うさぎおおかみ
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わざとりんごに会わないように教室に出たのに…。
「まだ、いんのかよ…」
靴箱の前にはりんごとコウタ。
りんごとは同じクラスなわけで、つまり帰るためにはそこを通らなければならない。
胸がぎゅっとして、見たいわけでもない壁のポスターに目を通す。
"自衛隊に入らないか"なんて文言を何度もたどる。
でも、耳は自然とりんごの方を向いてしまう。
「なんで、使ってるの?」
なんだかりんごの言い方は切羽詰まってて。
二人はもめている雰囲気。
ちらりと横目で見ると、りんごは手をぎゅっと握りしめて、言葉を選び選び絞り出している。
「受け取るのは、仕方ないと思ったよ。相手の子の気持ちもあるし、捨てるってのもなんか嫌だし。でも、使ってほしくなかった。」
コウタを見れば、手にシューズを持ったまま。
「仕方ないだろ。欲しかったシューズなんだよ。使って悪いのかよ、手作りでもあるまいし。家に置いてたって仕方ないじゃん。」
「…分かってるよっ、でも、せめて、せめて…私の前では使ってほしくなかった!」
コウタは、はぁあっと盛大にため息をつくと、ぽんとシューズを床に投げた。
シューズに乱暴に足を突っ込んで履いてしまう。
「カ~ノン!!!」
ぎゅっと後ろから抱き着かれて心臓が飛び跳ねる。
振り返れば、すぐ近くにルイの顔があった。
「びっっくりしたぁ…」
「なになに、ぼーっとしてんじゃん。」
はっとして、靴箱の方を振り向けばりんごとコウタとバチっと目が合ってしまった。
「あ…」
コウタは何も言わずそのまま歩きだして靴箱を出て行ってしまった。
残されたりんごは、黙ってうつむいている。
ルイは、一歩下がりカノンとりんごとコウタを見比べる。
「おれ、空気読めてなかった?」
これはナイスタイミングなのか、バットタイミングなのか…
りんごに近寄るが、りんごは顔を上げようとしない。
「りんご?」
「…なに? なんでカノンが暗い顔してるの?」
りんごは、にかっと笑う。
なんでこいつは…
普段ずけずけ言いたいこというくせに、弱いところだけ隠すんだよ。
「ごめんねー、恥ずかしいところ見せちゃったかな?」
「…別に謝ることじゃないだろ。」
「重たいのかな~わたし。ん~うまくいかないね。」
「無理して笑うなよ。」
「っ…何言ってんの、カノン。もー無理してないって。じゃ、私用事あるから。じゃあね!」
りんごは手を振ると、逃げるように走り去ってしまった。
残されたカノンの肩を、ルイがぽんと叩いた。
「ルイ…」
ルイは何も言わないでくれた。
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