お礼話
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「島が見えたぞー!」
見張りのウソップの声がサニー号に響き渡ったのは、夕食後のこと。太陽はすでに沈み、厚い雲が空を覆っていた。
「よーし、さっそく上陸だ!」
まだ食べたりないとダイニングに居座っていたルフィだったが、それを聞いて嬉しそうに島に上がる準備を始める。
「ちょっと待ちなさい!まだ何があるか分からないわ。明日になって、島の全貌が見えてから上陸した方が…」
慌ててルフィを止めようとするナミを、ロビンが制した。
「あそこの島は、大丈夫よ。むしろ今すぐ上陸した方がいいと思うわ」
「そうですね、私もそう思います」
「あら、ブルックも知っているの?」
「もちろんです、ヨホホホ」
「ふふふ」
何やら意味ありげな視線を交わすロビンとブルック。
そんな2人を、チョッパーは不思議そうに見ていた。
「2人とも、あの島について何か知ってるのか?」
「ええ。とても素敵な島よ」
「ただ木が鬱蒼と生い茂っているのしか見えねェが…」
フランキーも、双眼鏡を覗き込み首を傾げる。
「百聞は一見に如かず、です。早く上陸しないと、せっかくのお宝がダメになってしまいますよ」
微笑みながらブルックが発したその言葉に、ナミが勢いよく食いついた。
「お宝?お宝があるのね?こうしちゃいられない、早く船を停めて上陸するわよ!」
「あ、ちょっと」
「ゾロ!寝てないでさっさと動く!フランキーも、いつまでも双眼鏡見てないで舵をよろしく!」
「あの、ナミさん…」
ブルックが声をかけようとするのを右から左に受け流し、クルー達にテキパキと指示を出す。
「さっさと上陸して、ちゃっちゃとお宝ゲットするわよー!」
高らかに宣言した彼女の目は、ベリーの形になっていた。
─────────
数十分後。
島に降りた麦わらの一味は、森の中へと足を踏み入れた。
ただでさえ月明かりの無い夜。
灯りは持っていたが、それは足元と、わずかに周囲の木の輪郭を照らすのみ。
鬱蒼とした森林の奥は、闇に包まれていた。
このまま歩いていくと、吸い込まれるのではないかと思わせるほどの闇だ。
「おい、大丈夫か?」
そばにいたチョッパーに、ゾロが声をかける。
先の見えない恐怖のせいか、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「だだだだ大丈夫だ!ここここれくらい、こ、怖くもなんともねェ…!!!!」
そう言い張った声はしかし、がたがたと震えていた。
「ったく…ほらよ」
ゾロはやれやれといった顔でチョッパーを抱え上げると、自分の頭の上に載せる。
「こうしときゃ怖くはねェだろ?」
「うん…!ありがとう、ゾロ!」
チョッパーがホッとしたのも束の間。
ゾロはあらぬ方へとスタスタ歩き始めた。
「ちょ、ゾロ、ストップ!!」
焦ったチョッパーは、慌ててゾロの頭をぽかぽかと叩く。
こんなところで迷子になっては、生きて帰れる保証はないだろう。
「痛ェ!なにすんだ!」
「それはこっちのセリフだ!どこに行こうとしてんだよ!」
「あァ?あいつらについていこうとしてんだろうが」
「みんなはあっちだよ!そっちじゃねェ!」
「チッ、あいつらコロコロと進む方向変えやがって…」
「ゾロの方がフラフラしてんだろがっ!」
仲良く騒ぐ1人と1匹の少し前にも、ガタガタと震えている者がいた。ウソップだ。
目の前を歩くサンジに、急がないでくれと懇願していた。
「おーいサンジくーん、そんなに速く歩かないでくれよ…おれを置いてけぼりにしないでくれ…」
「ん?ウソップ、この暗闇が怖いのか?」
サンジが振り向き、ニヤリと笑う。
「失敬な!このウソップ様に怖いものなど…」
「じゃあ先に行っても大丈夫だな」
そう言って再びスタスタと歩き出そうとするサンジに、ウソップは慌てて縋りついた。
「だ、だから置いていくなって!」
なんとか引き止めたかと思ったその時。
「きゃっ」
前方から、ナミの悲鳴が聞こえてきた。
小さな悲鳴だったが、もちろんサンジは聞き逃さなかった。
「ナ、ナミさん!大丈夫ですかっ!」
そう叫ぶとあっという間に駆けていき、結局ウソップは1人取り残されることとなった。
「ふ、船に帰ったら覚えてろよ、サンジ…」
ウソップがつぶやいた言葉は、闇に吸い込まれるように消えていった、
一方その頃、先頭集団では。
「ナミさん!怪我してないかい?」
「ちょっと木の根っこにつまずいて驚いただけよ。それより、急がないとお宝が無くなっちゃうわ!」
普段ならウソップやチョッパーとともにこの闇を怖がるはずのナミだが、「お宝」がかかっているとそうも言っていられないようだ。
一緒にいるルフィとフランキーをも引き離す勢いで、どんどん前へ進んでいった。
