【長編】メランコリック・エンジェル
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それから私達は空白の時を埋めるかのように色んなお話をした。
友璃愛ちゃんが今通っている学校のこと、部活のこと、お友達のこと。もちろん私のことも沢山話した。
そして今、私がヒーローを目指して雄英高校ヒーロー科に通っていることを話すと友璃愛ちゃんは「それはテレビで見たから知ってるわ」と笑った。
「治烏ちゃんがヒーローを目指すのはとてもピッタリだと思うけど...でもどうして治烏ちゃんが『憂いを帯びた天使 』だって報道されているの?『憂いを帯びた天使 』って美癒ちゃんのことでしょう?」
「うっ....それは....マスコミの人に勘違いされちゃって.........。」
「早く訂正しなくていいの?...と言ってももう全国的なニュースになっているから手遅れよね....。」
今までも度々『憂いを帯びた天使 』と勘違いされてしまうことがあったけどなんとなくやり過ごせてきた。それがまさか、今更こんなに大事になるなんて。気付いた時には全国的なニュースになっていたのだ。
私もこのままではいけないとは思っている。でもどうしても自分から「違う」と言い出す勇気が出ないのだ。
私のことを『憂いを帯びた天使 』だと認識してしまった人は私が『憂いを帯びた天使 』じゃないとわかるととてもガッカリする。
「なんだニセモノか...」「奇跡の力が見られると思ったのに残念」
昔から何度も言われた言葉。
本人は何気なく放った一言でも、私には深く、深く突き刺さって癒えない傷となる。
それならば下手に訂正するよりも美癒のフリをしてその場をやり過ごす方がよっぽど気が楽だった。
「...治烏ちゃんの気持ちもわかるけど...ずっとこのままじゃいけないとは思っているのでしょう?」
「...うん。でも皆が求めているのは私じゃなくて美癒なんだと思うとどうしても言い出せなくて...。」
「なるほどねぇ」
友璃愛ちゃんはしばらく考え込み何か思いついたようにパンッと手を叩いた。
「それなら治烏ちゃんが『憂いを帯びた天使 』じゃないとわかってもガッカリされないくらいすごい存在だって示せばいいんじゃないかしら」
「すごい存在...?」
「ちょうどもうすぐ雄英体育祭があるでしょう?全国が注目するビッグイベント!そこで優勝して表彰台の上で堂々と「私は『憂いを帯びた天使 』じゃない!」って宣言するのよ!」
「なるほど頭良い~!....って、えぇええ?!?!」
たしかにかつて全国が熱狂したというオリンピックに代わると言われている雄英体育祭で優勝出来るのはすごい人だろう。
昔あのオールマイトさんも優勝したらしいし。でも、
「無理無理無理!爆豪くんにも轟くんにも百ちゃんにも、みんなに勝たなきゃ優勝できないんだよ?!私なんかが優勝出来るはずないよ...!」
個性把握テストの時、思っていたよりも高順位だったとはいえ私は4位だった。その後の演習でもクラスメイトの実力は目の当たりにしているので皆の強さはよく理解している。
私なんかが優勝できるとはとても思えない。優勝どころか決勝リーグに残るのすら相当大変だろう。
「治烏ちゃんにだって優勝出来る可能性は十分あるはずだわ。あんなに強力な風の個性も使えるんだし、今から死ぬ気で特訓すれば絶対大丈夫よ!」
「うぅ...そうかなぁ.....」
「それに、敵わないからって戦うのを諦めてしまう人はヒーローになんてなれないと思うけど?」
挑発的な笑みを浮かべる友璃愛ちゃんにハッとさせられる。
たしかにその通りだ。
敵わない相手にでも挑まなきゃいけないのがヒーロー。そして、絶対に勝つのがヒーローなんだ。私もヒーローを目指すと決めたからにはこんなところで逃げるわけにはいかない。
