あらすじ
各章の構成とあらすじのまとめです。
章の並び順は時系列順です。
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●旅人の章
主人公:照島総次
主な舞台:江戸、シルクロード〜西ヨーロッパ
江戸時代後期、魔人病は治療法がなく、発症者は「魔道術師」によって退治されていた。
江戸魔導術師御三家の一角、照島家の次男・総次は、魔人病パンデミックで江戸のほとんどの魔導術師が失われた中、一人生き残る。魔導術師として未熟だった総次は、魔人病についての知見を求め、剣の腕を頼りに隣国へ密航を決意した。各地での出会いに導かれて西へ西へと旅を続け、やがて西ヨーロッパへ到達することになる。
行く先々で「鬼」「仙」「悪魔」など様々に呼ばれていた魔法使いたちは、人の社会の中でどのように生きていたのか。
「魔人退治は誰かがやらなくちゃならない仕事だ。なら、その『誰か』の選択肢は多い方がいい」__照島総世
「鬼は、いい人でなければ生きられねえんだ。だからこの仁義は…本当に俺自身のものなのかな?」__豊島令
「あのときの俺は若く……力があるのに、それを他人のために使わずにいることが耐えられなかった。だから、剣と、集落で一番かわいい着物を持って飛び出した」__奈絡
「共に生きられなくとも良い。私たちのような者が、同じ世に存在しているということを、知っておいて欲しい」__水瑤
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●殺し屋の章
主人公:アズール(アラン)
主な舞台:ベルサイユ郊外
18世紀末、西洋でも魔人病は不治の病であり、発症した患者は一刻も早く殺すことが最善の手とされていた。生まれつき魔法を使える者は魔人病への耐性が確認されており、その力への恐怖から「悪魔」と呼ばれ、迫害の対象となっている。悪魔たちは汚れ仕事や不安定な生活を余儀なくされ、魔人病患者を処理する「殺し屋」の多くもまた、悪魔で構成されていた。
王国で最も恐れられる殺し屋の一人、アズールは、魔人病パンデミックが起きた村を滅ぼした後、たった一人生き残った少年を拾う。
後に「開拓王」として南極建国の父となる少年は、殺し屋の住処で育てられる中で、魔法使いたちが置かれる過酷な社会環境を目の当たりにすることになる──。
「死は救済であってはならない。だから、これでいいんだよ」__アズール(アラン)
「あの小さな家が世界の全てだった俺たちにとって、あの人は眩しすぎた。外の世界は、俺たちのようなのが生きられる場所じゃなかったが……それでも、飛び出したことを後悔はしていない」__ノワール(マクシミリアン・ヴァイツマン)
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●三炎の章
主人公:ケルメス
主な舞台:西ヨーロッパ〜南極
19世紀初頭の西ヨーロッパでは、「悪魔」と呼ばれ迫害されてきた魔法使いたちによるレジスタンス組織が各地に誕生していた。
魔法事故を起こして手配犯となったケルメスは、育ての親である殺し屋を失い、とあるレジスタンス組織に匿われる。そこで、悪魔の一族であることが発覚し没落した元有力貴族の当主・オルテンシオと、照島総次の娘・ヒサメと出会う。3人は悪魔の人権と自治領の獲得を目指して戦いに身を投じ、南極に魔法使いの国「アンターキア王国」を建国する。
後の世で「三炎伝説」として語り継がれる、3人の英雄と3つの理想の真実が明かされる。
「僕たちは、彼らと対等になりたかったんだろう? 望んでいたのは、分断ではないはずだ」__ケルメス
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●魔導師の章
主人公:クリム
主な舞台:西ヨーロッパ
南極にマギウス人の王国が建国されてから二十余年。
はじめは全員が移民であったアンターキアも第二世代が育ち、一国家として国際社会に根付き始めていた。
一方ヨーロッパでは、南極に移住しなかったマギウス人による人権運動が続く。「議会のマギウス人枠」や「マギウス人の就業助成金」などの制度が各国に乱立し、それらを利用して利権を得る団体も現れていた。
