主≠監督生だったりします。
案内ラプソディ!
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イデア・シュラウドという男はこの世界に生を受けて18年間、女性という生き物とめっきり縁がなかった。
拙者の話である。
自室に引きこもり、人と関わらずインターネットの世界にずぶずぶと頭のてっぺんまで浸かっているような拙者のもとに、唐突に春は訪れた。
男子校であるNRCに女子生徒が入学したという前代未聞の事態。
異世界転生モノの主人公よろしく現れたその人物は、パラメータMAXの勇者でも賢者でもお姫様でもなくて、普通の女の子だった。
おまけに魔法が当たり前の世界に、魔法も使えないデバフ付きの異世界転生大失敗な件。
彼女、もといオンボロ寮監督生氏は魔法の使えるモフモフ、グリム氏と共に特例中の特例で1人と1匹で一人の生徒として扱われる事になった。
噂に聞く彼女は陽キャハーツラビュル寮の一年生たちと一緒に行動しているようで、初めての女子生徒という事でいつも人の輪の中心、つまりは陽の者だった。
そんな人物とNRC随一の万年引きこもり陰キャである拙者が関わることなどないだろうとばかり思っていたのだ。
少なくとも夜食を買いに自室から出た時の拙者は。
「す、すいません…」
「ヒャ、ヒャイ…ッ!?!?」
「ひっ…!?」
薄暗闇から聞こえる女性の声。
声の方に振り返れば拙者の声に驚いた女の子、もといNRCトレンド入りの監督生。
これが拙者と彼女の初邂逅であった。
聞けば購買の自販機で買い物をしに来たがオンボロ寮までの帰り道が分からなくなった所に、偶然現れた拙者に道を教えてもらうべく声を掛けた。と言うことらしい。
「そ、それは大変でござったなァ〜…ハハ…」
乾いた笑いが広い廊下に響く。
ハハ……いややっぱ無理無理無理無理無理なんだが!!??こんな女の子と二人きりとか無理ゲーでござる!!
本当ならすぐさま理由をつけて逃げたい!!でもいやいやいやいやこんな時間に出歩いている生徒なんて拙者かゴーストくらいのもんだし…。道だけ教えて帰ろう…。
…いや、道だけ教えても監督生氏、迷うだけでは?
下手したら朝まで帰れないとかあり得ますな…。それは可哀想が過ぎますぞ…?
でも二人きりはキツいっす…助けてオルト…!!
弟の名前を呼ぼうとしたがそういえば我が弟、すでにスリープモードだった希ガス。
詰みっすわァ…。
「あぁ……」
仕方なし、社会的距離を取りつつ案内することにした。
こんな時、学園長ならきっとこう言うだろう。
『私、優しいので。』と
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