「...わかった。私、絶対優勝する...!」
「さっすが治烏ちゃん!その意気よ!」
嬉しそうにガバッと抱きついてきた友璃愛ちゃんを慌てて受け止めながら、(今日から死ぬ気で特訓だ...!)と決意を固めた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
◆オマケ
ヴ-ヴ-
そろそろお開きにしようという話になり、その前に連絡先の交換をしようと携帯を取り出したところでタイミングよく私の携帯が震えた。
表示された通知にはA組のグループチャットに透ちゃんが画像を投稿したと書かれている。
「あら?お友達?」
「うん!昨日やっとクラスの子達と連絡先交換出来たんだ〜。みんなヒーローを目指しているだけあってとっても良い人なんだよ!」
せっかくだから友璃愛ちゃんにも見えるようにグループチャットを表示する。
透ちゃんなんの画像を送ってきたんだr
「ぎゃ?!」
想像もしていなかった画像にビックリしすぎて思わず携帯を落としてしまう。
それを友璃愛ちゃんは素早くキャッチすると今まで見たことがないくらい目をキラキラと輝かせながら透ちゃんから送られてきた画像を凝視していた。
「治烏ちゃん治烏ちゃん!この方は治烏ちゃんの彼氏さん?!あ、もしかしてこの方が治烏ちゃんにヒーローを目指すキッカケをくれたっていう爆豪さんかしら?」
そう言いながらその画像...私と轟くんが肩を寄せ合って眠っている写真を私に見せてきた。これはきっとUSJに移動するバスの時のやつだ。まさか写真を撮られてたなんて...!
「そ、その人は爆豪くんじゃなくて轟くんって言うクラスで一番のお友達!彼氏さんじゃないよ...!」
「あら、彼氏さんじゃないのね...残念だわ......。いや、でもまだ入学から1ヶ月も経っていないもの、これからよね!轟さん火傷痕が少し痛々しいけれどお顔がとても整っているし治烏ちゃんのパートナーにピッタリだわ!!!」
緑谷くん並みの勢いで語り出した友璃愛ちゃん。
こんな大興奮している友璃愛ちゃん初めて見た...。
友璃愛ちゃんの勢いに圧倒されつつ轟くんとの馴れ初めを根掘り葉掘り聞かれようやく解放されたのは終電ギリギリの時間だった。
....特訓は明日から頑張ろう。
友璃愛ちゃんが今通っている学校のこと、部活のこと、お友達のこと。もちろん私のことも沢山話した。
そして今、私がヒーローを目指して雄英高校ヒーロー科に通っていることを話すと友璃愛ちゃんは「それはテレビで見たから知ってるわ」と笑った。
「治烏ちゃんがヒーローを目指すのはとてもピッタリだと思うけど...でもどうして治烏ちゃんが『
「うっ....それは....マスコミの人に勘違いされちゃって.........。」
「早く訂正しなくていいの?...と言ってももう全国的なニュースになっているから手遅れよね....。」
今までも度々『
私もこのままではいけないとは思っている。でもどうしても自分から「違う」と言い出す勇気が出ないのだ。
私のことを『
「なんだニセモノか...」「奇跡の力が見られると思ったのに残念」
昔から何度も言われた言葉。
本人は何気なく放った一言でも、私には深く、深く突き刺さって癒えない傷となる。
それならば下手に訂正するよりも美癒のフリをしてその場をやり過ごす方がよっぽど気が楽だった。
「...治烏ちゃんの気持ちもわかるけど...ずっとこのままじゃいけないとは思っているのでしょう?」
「...うん。でも皆が求めているのは私じゃなくて美癒なんだと思うとどうしても言い出せなくて...。」
「なるほどねぇ」
友璃愛ちゃんはしばらく考え込み何か思いついたようにパンッと手を叩いた。