見張りのウソップの声がサニー号に響き渡ったのは、夕食後のこと。太陽はすでに沈み、厚い雲が空を覆っていた。
「よーし、さっそく上陸だ!」
まだ食べたりないとダイニングに居座っていたルフィだったが、それを聞いて嬉しそうに島に上がる準備を始める。
「ちょっと待ちなさい!まだ何があるか分からないわ。明日になって、島の全貌が見えてから上陸した方が…」
慌ててルフィを止めようとするナミを、ロビンが制した。
「あそこの島は、大丈夫よ。むしろ今すぐ上陸した方がいいと思うわ」
「そうですね、私もそう思います」
「あら、ブルックも知っているの?」
「もちろんです、ヨホホホ」
「ふふふ」
何やら意味ありげな視線を交わすロビンとブルック。
そんな2人を、チョッパーは不思議そうに見ていた。
「2人とも、あの島について何か知ってるのか?」
「ええ。とても素敵な島よ」
「ただ木が鬱蒼と生い茂っているのしか見えねェが…」
フランキーも、双眼鏡を覗き込み首を傾げる。
「百聞は一見に如かず、です。早く上陸しないと、せっかくのお宝がダメになってしまいますよ」
微笑みながらブルックが発したその言葉に、ナミが勢いよく食いついた。
「お宝?お宝があるのね?こうしちゃいられない、早く船を停めて上陸するわよ!」
「あ、ちょっと」
「ゾロ!寝てないでさっさと動く!フランキーも、いつまでも双眼鏡見てないで舵をよろしく!」
「あの、ナミさん…」
ブルックが声をかけようとするのを右から左に受け流し、クルー達にテキパキと指示を出す。
「さっさと上陸して、ちゃっちゃとお宝ゲットするわよー!」
高らかに宣言した彼女の目は、ベリーの形になっていた。
─────────
数十分後。
島に降りた麦わらの一味は、森の中へと足を踏み入れた。
ただでさえ月明かりの無い夜。
灯りは持っていたが、それは足元と、わずかに周囲の木の輪郭を照らすのみ。
鬱蒼とした森林の奥は、闇に包まれていた。
このまま歩いていくと、吸い込まれるのではないかと思わせるほどの闇だ。
「おい、大丈夫か?」
そばにいたチョッパーに、ゾロが声をかける。
先の見えない恐怖のせいか、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「だだだだ大丈夫だ!ここここれくらい、こ、怖くもなんともねェ…!!!!」
そう言い張った声はしかし、がたがたと震えていた。
「ったく…ほらよ」
ゾロはやれやれといった顔でチョッパーを抱え上げると、自分の頭の上に載せる。
「こうしときゃ怖くはねェだろ?」
「うん…!ありがとう、ゾロ!」
チョッパーがホッとしたのも束の間。
ゾロはあらぬ方へとスタスタ歩き始めた。
「ちょ、ゾロ、ストップ!!」
焦ったチョッパーは、慌ててゾロの頭をぽかぽかと叩く。
こんなところで迷子になっては、生きて帰れる保証はないだろう。
「痛ェ!なにすんだ!」
「それはこっちのセリフだ!どこに行こうとしてんだよ!」
「あァ?あいつらについていこうとしてんだろうが」
「みんなはあっちだよ!そっちじゃねェ!」
「チッ、あいつらコロコロと進む方向変えやがって…」
「ゾロの方がフラフラしてんだろがっ!」
仲良く騒ぐ1人と1匹の少し前にも、ガタガタと震えている者がいた。ウソップだ。
目の前を歩くサンジに、急がないでくれと懇願していた。
「おーいサンジくーん、そんなに速く歩かないでくれよ…おれを置いてけぼりにしないでくれ…」
「ん?ウソップ、この暗闇が怖いのか?」
サンジが振り向き、ニヤリと笑う。
「失敬な!このウソップ様に怖いものなど…」
「じゃあ先に行っても大丈夫だな」
そう言って再びスタスタと歩き出そうとするサンジに、ウソップは慌てて縋りついた。
「だ、だから置いていくなって!」
なんとか引き止めたかと思ったその時。
「きゃっ」
前方から、ナミの悲鳴が聞こえてきた。
小さな悲鳴だったが、もちろんサンジは聞き逃さなかった。
「ナ、ナミさん!大丈夫ですかっ!」
そう叫ぶとあっという間に駆けていき、結局ウソップは1人取り残されることとなった。
「ふ、船に帰ったら覚えてろよ、サンジ…」
ウソップがつぶやいた言葉は、闇に吸い込まれるように消えていった、
一方その頃、先頭集団では。
「ナミさん!怪我してないかい?」
「ちょっと木の根っこにつまずいて驚いただけよ。それより、急がないとお宝が無くなっちゃうわ!」
普段ならウソップやチョッパーとともにこの闇を怖がるはずのナミだが、「お宝」がかかっているとそうも言っていられないようだ。
一緒にいるルフィとフランキーをも引き離す勢いで、どんどん前へ進んでいった。
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