各々リラックスした体制をとる。
フランキーに至っては、座ったままいびきをかき始めた。
しばらくそうしていると、不意にどこからか光の粒が現れた。
複数現れたそれは、数を増やしながらあたりを漂い始める。
「あら、蛍ね」
「ホタル?」
チョッパーが首を傾げる。
「おしりが光る虫よ」
「へェ…!」
チョッパーは、それに負けないほどキラキラした目で蛍を見つめる。
「不思議虫だな!」
ルフィも目を輝かせる。
ウソップは、そこらの枝や蔦などを使って何やら作り始めた。
「綺麗なもんだな。お前ェらの言ってた“宝”って、もしかしてこれか?」
ゾロの問いに、ブルックは首を横に振る。
「まだまだ、こんなものではないですよ、ヨホホ」
そんな会話をしていると、どこからか何かがこちらへ歩いてきた。
チョッパーほどの大きさの、キツネだった。
団子のようなものが山形に盛られた、木の台を持っている。
人間がいるのを見ると、驚いた様子で足を止める。
だがすぐに再び歩き出し、真っ直ぐこちらへ向かうと、団子の山をルフィ達に差し出した。
「コンコン!コーン!」
「チョッパー、こいつなんて言ってんだ?」
ルフィに尋ねられたチョッパーが通訳をする。
「『君達もお月見に来たんだね!これあげるよ!』だって」
「この団子もらっていいのか!ありがとうな!」
ルフィがそう言った瞬間、積み上げられた団子の大半がルフィの口へ消える。
キツネは目を丸くするそぶりを見せたが、すぐにどこからか新たな団子を取り出した。
「『いえいえ、気にしないで。月見団子がないお月見なんて考えられないよね!』」
ニコニコ笑顔で団子を配って回るキツネの言葉を、チョッパーが通訳する。
「お月見?」
「『そうだよ。毎年の時期になると、僕はここでお月見をするんだ!』」
「わざわざ団子まで用意して一人で月を見んのか!変わった趣味してんなー!」
「『実際に見てみたら、君もお月見の素晴らしさが分かるさ!それに、僕は一人じゃないよ。…ほら、噂をすれば』」
キツネが示した方から、大きな影がのっそのっそとやって来るのが見えた。
それはすぐに姿を現す。
巨大なタヌキだった。
「おー!チョッパー、あのデカイのお前の父ちゃんか?」
「『あれは、この島のヌシのタヌキだよ!いつも一緒にお月見を楽しんでるんだ!』…っておれはタヌキじゃねェ、トナカイだ!」
チョッパーはキツネの言葉を通訳しながら、器用にルフィにツッコむ。
「にっしっし、わりィわりィ。でも、月なんて見えねェぞ?日にち間違えたんじゃねェのか?」
「『ヌシが今日って言ったんだ、間違ってるはずがない。あと少しだけ待っていて』」
チョッパーがキツネの言葉を伝え終わった瞬間。
ふいに雲が途切れた。
なんとかあたりの様子が感じとられるものの、手元の灯りなしではまだ心許ないほどの暗さである。
奥の方へ歩いても先へ続く道は見つからず、ナミ達はここで立ち止まる。
「何かあるとしたらここよね。あんた達、何かお宝の手がかりがないか、手当たり次第探すのよ!」
ナミがそう指示を出すが、一番後ろを歩いていたブルックとロビンに止められた。
「ナミさん、焦って探す必要はないですよ」
「ええ。その時になったら何もせずともでてくるわ。それまで待っていましょう」
そう言うと、ロビンは木の根元に腰を下ろす。
2人がそう言うなら、とナミも適当な地面に膝を抱えて座った。
他のみんなも各々リラックスした体制をとる。
フランキーに至っては、座ったままいびきをかき始めた。
しばらくそうしていると、不意にどこからか光の粒が現れた。
複数現れたそれは、数を増やしながらあたりを漂い始める。
「あら、蛍ね」
「ホタル?」
チョッパーが首を傾げる。
「おしりが光る虫よ」
「へェ…!」
チョッパーは、それに負けないほどキラキラした目で蛍を見つめる。
「不思議虫だな!」
ルフィも目を輝かせる。
ウソップは、そこらの枝や蔦などを使って何やら作り始めた。
「綺麗なもんだな。お前ェらの言ってた“宝”って、もしかしてこれか?」
ゾロの問いに、ブルックは首を横に振る。
「まだまだ、こんなものではないですよ、ヨホホ」
そんな会話をしていると、どこからか何かがこちらへ歩いてきた。
チョッパーほどの大きさの、キツネだった。
団子のようなものが山形に盛られた、木の台を持っている。
人間がいるのを見ると、驚いた様子で足を止める。
だがすぐに再び歩き出し、真っ直ぐこちらへ向かうと、団子の山をルフィ達に差し出した。
「コンコン!コーン!」
「チョッパー、こいつなんて言ってんだ?」
ルフィに尋ねられたチョッパーが通訳をする。
「『君達もお月見に来たんだね!これあげるよ!』だって」
「この団子もらっていいのか!ありがとうな!」
ルフィがそう言った瞬間、積み上げられた団子の大半がルフィの口へ消える。
キツネは目を丸くするそぶりを見せたが、すぐにどこからか新たな団子を取り出した。
「『いえいえ、気にしないで。月見団子がないお月見なんて考えられないよね!』」
ニコニコ笑顔で団子を配って回るキツネの言葉を、チョッパーが通訳する。
「お月見?」
「『そうだよ。毎年の時期になると、僕はここでお月見をするんだ!』」
「わざわざ団子まで用意して一人で月を見んのか!変わった趣味してんなー!」
「『実際に見てみたら、君もお月見の素晴らしさが分かるさ!それに、僕は一人じゃないよ。…ほら、噂をすれば』」
キツネが示した方から、大きな影がのっそのっそとやって来るのが見えた。
それはすぐに姿を現す。
巨大なタヌキだった。
「おー!チョッパー、あのデカイのお前の父ちゃんか?」
「『あれは、この島のヌシのタヌキだよ!いつも一緒にお月見を楽しんでるんだ!』…っておれはタヌキじゃねェ、トナカイだ!」
チョッパーはキツネの言葉を通訳しながら、器用にルフィにツッコむ。
「にっしっし、わりィわりィ。でも、月なんて見えねェぞ?日にち間違えたんじゃねェのか?」
「『ヌシが今日って言ったんだ、間違ってるはずがない。あと少しだけ待っていて』」
チョッパーがキツネの言葉を伝え終わった瞬間。
ふいに雲が途切れた。