「それなら治烏ちゃんが『
「すごい存在...?」
「ちょうどもうすぐ雄英体育祭があるでしょう?全国が注目するビッグイベント!そこで優勝して表彰台の上で堂々と「私は『
「なるほど頭良い~!....って、えぇええ?!?!」
たしかにかつて全国が熱狂したというオリンピックに代わると言われている雄英体育祭で優勝出来るのはすごい人だろう。
昔あのオールマイトさんも優勝したらしいし。でも、
「無理無理無理!爆豪くんにも轟くんにも百ちゃんにも、みんなに勝たなきゃ優勝できないんだよ?!私なんかが優勝出来るはずないよ...!」
個性把握テストの時、思っていたよりも高順位だったとはいえ私は4位だった。その後の演習でもクラスメイトの実力は目の当たりにしているので皆の強さはよく理解している。
私なんかが優勝できるとはとても思えない。優勝どころか決勝リーグに残るのすら相当大変だろう。
「治烏ちゃんにだって優勝出来る可能性は十分あるはずだわ。あんなに強力な風の個性も使えるんだし、今から死ぬ気で特訓すれば絶対大丈夫よ!」
「うぅ...そうかなぁ.....」
「それに、敵わないからって戦うのを諦めてしまう人はヒーローになんてなれないと思うけど?」
挑発的な笑みを浮かべる友璃愛ちゃんにハッとさせられる。
たしかにその通りだ。
敵わない相手にでも挑まなきゃいけないのがヒーロー。そして、絶対に勝つのがヒーローなんだ。私もヒーローを目指すと決めたからにはこんなところで逃げるわけにはいかない。
「...わかった。私、絶対優勝する...!」
「さっすが治烏ちゃん!その意気よ!」
嬉しそうにガバッと抱きついてきた友璃愛ちゃんを慌てて受け止めながら、(今日から死ぬ気で特訓だ...!)と決意を固めた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
◆オマケ
ヴ-ヴ-
そろそろお開きにしようという話になり、その前に連絡先の交換をしようと携帯を取り出したところでタイミングよく私の携帯が震えた。
表示された通知にはA組のグループチャットに透ちゃんが画像を投稿したと書かれている。
「あら?お友達?」
「うん!昨日やっとクラスの子達と連絡先交換出来たんだ〜。みんなヒーローを目指しているだけあってとっても良い人なんだよ!」
せっかくだから友璃愛ちゃんにも見えるようにグループチャットを表示する。
透ちゃんなんの画像を送ってきたんだr
「ぎゃ?!」
想像もしていなかった画像にビックリしすぎて思わず携帯を落としてしまう。
それを友璃愛ちゃんは素早くキャッチすると今まで見たことがないくらい目をキラキラと輝かせながら透ちゃんから送られてきた画像を凝視していた。
「治烏ちゃん治烏ちゃん!この方は治烏ちゃんの彼氏さん?!あ、もしかしてこの方が治烏ちゃんにヒーローを目指すキッカケをくれたっていう爆豪さんかしら?」
そう言いながらその画像...私と轟くんが肩を寄せ合って眠っている写真を私に見せてきた。これはきっとUSJに移動するバスの時のやつだ。まさか写真を撮られてたなんて...!
「そ、その人は爆豪くんじゃなくて轟くんって言うクラスで一番のお友達!彼氏さんじゃないよ...!」
「あら、彼氏さんじゃないのね...残念だわ......。いや、でもまだ入学から1ヶ月も経っていないもの、これからよね!轟さん火傷痕が少し痛々しいけれどお顔がとても整っているし治烏ちゃんのパートナーにピッタリだわ!!!」
緑谷くん並みの勢いで語り出した友璃愛ちゃん。
こんな大興奮している友璃愛ちゃん初めて見た...。
友璃愛ちゃんの勢いに圧倒されつつ轟くんとの馴れ初めを根掘り葉掘り聞かれようやく解放されたのは終電ギリギリの時間だった。
....特訓は明日から頑張ろう。