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怜央の目が覚めたのはもう陽が高く登ってからのことだった。懐かしい声と匂いが優しく身体を揺らしゆっくりと開いていた寝ぼけ眼は目の前の人物が誰かを察するとぱっちりと開眼した。
「え、なんで」
「いや、すまん…これは総司の案であって副長の部屋に来てまで寝込みをどうとか首を取ろうとかそう言うわけでは…」
なんでの意味を確実に履き違えている目の前の人物に戸惑っているとどこからか襖の後ろから出てきた沖田が子どものように笑う。
「一くん、今のなんではどういった経緯で怜央ちゃんの事を起こしているのかじゃなくてどうして御陵衛士に着いて行ったはずの一くんがここに居るのかってコト、だよね怜央ちゃん?僕もまだ詳しいことは聞かせてもらえないんだけど何かあるよりは穏便にって夕餉の時間になるまで土方さんの部屋で一くん待機だってさ」
永倉あたりにバレては大根役者だからすぐに広まってしまうと笑いながら沖田は部屋を後にした。
「珍しいな、花岡がこんな時間まで眠っているとは」
相変わらずの口調で布団の横に腰を下ろす斎藤に未だ状況を掴めない怜央はなんだと口を開いたままである。持ってきていたのであろうお茶を隣で啜る斎藤をずっとハテナが浮かんだ顔で見つめる。
「いつまでそんな顔を続けるんだ」
その言葉に脳みそがこの場に戻ってくるとだって、と言葉を並べる。
「あんなもうここに未練はないよみたいな顔してさ、わざわざ嫌味みたいな表情だけ置き土産にしてってさ…こっちもこっちで受け入れる覚悟を決めたのにさ」
何さ何さ、と優しく斎藤の肩を突いた。
「…」
「お、おい」
そっぽを向き左手だけでちょんちょんと一定の拍を刻む怜央の左耳は赤かった。そしてズビ、という鼻水を啜る音が小さく鳴る。
「泣いているのか…?」
まさか泣かれるとは思ってもみなかった斎藤は女性の涙に慣れておらず、どうしようかこうしようかと狼狽えた。懐から手拭いを差し出すと怜央は黙って受け取り大きく鼻水をかんだ。
「一発目でそれはないだろう!」
「だってちょうどいい布だったんだもん」
「だとしてもだ!久しぶりに会ってみれば図々しく成長したな」
涙を拭き取れば汚いからとそのまま怜央自身の懐に片づけると斎藤はこれを、と包に入った何かを差し出した。
「騙したようで悪かったな」
「…なんで団子なんですか」
怜央は包を開き餡子が乗った団子と目が合った。いつか斎藤と口論をした気がする、つぶ餡かこし餡か。後者を選んでいるあたり、やはり餡子に関しては相容れないようだ。
「買いすぎてしまってな、一人で食うのもなんだからアンタの分の茶も用意してきた」
スッと目の前にお盆に乗った湯呑みが出された。つぶ餡派なのにな、と団子を凝視したのち、口に運ぶ。酒明けの胃に助かる、と思いながら甘味を感じる。
「ありがとうございます」
陽はまだ高く障子の明るさから感じる外の様子も快調だ。斎藤と過ごす穏やかな午後を噛み締めた。
「え、なんで」
「いや、すまん…これは総司の案であって副長の部屋に来てまで寝込みをどうとか首を取ろうとかそう言うわけでは…」
なんでの意味を確実に履き違えている目の前の人物に戸惑っているとどこからか襖の後ろから出てきた沖田が子どものように笑う。
「一くん、今のなんではどういった経緯で怜央ちゃんの事を起こしているのかじゃなくてどうして御陵衛士に着いて行ったはずの一くんがここに居るのかってコト、だよね怜央ちゃん?僕もまだ詳しいことは聞かせてもらえないんだけど何かあるよりは穏便にって夕餉の時間になるまで土方さんの部屋で一くん待機だってさ」
永倉あたりにバレては大根役者だからすぐに広まってしまうと笑いながら沖田は部屋を後にした。
「珍しいな、花岡がこんな時間まで眠っているとは」
相変わらずの口調で布団の横に腰を下ろす斎藤に未だ状況を掴めない怜央はなんだと口を開いたままである。持ってきていたのであろうお茶を隣で啜る斎藤をずっとハテナが浮かんだ顔で見つめる。
「いつまでそんな顔を続けるんだ」
その言葉に脳みそがこの場に戻ってくるとだって、と言葉を並べる。
「あんなもうここに未練はないよみたいな顔してさ、わざわざ嫌味みたいな表情だけ置き土産にしてってさ…こっちもこっちで受け入れる覚悟を決めたのにさ」
何さ何さ、と優しく斎藤の肩を突いた。
「…」
「お、おい」
そっぽを向き左手だけでちょんちょんと一定の拍を刻む怜央の左耳は赤かった。そしてズビ、という鼻水を啜る音が小さく鳴る。
「泣いているのか…?」
まさか泣かれるとは思ってもみなかった斎藤は女性の涙に慣れておらず、どうしようかこうしようかと狼狽えた。懐から手拭いを差し出すと怜央は黙って受け取り大きく鼻水をかんだ。
「一発目でそれはないだろう!」
「だってちょうどいい布だったんだもん」
「だとしてもだ!久しぶりに会ってみれば図々しく成長したな」
涙を拭き取れば汚いからとそのまま怜央自身の懐に片づけると斎藤はこれを、と包に入った何かを差し出した。
「騙したようで悪かったな」
「…なんで団子なんですか」
怜央は包を開き餡子が乗った団子と目が合った。いつか斎藤と口論をした気がする、つぶ餡かこし餡か。後者を選んでいるあたり、やはり餡子に関しては相容れないようだ。
「買いすぎてしまってな、一人で食うのもなんだからアンタの分の茶も用意してきた」
スッと目の前にお盆に乗った湯呑みが出された。つぶ餡派なのにな、と団子を凝視したのち、口に運ぶ。酒明けの胃に助かる、と思いながら甘味を感じる。
「ありがとうございます」
陽はまだ高く障子の明るさから感じる外の様子も快調だ。斎藤と過ごす穏やかな午後を噛み締めた。