15歳になったクリム(ケルメスとヒサメの子)は両親の故郷へ留学し、生まれて初めて魔法を使えない友人ができる。やがて、魔法使いと非魔法使いが対等にある世界を夢見るようになった。
人権を盾に既存の社会から搾取する同胞を目の当たりにしたクリムは、魔法使いが非魔法使いからの信頼を得るために、次の王になる決意を改める。「力には責任を伴うべきだ」という考えの元、後に「WWO (世界魔導師機構)」を設立する。
自ら定めた魔導法に従い、資格試験によって理性と責任の誓約を証明した魔法使いたちは、「魔導師」と呼ばれるようになる。
「魔法は誰でも使えるわけじゃない。しかも、簡単に人の命を奪うこともできてしまう、強い力だ……」__クリム
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●警鐘者の章
主人公:イオ・イルマツィオ
主な舞台:アンターキア王国
20世紀末、科学技術と魔法の発展により、魔人病は治療法が確立され、マギウス人への偏見は過去のものとなった。
魔法はWWO(世界魔導師機構、World Wiches Organization)によって厳格に法が定められ、南極国籍を持つ者と魔導師資格を有する者だけが公の場での使用を許されている。
一方、南極以外の国々でマギウス人の自助共助を担ってきた『プロメリウス財団』と、その関連組織で構成されるマギウス人系国際コンツェルン『自由魔法権同盟(魔権同)』は、WWOによる魔法管理体制に懐疑的な立場を取っていた。
やがて、魔権同は巨大化する中で「マギウス人至上主義」という過激思想を抱え込み、組織は静かに崩壊へ向かっていく。
魔権同過激派幹部の子として生まれたイオ・イルマツィオは、組織内部で進む危険な計画の中で人体実験の被験者になり、その代償として魔法を失う。
魔導師になれなかったイオはプロメリウス財団の経営に携わり、過激派の計画を阻止するため動く。「開かれた魔法」構想を掲げて魔権同全体の改革を推し進めながらも、やがて来る破滅の日を見据え、コミュニティの中に生きる人々を未来へ送り出すための布石を打ち始める。
後世に史上最大のテロ組織として歴史に刻まれる自由魔法権同盟、その最後の指導者となった青年の選択。
「魔法に、命をかけるほどの価値はないのでしょうか」「魔法は特別な力だ。今はね。」「君の方が強いからって、傷ついていい理由にはならないよ」__イオ・イルマツィオ
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●継承者の章
主人公:照島総治(ベルメリオ)
主な舞台:東京、アンターキア王国
21世紀、活動を活発化させた魔権同過激派による「南極王室襲撃事件」が発生し、アンターキアの第三王子は国外へ亡命、第二王子は過激派に拉致されたまま、5年の月日が経過した。
魔法による武力行使はマギウス人全体の信用を再び損ねることになり、プロメリウス財団は、アンターキア政府とWWOによって国際テロ組織に指定された。
魔権同過激派は「魔法を自由に使う権利」と「人類の進化」を名目に、非魔法使いの大規模なジェノサイド計画を始動させる。計画の鍵を握る、魔導学の父・オルテンシオが遺した魔杖と、それに適合する南極王家の魔力を巡り、魔法使いたちの抗争は激化してゆく。
第三王子ベルメリオは「照島総治」と名前を偽り、東京の高校に通いながら一般魔導師として活動していたが、ついに戦いに巻き込まれる。
WWOと魔権同、2つの潮流の200年続いた対立に決着がつく。
「魔法は、戦うための力なのか?」 __照島総治
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●伝承者の章
主人公:照島総治(ベルメリオ)
主な舞台:東京
WWOと自由魔法権同盟の長い戦いに決着がついてから数年後。南極の大学に進学した総次は久々に日本を訪れ、旧友と再会する。
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●後継者の章
照島総治の子供たち世代の物語。
一部のオートマ魔杖(=後に魔道具と呼ばれるようになる)が非マギウス人にも使える形で流通し始めている。魔法管理社会はデジタル化され、魔導技術は全ての人類に開かれてゆく──。
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