『六界見聞録』
【登場キャラクター】

●ユノ(文章の書き手)

●ジャンヌ(豊界の管理者、愚者)

●ユース(大英雄、六界の始祖の遺産)
各キャラクター詳細→キャラクター
***
天秤を眠らせる者(愚者について)
大英雄曰く、「対等な対話は、対等な武力の上にしか成り立たない」。それが、永らく力をもって七界の均衡を測ってきた彼の信条である。他を寄せ付けない武力と覚悟は、他人に対して、権能にも近い強制力を持っている。
しかし、豊界の管理者だけはその法則を意に介さない。あるとき、愚者は彼に語りかけた。
「その理論では、あなたは誰とも交渉する権利がなくなってしまいます」
「うん。ぼくには、判断しかできない」
「私は力を恐れません。私に向かっては、その戒めを解いてよいのですよ。さあ、この母になんでも言ってご覧なさい」
「ふふ、ぼくの方が年上なのに。だけどきみの前でなら、取るに足らない我儘を言ってもいいのかもしれないね」
愚者の交渉は、六界の始祖の遺産すら機能を休止させる。かつての「魔王」も、そうして彼女に落とされたのだという。
それが、永らく天界言語をもって七界の文化を培ってきた彼女の本領である。底なしの度胸と弁論は、他人に対して、権能にも近い強制力を持っている。

●ユノ(文章の書き手)

●ジャンヌ(豊界の管理者、愚者)

●ユース(大英雄、六界の始祖の遺産)
各キャラクター詳細→キャラクター
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天秤を眠らせる者(愚者について)
大英雄曰く、「対等な対話は、対等な武力の上にしか成り立たない」。それが、永らく力をもって七界の均衡を測ってきた彼の信条である。他を寄せ付けない武力と覚悟は、他人に対して、権能にも近い強制力を持っている。
しかし、豊界の管理者だけはその法則を意に介さない。あるとき、愚者は彼に語りかけた。
「その理論では、あなたは誰とも交渉する権利がなくなってしまいます」
「うん。ぼくには、判断しかできない」
「私は力を恐れません。私に向かっては、その戒めを解いてよいのですよ。さあ、この母になんでも言ってご覧なさい」
「ふふ、ぼくの方が年上なのに。だけどきみの前でなら、取るに足らない我儘を言ってもいいのかもしれないね」
愚者の交渉は、六界の始祖の遺産すら機能を休止させる。かつての「魔王」も、そうして彼女に落とされたのだという。
それが、永らく天界言語をもって七界の文化を培ってきた彼女の本領である。底なしの度胸と弁論は、他人に対して、権能にも近い強制力を持っている。