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池田屋事件から約一月が経過した頃、「長州制圧のため、出動せよ」と正式に会津藩からの要請が下りった。
「御所に乗り込もうとする長州藩を追い返すためにね…千鶴、絶対に一人にならないこと。分かった?」
怜央の目はいつもより必死だった。それは池田屋のあとだからなのか、戦場だからなのか、それともまだ理由があるのかは怜央にしか分からない。伝令なら私が、と頼み込んだが千鶴が頑ななため聞き入れられなかった。
新選組屯所を出発したのち、所司代の奉行所から会津藩の藩邸、そして区上川原へと場所を移した新選組一同。そこに先にいたのは会津藩だった。しかし主戦場は蛤御門周辺らしく、新選組と彼らは予備兵扱いらしい。夕方頃に着いたのちに待機を迫られた新選組は焚き火を起こし、河辺で一夜を過ごすことになる。
「怜央、休むなら今のうちだからな」
待機組の会津藩との会話を終わらせた土方が隣に座ってそう言った。怜央の目は原田や永倉と共に火を囲む千鶴に向けられている。
「原田左之助、私がいないのをいいことに千鶴に変なことを…」
千鶴のことになると地獄耳になる怜央は原田の言った膝を貸してやる、という言葉を聴き逃しはしなかった。土方はそれを笑うと怜央の頭を自らの肩に当てた。
「あいつもああやって和ませてるんだよ。俺もお前が心配なんだ。いいから寝とけ」
怜央は土方に見られないようにムッとした表情をすると流されるままその目を閉じた。
次に怜央が意識を取り戻したのは次の日の太陽が登る前だった。一山越えた奥、蛤御門から大きな大砲の音と共に悲鳴と黒煙が立っている。
土方の出動の合図と共に新選組一同はそちらに向かって一斉に走り出した。
「待て!我らは待機を命じられているのだぞ、命令を待たずして行くなど…!」
「俺らはに長州が攻め込んできた際に援軍に行けるよう待機してんだ。自分の仕事に誇りがあるなら待機云々言わず動きやがれ!」
そして再び駆けだすと会津藩も後ろに続いていた。
「御所に乗り込もうとする長州藩を追い返すためにね…千鶴、絶対に一人にならないこと。分かった?」
怜央の目はいつもより必死だった。それは池田屋のあとだからなのか、戦場だからなのか、それともまだ理由があるのかは怜央にしか分からない。伝令なら私が、と頼み込んだが千鶴が頑ななため聞き入れられなかった。
新選組屯所を出発したのち、所司代の奉行所から会津藩の藩邸、そして区上川原へと場所を移した新選組一同。そこに先にいたのは会津藩だった。しかし主戦場は蛤御門周辺らしく、新選組と彼らは予備兵扱いらしい。夕方頃に着いたのちに待機を迫られた新選組は焚き火を起こし、河辺で一夜を過ごすことになる。
「怜央、休むなら今のうちだからな」
待機組の会津藩との会話を終わらせた土方が隣に座ってそう言った。怜央の目は原田や永倉と共に火を囲む千鶴に向けられている。
「原田左之助、私がいないのをいいことに千鶴に変なことを…」
千鶴のことになると地獄耳になる怜央は原田の言った膝を貸してやる、という言葉を聴き逃しはしなかった。土方はそれを笑うと怜央の頭を自らの肩に当てた。
「あいつもああやって和ませてるんだよ。俺もお前が心配なんだ。いいから寝とけ」
怜央は土方に見られないようにムッとした表情をすると流されるままその目を閉じた。
次に怜央が意識を取り戻したのは次の日の太陽が登る前だった。一山越えた奥、蛤御門から大きな大砲の音と共に悲鳴と黒煙が立っている。
土方の出動の合図と共に新選組一同はそちらに向かって一斉に走り出した。
「待て!我らは待機を命じられているのだぞ、命令を待たずして行くなど…!」
「俺らはに長州が攻め込んできた際に援軍に行けるよう待機してんだ。自分の仕事に誇りがあるなら待機云々言わず動きやがれ!」
そして再び駆けだすと会津藩も後ろに続いていた。