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怜央が池田屋へ着いた頃には既に戦闘は始まっていた。外観を見る限り、会津藩と合流して戦っている様子もない。この機会をみすみす逃すまいと、新選組単独で乗り込んだのだろう。
怜央は深呼吸をすると右手に短刀を持ちゆっくりと歩を進めた。鼻にツンと香る血の臭いとムワッとする身体の熱気。怜央目掛けて振り下ろされる刀を悠々と避け、右肘で喉を突くと右腕の付け根目掛けて短刀を一刺した。腕こそちぎれなかったものの、その腕が上がることはないだろう。
そして倒れている隊士の元へ駆け寄ると隊服を割いて応急処置を行った。刺されたのだろう脇腹から溢れ出てくる血は止まることを知らない。
「外に出よう、掴める?」
その隙を狙って攻撃してくる敵の腕に同じように短刀を投げるともう一度倒れた隊士に目を配った。息も絶え絶えのところを引き上げようとしたが隊士はそれを拒む。
「俺はっ…、最後までここで闘う!」
怜央の手を払うと目の前の浪士に一直線に突き進んだ。彼の腕を斬ったと共に後ろから現れた別の浪士に肩を刺される。怜央はその浪士の額に落ちていた刀を突き刺した。
ドサリと目の前で倒れる隊士の身体を持ち上げると無理やり外に引っ張り出す。
「しっかり見てましたよ、奥沢さん」
血が溢れ浅い息さえ切れ切れな奥沢にそう伝えると彼の刀をしっかりと握らせ、再び乱戦の中へ踏み入った。
一階に倒れた浪士を跨ぎ奥へ入り込むと巻き込まれたのであろう池田屋の客や従業員を外へ逃がす。中には既に息絶えた人さえおり、この現場の悲惨さが伺える。
そう自らの仕事をこなしていれば、後ろからやってきたのは新選組の隊士だった。突きの攻撃を刀で弾いて受け止める。振り向けば気まずそうな顔をした隊士が謝りながらそこにいた。確かにこの乱戦の中、隊服がなければ誰が敵で味方か分からないだろう。
「これは隊服を着ていない私が悪い。申し訳ないです」
そう頭を下げて顔を上げると目に飛び込んできたのは桃色の着物だ。失礼、と言いその後ろを追いかける。なぜ千鶴がこの乱戦に。怜央は傷つけてはならないと必死だった。
怜央は深呼吸をすると右手に短刀を持ちゆっくりと歩を進めた。鼻にツンと香る血の臭いとムワッとする身体の熱気。怜央目掛けて振り下ろされる刀を悠々と避け、右肘で喉を突くと右腕の付け根目掛けて短刀を一刺した。腕こそちぎれなかったものの、その腕が上がることはないだろう。
そして倒れている隊士の元へ駆け寄ると隊服を割いて応急処置を行った。刺されたのだろう脇腹から溢れ出てくる血は止まることを知らない。
「外に出よう、掴める?」
その隙を狙って攻撃してくる敵の腕に同じように短刀を投げるともう一度倒れた隊士に目を配った。息も絶え絶えのところを引き上げようとしたが隊士はそれを拒む。
「俺はっ…、最後までここで闘う!」
怜央の手を払うと目の前の浪士に一直線に突き進んだ。彼の腕を斬ったと共に後ろから現れた別の浪士に肩を刺される。怜央はその浪士の額に落ちていた刀を突き刺した。
ドサリと目の前で倒れる隊士の身体を持ち上げると無理やり外に引っ張り出す。
「しっかり見てましたよ、奥沢さん」
血が溢れ浅い息さえ切れ切れな奥沢にそう伝えると彼の刀をしっかりと握らせ、再び乱戦の中へ踏み入った。
一階に倒れた浪士を跨ぎ奥へ入り込むと巻き込まれたのであろう池田屋の客や従業員を外へ逃がす。中には既に息絶えた人さえおり、この現場の悲惨さが伺える。
そう自らの仕事をこなしていれば、後ろからやってきたのは新選組の隊士だった。突きの攻撃を刀で弾いて受け止める。振り向けば気まずそうな顔をした隊士が謝りながらそこにいた。確かにこの乱戦の中、隊服がなければ誰が敵で味方か分からないだろう。
「これは隊服を着ていない私が悪い。申し訳ないです」
そう頭を下げて顔を上げると目に飛び込んできたのは桃色の着物だ。失礼、と言いその後ろを追いかける。なぜ千鶴がこの乱戦に。怜央は傷つけてはならないと必死だった。