I wanna
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怜央が目を覚ましたのはまだ日も登っていない深夜のことだった。怠い頭と動かない身体。いつもより重たい身体はお酒のせいだけではなかった。
「え、ちょっと…」
土方の腕に後ろから抱きしめられて身体を捩っても簡単には抜け出せそうになかった。上から被さった腕は胸近くのかなり際どいところにあって…。とはいえ寝起きと酒明けの気怠い頭ではそんなことなど考えてはいなかった。いくら外が寒いとはいえお酒を飲んだせいかベタつく身体を清めたい。そして出来ることなら歯磨きがしたかった。
腕をめくって抜け出そうとすればそれはダメだと言うようにさらに強く絡みついた。ここでやっと妙な位置にある手に気がつくとパシパシと叩き気づかせようとかするが力が抜かれる気配はない。と言うかむしろ強くなっているまである。
「ねえちょ、ほんとに…ねえってば」
苦しくなって後ろを見れば眠そうながら薄ら笑いの土方が楽しそうにしていた。
「…っ!びっくりした、起きてるなら返事くらいしてくださいよ。顔洗って歯磨きしたいです」
そう言えば黙って腕を離し起きあがろうとする怜央よりも早く立ち上がるとほら、と手を差し出した。
「え…?」
なぜか付いてくる気満々の土方に不思議がりながらもその手を取って冷たい水場に直行した。土方に見守られながら歯磨きと洗顔を済ませるとすっきりとした。
ふと土方を見上げれば眠そうな顔をしておきながらやけに気味の悪い優しい顔をしていた。その思いが全面に出てしまったのだろう、なんだと詰め寄って来る。
「なんですか気持ち悪い」
「…酒に酔ってたらあんなに可愛いのにな、覚めたらすぐにこれかよ」
はあ、とどこか嬉しそうに大袈裟なため息を吐く。もちろん怜央も自分が言ったことは覚えていた。だから寒空の下で顔に熱が溜まるのだ。
その小馬鹿にしたような言い方に歳上の余裕を感じて少しムッとなった。
「土方さんなんか素面で鬼、酔えば絡み酒ですもんね」
拗ねたようにそう言い返せば悪かった、と頭に手が置かれた。数年過ごして分かったが怜央はこれにめっぽう弱い。
冷えた怜央を温めるように背後からそっと耳元と輪郭を包み込む。時折伝わってくる脈拍が彼女の生を裏付けるようでどこか心地よかった。
「あ、雪だ」
そう言う怜央の目線の先にはパラパラと雪が白銀の蝶のように舞っていた。それは冷えるはずだと空に立ち上る白い息を眺める。
「部屋、戻るか」
未だ雪に見惚れる怜央の肩に自身の羽織を着せると手を取って自室へ急いた。
「え、ちょっと…」
土方の腕に後ろから抱きしめられて身体を捩っても簡単には抜け出せそうになかった。上から被さった腕は胸近くのかなり際どいところにあって…。とはいえ寝起きと酒明けの気怠い頭ではそんなことなど考えてはいなかった。いくら外が寒いとはいえお酒を飲んだせいかベタつく身体を清めたい。そして出来ることなら歯磨きがしたかった。
腕をめくって抜け出そうとすればそれはダメだと言うようにさらに強く絡みついた。ここでやっと妙な位置にある手に気がつくとパシパシと叩き気づかせようとかするが力が抜かれる気配はない。と言うかむしろ強くなっているまである。
「ねえちょ、ほんとに…ねえってば」
苦しくなって後ろを見れば眠そうながら薄ら笑いの土方が楽しそうにしていた。
「…っ!びっくりした、起きてるなら返事くらいしてくださいよ。顔洗って歯磨きしたいです」
そう言えば黙って腕を離し起きあがろうとする怜央よりも早く立ち上がるとほら、と手を差し出した。
「え…?」
なぜか付いてくる気満々の土方に不思議がりながらもその手を取って冷たい水場に直行した。土方に見守られながら歯磨きと洗顔を済ませるとすっきりとした。
ふと土方を見上げれば眠そうな顔をしておきながらやけに気味の悪い優しい顔をしていた。その思いが全面に出てしまったのだろう、なんだと詰め寄って来る。
「なんですか気持ち悪い」
「…酒に酔ってたらあんなに可愛いのにな、覚めたらすぐにこれかよ」
はあ、とどこか嬉しそうに大袈裟なため息を吐く。もちろん怜央も自分が言ったことは覚えていた。だから寒空の下で顔に熱が溜まるのだ。
その小馬鹿にしたような言い方に歳上の余裕を感じて少しムッとなった。
「土方さんなんか素面で鬼、酔えば絡み酒ですもんね」
拗ねたようにそう言い返せば悪かった、と頭に手が置かれた。数年過ごして分かったが怜央はこれにめっぽう弱い。
冷えた怜央を温めるように背後からそっと耳元と輪郭を包み込む。時折伝わってくる脈拍が彼女の生を裏付けるようでどこか心地よかった。
「あ、雪だ」
そう言う怜央の目線の先にはパラパラと雪が白銀の蝶のように舞っていた。それは冷えるはずだと空に立ち上る白い息を眺める。
「部屋、戻るか」
未だ雪に見惚れる怜央の肩に自身の羽織を着せると手を取って自室へ急いた。